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銀行融資を受けるタイミングは一がベストなのでしょう。個人事業であれば確定申告後・法人であれば法人決算後でしょうか?資金繰りに重要な銀行融資のタイミングについて考えてみましょう。
銀行がお金を貸したくなる決算書とは?【銀行融資のタイミングはいつがベストか】
銀行は銀行融資を行って金利を稼ぐということが基本路線になります。
最近では銀行も様々なビジネスを展開しているので貸出金利息が収益のメインとはいえないかもしれませんが。
個人事業や中小法人にとっても銀行からの融資を受けた資金を効果的に活用して事業を維持・成長させていくのです。
銀行側は預かった預金を貸して利息で儲けます。
貸出金利が2%を下回っている現在では貸したお金が返ってこないというととんでもない事件です。
仮に金利2%のところに100万円貸しても、1年でもらえる利息はたったの2万円です。
銀行が貸している100万円が焦げ付いてしまったら、100万円の融資先50件分の1年分利息がパーなわけです。
銀行側としては、貸した会社が倒産されるととんでもなく迷惑なわけです。
そこで銀行側は融資先の査定はしっかりと行っていくことが重要になります。
銀行融資の借り手である、個人事業主や中小企業にとっては運転資金は生命線です。
安全なところに融資をしたい銀行と、しっかりと運転資金や設備資金を確保したい事業者のバランスが重要になってきます。
同じ会社でも銀行融資が受けやすいときと受けにくいときがあるので、どのような決算書をどのタイミングで銀行に出すことがベストかを考えてみましょう。
銀行がお金を貸したくなる決算書【銀行融資に向いている申告書とは】
銀行融資を受けようと思っても会社の業況が悪ければ銀行側はお金を貸しません。
融資担当者がお金を貸したくても上司の決裁が降りないということになってしまいます。
銀行側が会社の業況の善し悪しを判断するポイントはどこになるのかを考えてみましょう。
①最終利益が出ているか?
個人事業が赤字の場合には、生活自体ができていないということになるので融資審査どころではありません。
法人の場合には、最終利益が黒字なのか赤字なのかで銀行の融資審査の通り方は大きく変わってきます。
赤字の会社は資金が流出してしまっている可能性が高くなります。
さらに赤字決算ということは、業況が右肩上がりではなく、左前ということです。
将来的に明るい兆しがあると言葉で説明しても出てきた決算書が赤字であれば「本当のところは厳しいんでしょ?」と思われてしまいます。
先ほどもお話しした通り、銀行融資が焦げ付くことは大問題です。
少しでもリスクの少ないところに融資をして金利で稼がなければならないのですから、赤字の会社に対しての融資審査は厳しくなります。
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②減価償却費はあるのか?
減価償却費とはお金の流れと連動しない経費です。
車や備品などを購入した場合、一定の年数をかけて経費化していきます。
これを減価償却といいます。
高額な資産を現金で購入していれば購入時点でお金はなくなりますが、減価償却費は数年かけて経費で落としていくことになります。
銀行融資を受けて資産を購入した場合、銀行融資の返済と減価償却費とは連動しないことが起きてきます。
つまり、簡易的には「最終利益+減価償却費を足したもの-借入金返済額」が資産の増加額といえます。
これで資金が回っているのかどうかを判定できます。
銀行はさらに厳しく決算書を見ていきます。
最終利益がでていて黒字であっても減価償却費を計上していないケースも出てきます。
所得税法では減価償却は強制的に行うため、減価償却費を削って黒字化することはできません。
法人税法では減価償却費を計上するかしないかは会社の任意になります。
税法上認められた減価償却費の限度額を超えると超えた部分が税法上経費に落ちないだけです。
銀行の担当者は、法人の決算書上の利益は税法上の限度額まで償却費を計上した結果の黒字なのかしっかりとチェックします。
仮に減価償却費を計上しないで利益を出していたとしても、税法上の限度額まで減価償却費をしたものとして利益を見直します。
銀行融資を受けてもキャッシュが回る決算書を提出している会社にこそ融資をしたいのです。
③前年比よりもプラスに成長しているか
銀行融資の際には2期から3期分の決算書の提出が求められます。
その提出した決算書の推移が成長傾向にある場合、銀行融資はおこないやすくなります。
年々売上も利益も下がっている会社の場合、うまくいくかわからない事業に対して融資を実行するという可能性が出てきます。
右肩上がりの会社であれば、成長過程でキャッシュバランスが崩れている可能性があると考えます。
資金バランスを調整するための銀行融資を行えば、会社はさらに成長してくれる可能性があるのです。
銀行融資のタイミングはいつがベスト?
銀行融資は右肩上がりの状況の時が一番ベストといえます。
最終利益がプラスで減価償却費も税法上の限度額を計上している年が一番ベストです。
ただし、注意点があります。
これだけよい条件でも銀行融資のタイミングとして最悪な時期があります。
それは決算申告時に資金が不足しているケースです。
法人決算は事業年度終了から2ヶ月以内に行います。
・3月決算の場合は5月末日
・12月決算の場合は2月末日
これが法人税の申告期限であり、納税期限になります。
このときに手持ち資金が不足しているので銀行融資を受けようとすると手遅れになりがちです。
銀行融資の際に納税証明書を要求されるからです。
法人税の決算が固まっている場合、税務署提出済みの申告書控えと納税証明書をセットで要求されます。
これを避けるために、法人の決算後すぐに速報版として試算表で銀行融資を打診する方がベターです。
納税資金に不安がある場合や納税資金に回すことで運転資金がきつくなる場合には、決算期よりも前に銀行融資を打診する方がよいといえます。
まとめ
銀行融資は次の決算書を出している会社に行いたいと考えられます。
①黒字決算
②減価償却費を税法上の限度額を計上している
③対前年比プラスの成長企業
銀行融資は良い内容の決算書を提出しても、税金の未納があると厳しくなります。
黒字決算の申告書を提出しても納税資金に難があるのであればダメです。
そんな場合には決算申告期日よりも余裕を持ったタイミングで銀行融資を打診しておきましょう。
利益状況と資金繰りについてはしっかりと税理士さんと打合せしておきましょう。
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