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先日の記事で「生命保険料控除」の書き方について解説しました。年末調整で税金が戻ってくるための第一歩、ご理解いただけたでしょうか。しかし、あなたが会社に提出する『給与所得者の保険料控除申告書』には、まだ見逃してはならない、強力な節税ポイントが隠されています。
それが、「地震保険料控除」と、iDeCo(個人型確定拠出年金)などが対象となる「小規模企業共済等掛金控除」です。
「自分には関係ないかな…」と素通りしてしまっては、本来受けられるはずだった数千円から数万円の税金の還付を、自ら放棄してしまうことになるかもしれません。
この記事で、控除のモレを完全チェック
この記事では、生命保険料控除と同じくらい重要な、しかし見落とされがちな2つの控除について、対象者から申告書の具体的な書き方までを、分かりやすく解説します。あなたの節税チャンスを、1円たりとも無駄にさせません。
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その1:「地震保険料控除」で、万が一の備えを税金面でも応援
地震大国である日本において、地震保険への加入は非常に重要です。国も、その備えを税制面で後押しするために、この控除制度を設けています。
【対象者】
あなた自身、または生計を同じにする配偶者や親族が所有し、常に住んでいる家屋や家財(生活用動産)に対する**地震保険料**を支払っている方が対象です。
【書き方のポイント】
生命保険料控除と同じ『保険料控除申告書』の右側部分に記入します。損害保険会社から送られてくる「地震保険料控除証明書」を見ながら、保険会社名、保険の種類、支払った保険料などを転記します。計算は非常にシンプルで、支払った保険料の全額(最高50,000円まで)が控除額となります。
【ケーススタディ】
年間の地震保険料として30,000円を支払った場合、控除額はそのまま30,000円です。もし、60,000円支払った場合は、上限である50,000円が控除額となります。
その2:「iDeCo」は、最強の節税ツール!忘れずに申告を
老後資金の準備として注目される「iDeCo(個人型確定拠出年金)」。その最大の魅力は、支払った掛金の全額が所得控除の対象になるという、極めてパワフルな節税効果です。
【対象者】
iDeCoに加入している方のほか、**「小規模企業共済」**や**「心身障害者扶養共済」**の掛金を支払っている方も、この控除の対象となります。
【書き方のポイント】
申告書の**「小規模企業共済等掛金控除」**の欄に記入します。国民年金基金連合会などから送られてくる「掛金払込証明書」に記載された、その年に支払った掛金の合計額をそのまま転記するだけです。
【最重要:全額が控除対象!】
生命保険料控除や地震保険料控除と違い、iDeCoなどの掛金は支払った全額が控除の対象です。例えば、毎月23,000円(年間276,000円)をiDeCoに拠出している会社員の場合、その276,000円がまるまる所得から差し引かれます。所得税・住民税率が合わせて20%の方なら、約55,200円もの税金が安くなる計算です。これを申告しない手はありません。
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この記事のまとめ
- ✅ 年末調整の『保険料控除申告書』は、生命保険だけじゃない。地震保険も忘れずにチェック。
- ✅ 地震保険料控除の上限は、年間50,000円。
- ✅ iDeCoや小規模企業共済の掛金は、支払った全額が所得控除になる最強の節税策。
- ✅ それぞれの機関から送られてくる「控除証明書」が申告には必須。大切に保管する。
その「面倒」の先にある、確かな安心と未来
年末調整の書類仕事は、細かくて、確かに面倒に感じるかもしれません。しかし、一つ一つの控除項目は、あなたの「万が一への備え」や「未来への積み立て」という尊い行動を、国が税金の面から応援してくれる、大切な権利の証明です。
そして、これらの書類を一つ一つ確認し、全社員の税金を正しく計算する経理・総務担当者の皆様。その緻密で誠実な仕事が、会社のコンプライアンスと、社員一人ひとりの生活を支えています。本当に、心からお疲れ様です。
「自分の場合、iDeCoやNISA、どの制度を優先すべき?」「会社の役員として、もっと効果的な資産形成の方法はないか?」…そんな一歩進んだ悩みには、ぜひ専門家を頼ってください。「経営コンサル型税理士」やファイナンシャルプランナーは、あなたの会社の状況と個人のライフプランを総合的に見て、最適なアドバイスをくれます。
あなたの小さな一手間が、未来の大きな安心に繋がりますように。私たちは、あなたの賢い選択を、いつでも応援しています。
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