確定申告の期限後に作るべき事業計画とは?~事業資金が納税で流出しています~
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確定申告が終わったら作っておくべき事業計画というものをご存じでしょうか?確定申告後に納税をすることで事業資金が少なくなっているのです。資金手当をしなければ会社の成長力が減少してしまうことを知っておきましょう。
確定申告の期限後に作るべき事業計画とは?~事業資金が納税で流出しています~
確定申告が終わると納税が発生します。
納付書で所得税の納税をおこなう場合には3月15日までに納税が完了していることでしょう。
口座振替の場合には4月20日に預金口座から所得税の納税分が引き落とされます。
確定申告をして納税をすることは当然なことですが、事業のための大切な運転資金が一気に減ってしまうのです。
所得税の納税が出るということは次のことも考えなければなりません。
①住民税も年4回に分けての納税が出る
②所得税の予定納税が年2回出る
③事業税の納税が年2回出る
※消費税の納税が出る場合には、消費税の予定納税もでてきます。
いかがでしょう?
確定申告が終わっただけで、これだけの運転資金が流出することが決まっているのです。
右肩上がりの成長をしているときであれば影響を感じないまま進んでいけるかもしれません。
なぜ税金で資金が流出することが危険なのか
前年のことを考えてみましょう。
前年は利益が出たから納税が出て、予定納税も出たのです。
それだけの売上と利益分キャッシュが入っていた結果です。
手元にそれだけのキャッシュの厚みがある状態で事業を拡大させてきていたと考えられるのです。
今年は前年の税金の余波で資金が流出するため、右肩上がりでなければ手持ちキャッシュは少なくなります。
少ないキャッシュで利益を上げられなければならないのです。
そうなってくると同じ単価の商品を同じように仕入れて販売することができないことになります。
仕入れるための運転資金が流出してしまいますから、仕入れられる量が減少してしまいます。
商品の回転数を上げるか、利益率の高いものにシフトしなければ同じことができません。
現実的には難しい可能性があるので、手持ち資金が不足する部分を補う必要があります。
事業計画を作っておくことで資金調達の可能性を高めておく
確定申告終了後の納税はなんとかしのいでも、住民税の支払いや予定納税という大きな支払が出てきます。
そのたびに運転資金が不足していたのでは事業の成長ができないどころか、下降曲線になってしまうリスクがあります。
業績のよかった年の確定申告内容を銀行融資に生かして運転資金を確保しておきましょう。
運転資金を確保するために銀行融資を起こすために事業計画が重要になってきます。
1:銀行融資を受けるための資金繰り表と事業計画は自分で作る
銀行融資を受ける際には資金繰り表と事業計画書を作ることが必要になります。
この資金繰り表と事業計画を税理士さん任せにしていませんか?
経営者の中には忙しい・資金繰り表や事業計画がよく分からないという理由で税理士さんに丸投げしてしまっている人も多いのです。
しかし、資金繰り表や事業計画を経営者が仕事として作ることが重要なのです。
本当に困ったときに税理士さん任せにしていたのでは会社は潰れてしまいます。
資金繰りに困って税理士さんへの顧問料は滞っていたら誰も銀行融資を手伝ってくれません。
こんな時に融資コンサルタントに依頼してしまうと高額な手数料を取られてしまうことさえあるのです。
業績のよいときから経営者自ら資金繰り表と事業計画を作る練習をしておきましょう。
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2:事業計画は収益確保の青地図
資金繰り表と連動する事業計画というものも作っておきましょう。
どのような事業を行うために「いくらの資金が必要なのか」ということが重要なのです。
単純にお金が不足しそうだからではダメです。
飲食店を例に考えてみましょう。
単年の事業計画なので少し物足りないストーリーですが。
飲食店で忙しくてサービングタイムが遅れていることで顧客満足度が低下していました。
そのため年の後半のリピーター売上が鈍っていました。
本年度は人材確保をすることで回転率を上げ、売上を上げることに力を入れます。
今までなかった人件費の支払と回転数が増えることで洗い物を自動的に行う食洗機の購入が必要になったとします。
人材をむやみやたらと増やしたのでは固定費が増えて経営を圧迫します。
パートアルバイトを確保するとともに、食洗機を導入することで最低賃金の上昇と社会保険負担を抑えることで設備投資と人材投資のバランスを計ります。
このような数字に置き換えられる前のものが事業計画です。
事業計画を作る場合には5年程度の中期事業計画をたててから単年の事業計画を作ります。
5年後のゴールに向かうために逆算で達成しなければならないものを作るという感じです。
達成するための計画に必要な資金的裏付けをつけるのが資金繰り表といえます。
3:資金繰り表の作り方
資金繰り表は非常に簡単です。
単純にお金の出入りをエクセルなどで加工するだけです。
収入に含まれるもの
・売上の入金予定
支出に含まれるもの
・仕入の支払予定
・人件費や家賃など経費の支払い
・借入金の支払い
・税金の支払い
資金繰り表は手持ち資金に「収入-支出」をした残高を足して現金の残高を予測していく表です。
もしもこの資金繰り表で手持ち資金がマイナスになる可能性があるのであれば、運転資金を確保しておかなければなりません。
さもなければ入金を増やすか、支払う経費を見直す必要があります。
手持ち資金がショートしてしまえば黒字であろうと倒産してしまいます。
最初は1年間の大まかな流れを理解するために1か月単位のものを12か月(1事業年度分)を1枚の表にしてみましょう。
4:1事業年度の資金繰り表を作ることで分かること
今まで感覚だけで行ってきた資金繰りや人任せにしていた資金繰りを可視化することができます。
自分の業種はどの時期に売上がおおくなって、その商品仕入のためにどの時期の支払がふえるのかがみえてきます。
さらに所得税・消費税・住民税・消費税の予定納税など税金が引かれる時期と事業の資金需要の影響が目に見えます。
税金の支払いの心配さえなければ事業は順風満帆という会社も多いはずです。
そうはいっても納税をしっかりとお粉分ければ事業も進んでいきません。
事業の収支と併せて納税予定も資金繰りに盛り込んでおきましょう。
5:税金の延滞が発生する前に銀行融資を手配すること
事業計画も資金繰り表も重要です。
しかし一番重要なことを忘れています。
資金ショートは絶対にしてはいけないのです。
立派な資金繰り表を作っていても、資金ショートをして納税が滞っていたら銀行融資は受けられません。
ごく希に滞納があっても融資を受けられることもありますが、よほどのことがなければ難しいことになっています。
完璧な事業計画と資金繰り表を作っている間に資金ショートになるくらいなら、粗々のものでもかまわないので銀行融資を打診しておきましょう。
銀行融資は実行までに約2週間~1ヶ月半かかります。
融資担当者の動きや融資希望者の混雑具合にもよりますが、思いの外時間がかかります。
もしかしたら資金が必要になるかもしれないと思った段階で銀行融資の準備をしておきましょう。
まとめ
確定申告が終わってほっとしている時間はありません。
納税で会社の資金が流出しきる前にしっかりと資金調達の準備を進めておきましょう。
銀行融資を受けるために「事業計画書の作成」と「資金繰り表」を作っておきましょう。
原則として社長が自分で考えて作ることが重要ですが、苦手な場合には税理士さんに相談しながら一緒に作っていきましょう。
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