プロが知っている飲食店の経理に効果的な日記帳とはどんなもの?

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飲食店の経理で非常に効果的な現金出納帳というものをご存じでしょうか?飲食店の税務調査は現金精査が重要になります。しっかりとした税務調査対策のために強力なツールについて見ておきましょう。

プロが知っている飲食店の経理に効果的な日記帳とはどんなもの?

飲食店にとってクラウド会計が便利という流れができつつありますが、飲食店にとっての税務調査はクラウド会計だけで対応することは難しいのです。

飲食店の税務調査では日々の現金管理が非常に重要になってきます。

クラウド会計を使ってPOSデータを自動経理に取り込んでいますと説明しても税務調査では全く関係ありません。

レジデータやPOSデータをクラウド会計に取り込んでいても、それが正しい内容かどうかは別問題なのです。

端的に言ってしまえばに入力しない一部の売上があれば、レジデータを自動経理しても意味がないのです。

税務調査の際にはそのレジやPOSデータが正しいものかを総合的に判断していくということになります。

実は昔から飲食店専門の税理士事務所では税務調査対策に「現金出納帳(日記帳)」というものを使っていました。

これは客観的に正しい経理をしているということを作り上げるために優れた会計用品なのです。

複数店舗を経営している場合には経営者以外の人がお金を触る機会があるので、不正をしにくい環境を作るためにも導入しておきたい日記帳(現金出納帳)を知っておきましょう。

飲食店の税務調査のポイント~反面調査がしにくい業種~

飲食店は現金商売といわれることが多い業種です。

現金で回収する割合が他の業種に比べて多いのです。

飲食店と同じように現金商売といわれるものは、小売業・整体・マッサージ業・動物病院・理美容業などです。

これらは現金で回収する割合が多いので現金売上を除外することで脱税が行われやすい業種なのです。

さらに取引の相手先の問題もあります。

「BtoB」といわれる事業者間取引であれば一方が売上・他方が仕入などの経費という構図になります。

「BtoB」の場合には、仕入れた方が経費で落とさないと自分の税金が高くなるのでしっかりと資料を保存しています。

さらに相手方に税務調査が入ったときにも取引先としての資料を保存しています。

税務調査が自社に入る確率と取引先のどこかに税務調査が入る確率の掛け算だけ税務調査で自社が情報として出てくる確率が上がるということです。

ところが飲食店など現金商売が多い業種は「BtoC」といわれる構図になります。

売上を上げる方が事業者で受け手が消費者なのです。

消費者は経費で落とすわけでもないので領収書もいらないのです。

自社に対する税務調査が入る以外に相手先に税務調査が入るわけがないのです。

さきほどの「BtoB」の場合には、自社と取引先の両方の税務調査で税務当局に情報が上がるわけです。

これが飲食店など現金商売が税務調査が入った際にしっかりとした調査をしなければならない理由です。

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無通知調査が多いのも飲食店業~いきなり現金チェックが行われる~

礼状を持ってきて「動くな」というものではありません。

あくまでも任意の税務調査の中の無通知調査と呼ばれるものです。

顧問税理士さんがいる場合には一般的に税務調査の連絡は事前に税理士さんと会社側に来ます。

「○月×日10時から 会社の本店所在地に~」といったように、調査の日程や調査で対象になる年数・税目などが通知されます。

これを聞いてから会社にある会計帳簿や領収書などの税務に関する資料を揃えて税務調査を受けるのが一般的です。

ところが税務調査の事前通知をすることが妥当ではない場合には、無通知調査をすることも認められています。

飲食店の場合には、先ほどお話ししたとおり現場を押さえなければ尻尾をつかみにくいという特性があります。

そこで飲食店に対する税務調査の場合には事前通知というものを省略して調査が行われることがあります。

ある朝突然、お店、会社の事務所と代表者の自宅、経理担当者の自宅、銀行などの金融機関に同時に税務署が現れるということもあります。

任意調査とはいえ朝から突然「税務署です。税務調査で伺いました。ご協力お願いします」と数人で押し寄せられるとあわててしまいます。

顧問税理士さんにきちんと連絡をすればよいのですがあわてていて、連絡もできないまま税務調査を受け始めてしまう方もいらっしゃいます。

こんな時にも日頃の現金管理がしっかりと行われているのかをしっかりとチェックしてきます。

日記帳をしっかりとつけていれば前日の売上の記載も現金残高の記載も一致しています。

ところが現金管理をずさんにしているとクラウド会計に入力されている売上と現金のつじつまが合わないなんていう事態もあり得ます。

そうなってしまうと「売上を除外しているのではないか?」という疑念を持たれてしまいます。

便利な会計ソフトだけでは税務調査で会社を守ることは難しいのです。

飲食店で起こりやすい不正の問題

飲食店は単店舗で経営している場合には売上の頭打ちがやってきます。

よく言われる坪単価あたりの売上などいわれるとおり席数が決まっている以上売上の上限ができてしまいます。

より大きな売上高・利益を得るためには複数の店舗を経営していく必要があります。

そのため経営者自らが経理・売上・店舗運営のすべてを行うことが難しくなってきます。

社員に店舗の売上げ管理などを任せなければ他店舗経営ができないということになります。

経営者自身が知らないところで不正が起こってしまうリスクが起きやすい環境でビジネスが大きくなっていきます。

飲食店などで従業員が不正を行っていても会社の売上はしっかりと計上しなければなりません。

売上を計上した上で従業員に対して横領などをしたものについて別途請求していくということになります。

仮に不正をした従業員が一気に返金できなかったとしても、会社としては売上がたつので消費税や所得税・法人税が発生してしまいます。

さらに仕事ができると思って任せていた従業員が不正を行いうる立場になっていることが多いので、貴重な人材も同時に失ってしまいます。

不正ができる環境にしてしまったことで、会社としては大きなダメージを受けることになります。

日記帳をつけることによって経理の手間は増えますが、不正の抑制にもつながっていきます。

日記帳はこんなに便利!

日記帳は税理士さんが扱っている会計用品です。

日常的に事務用品店で販売しているのを目にしたことがないので、税理士さんから分けてもらう方が手に入りやすいと思います。

日記帳はお金の出入りを1日ごとに記入することになります。

お金の入金事由

・現金売上による入金

・預金引出による入金

・社長からの借入による入金

・ツケ(売掛金)の回収による入金

その日の売上レシート集計やクレジットのZレシートを1日ごとに貼り付けることで売上資料の紛失が防げます。

さらに税理士さんの方でレシートとチェックを行うので不自然な動きがあると指摘が入ることになります。

現金売上だけではなく、ツケの入金やツケの発生も記載することができるので売上の経理漏れが起きにくい環境を作ることができます。

お金の出金事由

・現金仕入による出金

・経費の支払による出金

・預金預入による出金

・貸付や日払給与などの出金

・その他の支払による現金の減少

支払った領主書や割り勘で領収書がもらえなかったものもメモ書きなどを残すことができます。

まとめて経理することで損をしていた支払を漏らすことが減ってくるので経理の漏れが減っていきます。

毎日つけることを強制的に習慣化できる!

一生懸命経理しても得をしている実感が得られにくいものです。

日記帳を活用した場合、1か月で1冊のノートを使い終わりますから達成感が得られます。

なにをどうしたらよいか分からなかったとしても、翌月には税理士さんから使い方の改良指導がもらえます。

少しずつの積み重ねでしっかりとした経理をつくっていくために非常に便利なツールなのです。

まとめ

クラウド会計など自動経理が注目を浴びていますが、飲食店など現金商売の場合には日記帳というものが非常に効果的です。

経理の効率化と会社の税務調査リスクや不正回避対策を行うことは別問題です。

しっかりと会社の経理・ルールを浸透させて経営を作っていくためには便利な部分と締めるための事務を共存させていきましょう。

日記帳は取り扱いのある税理士さんとない税理士さんがいるかもしれないので、飲食店・理美容室・整体・マッサージに強い税理士さんに相談してみてはいかがでしょうか?

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