【社長、引っ越すなら「99㎡」以下にしなさい】家賃負担が1割に激減!?最強の節税策「役員社宅」の物件選び

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「役員社宅にすると節税になる」という話を聞いて、A社長は早速、憧れだった広々とした120㎡の高級マンションへの引越しを検討し始めました。「どうせ会社が払ってくれるなら、広い方がいいだろう!」

しかし、その話を聞いた顧問税理士は、慌ててA社長を止めました。「社長、ちょっと待ってください! 120㎡だと家賃の半分は社長負担になりますよ。でも、99㎡以下の部屋なら、負担は2割以下で済むんです」

「えっ、たった20㎡違うだけで、そんなに変わるの!?」…そうなんです。役員社宅には、天国と地獄を分ける「99㎡の壁」が存在することをご存知でしょうか?

物件選びで決まる、節税の「威力」

この記事では、役員社宅制度を最大限に活用するための「物件選びの鉄則」について解説します。なぜ「99㎡以下」の物件を選ぶと、手取りが劇的に増えるのか。そのカラクリを知れば、あなたの家探しの基準は今日から変わります。

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運命の分かれ道:「小規模住宅」か「一般住宅」か

役員社宅の制度では、社長個人が会社に支払うべき家賃(賃貸料相当額)の計算ルールが、物件の「床面積」によって劇的に変わります。ここが最大のポイントです。

ゾーン①:最強の節税「小規模住宅」(99㎡以下)

マンション(耐火建築物)の場合、床面積が99㎡以下(※)であれば「小規模住宅」に分類されます。この場合、固定資産税評価額をもとにした非常に安い計算式が適用されます。

【社長の負担額】
市場家賃の10%〜20%程度

つまり、家賃30万円の都心マンションでも、99㎡以下なら、社長個人の負担は3万円〜5万円程度で済む可能性があるのです。残りの25万円以上は、会社の経費として処理できます。

※木造建築の場合は132㎡以下となります。

ゾーン②:効果半減「一般住宅」(99㎡超〜240㎡以下)

床面積が99㎡を超えると「一般住宅」扱いとなります。計算式が変わり、実務上は安全を見て「市場家賃の50%」を社長負担額として設定するケースが多くなります。

【社長の負担額】
市場家賃の50%程度

これでも個人契約よりはお得ですが、小規模住宅に比べると負担は倍増します。「あと1㎡狭ければ、もっと安く済んだのに…」とならないよう、注意が必要です。

【警告】絶対に避けるべき「豪華社宅」(240㎡超など)

床面積が240㎡を超える物件や、プール等の贅沢な設備がある物件は「豪華社宅」とみなされます。この場合、市場家賃(実勢価格)の全額を社長が負担しなければならず、節税メリットはゼロになります。

導入するための3つの絶対条件

この「99㎡以下の最強スキーム」を実行するには、広さ以外にも以下の3つの条件をクリアする必要があります。

  • 契約は必ず「会社名義(法人契約)」にする
    個人名義のままでは、単なる「家賃補助」となり給与課税されてしまいます。
  • 「賃貸料相当額」を会社に支払う
    計算した10〜20%の家賃を、毎月の給与から天引きする形で会社に支払います。
  • 社内規程(役員社宅規程)を整備する
    「なぜその金額なのか」という根拠を明確にするため、株主総会などで規程を定めておきます。

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この記事のまとめ

  • 役員社宅は、物件の「床面積」によって節税効果が劇的に変わる。
  • 狙い目は、マンションなら「99㎡以下」の小規模住宅。負担は家賃の1〜2割で済む。
  • 99㎡を超えると「一般住宅」となり、負担は家賃の約5割に増える。
  • 240㎡超の「豪華社宅」は節税メリットがないので避ける。

「広さ」より「質」を選ぶ、賢い経営者のライフスタイル

「社長になったら広い家に住みたい」。その夢も素晴らしいですが、あえて「99㎡以下」の広さを選び、その分、立地やグレードにこだわる。そして浮いたお金を、貯蓄や投資、あるいは家族との旅行に使う。それが、税制を知り尽くした賢い経営者のライフスタイルかもしれません。

都心の高級マンションでも、90㎡台の2LDKや3LDKなど、快適で資産価値の高い物件はたくさんあります。

「今住んでいるマンションは小規模住宅になる?」「具体的な負担額を計算してほしい」。そんな時は、ぜひ専門家にご相談ください。優れた「経営コンサル型税理士」は、物件選びの段階から、あなたの手取りを最大化するためのアドバイスをくれるはずです。

知識は力なり。賢い選択で、豊かな生活と会社の成長の両方を手に入れてください。


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当サイトは、専門家の監修のもと情報を提供しておりますが、記事作成時点の法令や情報に基づいています。万全を期しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。また、特定の個人や組織の状況に適用できるものではない可能性があります。
実際の税務処理や小規模住宅の判定にあたっては、必ず税理士などの専門家にご相談の上、ご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。

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