起業後いきなり資金繰りに困らないための資金計画の作り方5つのポイント
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起業してすぐに資金がショートしてしまっては資金繰りが仕事になってしまいます。起業してから資金繰りに奔走しなくて済むような予算計画が必要です。資金繰りに困らない資金計画の作り方をしっかりと覚えておきましょう!
起業後いきなり資金繰りに困らないための資金計画の作り方5つのポイント
起業する時にお金の心配をしなさすぎるととんでもない目に遭ってしまいます。
起業する方はある程度思い切りのよい方が起業するので、「何とかなるだろう」という気持ちが強くなっています。
・毎月従業員やアルバイトにお給料を払えるだろうか?
・毎月家賃を払えるだろうか?
・毎月社会保険料を払えるだろうか?
最低限の支払いとして、お給料や家賃・公的な支払いができなければなりません。
中小企業にとって最低限支払いができるかどうかで会社の存続も成長度合いも変わってきます。
お金の心配をすることで経営者の思考は停止してしまいます。
最悪の場合、資金繰りが仕事になってしまい事業自体の収益性は得られなくなります。
資金繰りを健全なものにしていくためには資金計画(予算計画)を立てていきましょう。
資金計画(予算計画)に盛り込んでおくべきポイント
資金計画(予算計画)とは会社のお金がどのように流れていくかの予定表です。
将来のキャッシュフローの予定表です。
会社経営で最も大事なことは資金繰りです。
どんなに儲かっていても資金繰りで失敗する倒産します。
必ず押さえておくべきポイントは資金繰りがどうなっていくのかということです。
資金計画(予算計画)では、将来の入金と出金の予算を作っていくことになります。
資金計画(予算計画)は短期のものと長期のものを作成する必要があります。
短期的な資金繰りでダメになってしまえば、長期的な会社存続はできません。
しかし、短期的な資金繰りばかりに目が行ってしまうと長期的に必要な資金を考慮に入れないまま進んでしまいます。
長期的には大規模なリニューアルが必要なのに計画していなければ、まとまった資金調達に失敗します。
そのため、短期資金計画と長期資金計画の両方を作る必要があります。
資金計画(予算計画)ポイント1:商品やサービスの仕入や製造原価はいくらか?
資金計画を作るうえで一番重要なことがあります。
自分が販売する商品や製品の値付けです。
売値をいくらにするかを決めなければ資金計画が全く作れません。
売値をいきなり決めてしまうと、大手の金額と同一に設定しておけば大丈夫と考えてしまう方がいらっしゃいます。
これでは売れません。
下手をすると赤字になってしまいます。
自社で販売する商品や製品がいくらで調達できるのかをしっかりと考えたうえで値付けを決める必要があります。
そのため、一番最初に必要なのは商品やサービスの仕入原価や製造原価にいくらかかるのかをしっかりと調べておきましょう。
資金計画(予算計画)ポイント2:商品やサービスの販売価格はいくらにするか?
商品の調達原価がわかったら「いくらで販売するか」ということを決めていきます。
最初の値付けは非常に重要です。
この値付けを失敗すると商品が全く売れなかったり、逆に売れても売れても儲からなかったりします。
特に飲食店や小売店など一般消費者がお客様になる業種にとっては値付けは非常に重要です。
価格帯の高いものであれば客層が高収入のお客様相手になる可能性が高くなります。
一般的に言うと「客層の良い店」になる可能性が高くなります。
逆に価格帯の低いものであれば客単価の低い業態になります。
一般の方が気軽に来店いただける店になります。
その代わり客単価が低いため販売数量を確保しなければならない店づくりになります。
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資金計画(予算計画)ポイント3:短期的売上予測をする
①初年度の売上予測
資金計画はキャッシュフローの予測とお伝えしました。
まずは、収入がどのようになるかを決めなければ予測ができません。
起業してから1年目の収入の予測を作っていきましょう。
会社の本業は商品やサービスの提供で収入を上げていきます。
売上は「単価×数量」です。
創業1期目の予測収入は「どれだけ販売できるか」にかかっています。
資金計画には初年度の売上予測をしっかりと盛り込みましょう。
②2年目の売上予測
資金計画には短期と長期の両方が必要になります。
短期の部類に入りますが、創業時は2期くらいの収入予測を立てておきましょう。
1期目よりも2期目の収入を大きくしていかなければ会社としては成長できないことになります。
2期目の収益の伸びがない場合には最悪倒産してしまいます。
2期目をどのようにして売り上げを伸ばすのかの裏付けを考えながら2期目の収入計画を作っていきましょう。
2期目の売上予測では売上が上がる根拠を同時に考えることが重要です。
資金計画(予算計画)ポイント4:事業維持費を見積もる
販売数量・販売単価で売上高が決まります。
販売数量と仕入単価で仕入原価が決まります。
ここで自社の維持費を考えていくことになります。
具体的に言うと、目標とする売上を達成するために必要なものにはいくらかかるのかを考えます。
①必要な在庫はどれくらい?
在庫を必要としない商売以外であれば適正在庫数というものがあります。
在庫を全くしていない場合には「売り逃し」につながります。
逆に在庫を過剰にしていると「在庫の廃棄」「在庫の盗難」「在庫の型落ち」「在庫の支払い金での資金圧迫」を招きます。
そのため適正在庫数を考えることが重要になります。
自社の商品がどれくらいの回転数で回っていくのかを考えていきましょう。
例えば、1カ月間の販売数量が100個と想定している場合100個を1か月で取ればよいことになります。
扱う商品が飲食物であれば100個を一度に取ることはリスクがあります。
このような場合には、3日~1週間程度の必要数を1週間に2回程度に分けて発注することも検討しましょう。
適正な在庫数を確認するためには、日常的に在庫がどれくらいあるか把握する仕組みを作っておきましょう。
②何人必要で人件費はいくら必要か?
目標とする売上を達成するためにどれだけの人材が必要かを考えます。
飲食店であればホールスタッフと厨房で必要な人数を考えます。
資材販売などであれば営業スタッフと配送スタッフ・事務所での受発注管理事務の担当者などが必要になります。
それぞれの業態ごとに最低限必要なスタッフ数を考えます。
余剰人員を抱えることは資金繰りに悪影響を与えますが、人材不足はすぐに解消できません。
そのため売上がいくら上がったらスタッフ補充をかけるべきかを考えておきましょう。
③必要な設備や備品はどれくらいか?
スタッフの人数が決まると必要なデスクやパソコンの数も見えてきます。
店舗に必要な厨房機器や営業用の車両の数なども見えてきます。
仕事をする上で最低限度必要なものをリスト化しておきましょう。
ここで「必要なもの」と「欲しいもの」は明確に分けてください。
創業融資や助成金をあてにして、欲しいもので揃えてしまうと資金繰りが悪くなります。
売上が計画通りにいかないリスクも考えて「必要なもの」と「欲しいもの」のリストを分けて作っておきましょう。
④日本政策金融公庫や銀行融資で調達する借入はいくらか?
売上と経費と設備投資額が決まると、必要な運転資金と必要な設備資金がわかります。
ここで手元資金で足りない分を創業融資などで賄います。
甘い計画では融資を受けても資金ショートしてしまいますし、融資希望額を大きく書きすぎても借入が不可能になります。
この辺りは税理士事務所の手助けを借りながら作っていくことが重要です。
創業融資などの借り入れは返済する必要があるので、毎月の資金繰り計画に返済分も組み込んでおきましょう。
⑤自分の生活費はいくら必要か?
会社の予算計画に関係なく思われてしまうのが、社長自身の生活費です。
創業当初はお給料が取れないこともあるかもしれません。
しかしどんなに売上がなくても個人の生活費はかかってきます。
自分の最低限度の生活費は予算計画の中で考慮に入れておかなければなりません。
法人であれば役員報酬ということでしっかりと予算計上しておきます。
個人事業の場合でも生活費として月の生活費を計上しておきましょう。
ただし、高額な生活費を予算計上すると金融機関から嫌われますのでご注意ください。
資金計画(予算計画)ポイント5:長期的投資計画はいくら必要か?
いよいよ資金計画の最後です。
長期的に必要になる資金も検討しておきます。
短期的な資金計画は「日々の売上と生活」を目標としてしまいがちです。
しかし、長期的には多額の出費が待っているのです。
例えば、営業用自動車や業務用冷蔵庫・パソコンも永久には持ちません。
一般家庭で利用するよりもハードに使っていくため壊れるのも早くなります。
創業時に設備投資でお金がかかると感じている以上に将来的には出費が必要になります。
将来的な設備投資部分も長期的資金計画(予算計画)で盛り込んでおかなければなりません。
まとめ
起業する際にお金のことをルーズに考えているとあっという間に資金ショートを起こします。
資金ショートを起こすと金融機関との取引は将来的にも難しくなってしまいます。
銀行融資が受けられなければ大きな設備投資も運転資金の確保もできなくなりますので、会社の成長速度は急激に低下します。
創業時の資金計画(予算計画)は非常に重要なことですので、税理士さんのサポートを受けながらしっかりと作っていきましょう!
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