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「事業に使っていたら経費になるから大丈夫」と思っていませんか?必要経費についての考え方をしっかりと押さえておかなければ後日の税務調査で思わぬトラブルになることがあります。

経費で落ちる車の台数は?~複数の車両の保有が経費として認められないことも~

事業をしていると物を買ったり、飲食をすると経費で落ちるか心配になります。

経費で落ちるならお金を使ってもいいけども、「経費で落ちないなら買わなかったのに」と思うことがあると思います。

特に、税務調査を受けたことのある社長であれば「経費で落ちない」と指摘された経験があると思います。

何度か税務調査を受けていても「経費で落ちる基準」というものはわかりにくく、経営者を混乱させ続けています。

では、経費で落ちるとはどこまでなのかという疑問が出てきます。

そもそも経費とは何かを見ていくことで事前対策をしていく必要があります。

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個人事業の経費と法人の損金は範囲が異なる

経費で落ちる・経費で落ちないといっても、個人事業と法人では経費の範囲が異なることをご存知ですか?

「経費で落ちる」という表現は、多くの社長が使いますが「個人事業の経費で落ちる範囲」と「法人の場合の経費で落ちる範囲」には違いがあるとろころから見ていきましょう。

1.法人の損金に入るもの

法人税は、会社の利益に法人税法上経費にならないものを足したりして調整して税金をかける元を作っていきます。

法人の経費になるもののことを「損金」と表現しています。

この損金自体を明確に定義している規定はありません。関節定期に損金の額に入るものを定義しています。

損金の額に算入するものは次のものです

①法令により定めのあるもの

②法令に定めがあるもの以外で、その事業年度に帰属する費用と損失の額

具体的には、

・収益と対応する売上原価などの原価

・販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で債務の確定していないものを除きます)

・その他の損失の額で資本等取引以外の取引にかかるもの

上記の具体例を簡単にいうと、

売れたものの原価やその事業年度にかかった期間的な経費で債務の確定しているものが経費の対象です。

減価償却費などの償却費は債務とは関係ない経費ですから、債務が確定していなくてもその期間に対応するものは経費に入れられます。

固定資産が壊れたり、除却したりした場合には損失が発生しますからその事業年度に発生した損失も損金に算入します。

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2.個人事業の経費となるもの

所得税法37条に必要経費について定めている条文があるので見ていきましょう。

所得税法第三十七条 

その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第三十五条第三項公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。

法人税法の損金の額とほぼ同じように見えます。

しかし、問題があるのは「別段の定めがあるものを除き」という点です。

これは、所得税法45条で必要経費に算入しないと定めているものが除かれます。

・家事関連費

・所得税

・国税にかかる延滞税・過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税及び重加算税並びに印紙税の規定による過怠税

・都道府県民税及び市町村民税

・地方税にかかる延滞金・過少申告加算金・不申告加算金及び重加算金

・罰金及び科料並びに過料

・損害賠償金で政令に定めるもの

・贈賄に規定する賄賂又は不正競争棒法に規定する金銭その他の利益に当たるべき金銭の額及び金銭以外の物又は権利その他の経済的な利益の価額

・その他一定のもの

これ以外に、所得税法56条で、生計を一にする配偶者その他の親族がその事業から支払いを受けた対価の額も必要経費に算入できないという規定もあります。

生計を一にする親族に対するお給料や賃料などの支払ったものは、原則として経費にならないという規定です。

例外的に、経費として認める条文もあります。所得税法57条①で青色事業専従者給与の必要経費算入を定めていたり、57条③で事業専従者控除というものを必要経費に入れることを認めています。

法人税法では、このように特別な規定がありません。

個人事業の場合には、所得税のこのような特別な規定が働く分経費で落ちる部分は法人税法よりも狭くなります。

Change - Business Concept

税務上トラブルを引き起こす家事関連費とは

家事関連費とは、事業と家事の両方に関連する支出をいいます。

家事だけの支出であれば、税務上問題となることがなくプライベートな支出です。経費にはなりません。

事業だけの支出であれば、税務上問題とならない100%経費で落ちるものです。

家事関連費は、事業と家事の両方に関連している支出のため税務上見解の相違が起こりやすいものです。

家事関連費で経費で落とせる部分は次の通りです。

・家事関連費の主たる部分が業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合の業務遂行上必要な部分に相当する経費

・青色申告者の場合には、取引の記録等に基づいて、業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分の金額に相当する経費

複数台の車両の所有に経費性が認められなかった判決もある

家事関連費の代表的なものに車両があります。

完全に仕事のみで使っている車両であればトラブルになる可能性はないのですが、プライベートでも車両を使っているケースが多いためです。

過去の判例では、業務遂行上複数台の車両が必要とは認められないため、経費性を否認されたものがあります。

特に、複数台の車両を所有している場合は自宅に配置していることも経費性判断の一因となります。

まとめ

個人事業の場合と法人の場合では、経費で落ちる範囲が異なるので注意しましょう。

法人の方が経費で落ちる範囲が広くなりますが、個人事業の場合には経費で落ちる範囲が狭くなります。

特に、個人事業主の方は税理士さんと家事関連費について打合せをしておきましょう。

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