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税理士顧問料はいくらくらいが相場だと思いますか?そもそも税理士顧問料が安いのか・高いのかは何を基準に考えたらよいのでしょう。税理士顧問料がどのように決められているのかを考えてみましょう。

税理士顧問料はどうやって決まっているの?【会計事務所報酬の根拠とは?】

税理士顧問料を毎月支払っているけども「一体どういう基準で決まっているのだろう?」と疑問に思うことはありませんか?

税理士顧問料の統一的な報酬規程というものはないので、それぞれの税理士事務所が独自に決めています。

ただ、似たり寄ったりの金額になっているのはなぜなのかを考えてみましょう。

税理士報酬の統一的な基準はないので、あくまでも基本的な考え方についてになります。

「安ければよい」と考えることが本当に良いのかも併せて考えていきましょう。

税理士報酬には何が含まれているのか?【毎月の顧問料で頼める業務は少ない】

税理士報酬には「毎月かかるもの」と決算料などのように「スポット」でかかるものに分かれます。

【毎月の税理士顧問料に含まれる業務と料金】

①月次顧問料

②月次記帳代行料

①月次顧問料【責任料の分割払いという側面が強い】

月次顧問料は毎月の領収書や請求書のチェックと毎月の経理内容に問題がないかをチェックすることを中心とする業務です。

お客様の方からの見え方は「毎月税理士さんが帳簿を見に来てくれる」という業務に見えているものです。

しかし、実際には税理士さんはお客様の税務リスクを減らすという業務を受けています。

正しい経理処理をして税務調査でも問題にならないように注意することが仕事です。

月次顧問料は本来「責任料の分割払い分」というものです。

「一年分をまとめてみる分安くして欲しい」という相談をする人がいますが、無理な理由はここにあります。

「一年分をまとめてみるから責任なしにする」ということが許されるなら税理士さんも納得してくれるかもしれません。

しかし、税理士さんは責任のある仕事をしているため1年分を1か月でみるのも、毎月見るのも責任量としては同じなのです。

税務的な問題が起きないように、毎月の経理内容をチェックしているのです。

②月次記帳代行料【単なる経理代行の作業賃】

毎月の経理代行料金のことを月次記帳代行料金といいます。

先ほどの顧問料は「その年度の責任料の分割払い」という側面がありました。

この月次記帳代行料は、毎月の領収書・レシート・普通預金などの会計資料をお客様の代わりに税理士さんが入力するというものです。

記帳代行作業は会計ソフトに領収書などを入力する「作業コスト」なのです。

「税理士さんが帳簿をつけるなら間違いがないから顧問料とセットでしょ?」と思うかもしれませんが違います。

顧問料は責任料で、記帳代行料というのは帳簿を作るという「作業賃」なのです。

作業賃と税理士顧問料をセットにしてしまうと、責任料という部分が低くなってしまいます。

旅行会社が急に倒産したりすることがあるように、税理士さんも無理に低価格をしていくことになると本来必要なコストをねん出することができなくなってしまいます。

税理士さんが税務的に正しい情報を持つためにはお客様のみえない部分で多額の設備投資を行っているのです。

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【スポットで税理士さんに頼む業務と臨時報酬】

①法人決算申告料(個人所得税確定申告料)

②消費税申告料

③中間決算申告料

④年末調整料金

⑤償却資産税申告料金

⑥株価評価料金

⑦銀行融資資料作成料金

⑧投資促進税制認定計画書作成料金

⑨税務調査立ち合い料金

⑩経営コンサル料金

などが税理士さんに支払いが出る可能性のあるものです。

より細かい料金規定を定めている税理士さんもいると思いますが、税理士業務に付随する業務などをみていくとだいたいこんな感じです。

①法人決算申告料(個人所得税確定申告料)

確定申告や法人決算が終わると税理士さんに「顧問料の3か月~6か月分の報酬を払う」という話を聞いたことがありますか?

これは確定申告や法人決算料といわれるものです。

「毎月の顧問料も取っておきながら、確定申告や決算が終わったらまたとるの?」と思う方も多いかもしれません。

ここにはしっかりとした理由があるのです。

A:税理士報酬はその年度の責任料

先ほどの月次顧問料は責任料の分割払いとお話ししました。

この決算料も責任料の分割払いの一部なのです。

つまり、「税理士顧問料×12か月+決算料=税理士の責任料」という考え方なのです。

お客様は「毎月○○万円で決算時に○○万円」と考えているかもしれませんが、税理士さんは年間「○○万円」と考えています。

年間の税理士報酬をもとに、税務の難易度やリスクなどを勘案して引き受けるかどうかを検討しているのです。

B:確定申告料や決算料には作業賃も含まれる

税理士さんは対象となる年度が終わると申告期限までに確定申告書や法人税申告書を作成して税務署などに提出します。

責任料とは別の話で、確定申告書や法人税申告書を作るためには結構な時間がかかります。

特に法人税申告書は分厚い書類なのです。

細かい部分まで集計して明細を作成する必要もあるため作業時間が膨大にかかってしまいます。

その税務申告作成の作業コストや税務署などへの提出コストも確定申告料や決算料に含まれています。

②消費税申告料

消費税申告料は法人税申告書と別に消費税の申告をする個人・法人向けに設定しています。

決算料に含めて欲しいと思うかもしれませんが、消費税のかからない期間とかかる期間で作る書類の量が変わってしまうのです。

さらに、消費税申告の内容に対する責任も増えてしまいます。

税理士さんも作る書類が増えると作業時間も増え、責任も増えるので消費税申告をするようになると消費税申告料も発生してきます。

③中間決算申告料

主に法人の場合に行われるものになります。

前期に一定の納税が発生している場合、予定納税(中間納税)というものがあります。

予定納税とは前期の年税額の半分を8か月目に納税する制度です。

前期は好調だったが、今期は利益が落ち込んだ場合に中間納税をすると資金的に厳しいということが起こってしまいます。

この場合、事業年度開始から6か月の期間で決算を組んで中間納税額を実際の6か月の納税額に代えることができます。

ただし適当に金額を減らして納税することはできないので、半年の期間で決算作業をすることになります。

決算作業をして申告書を作成するために手間がかかってしまいます。

そこで税理士さんは中間決算を行う場合に別途申告料をもらうことになります。

④年末調整料金

毎年年末・年始になると所得税の還付がお給料と一緒に戻ってくるイメージがある人も多いと思います。

あれは会社が従業員さんのお給料をもとに所得税を計算して役所に書類を提出してくれるからできていたものなのです。

会社の事務の人が年末調整を行っている場合には、税理士さんに追加でお金を払う必要はありません。

会社で毎月の給与計算をしていても、年末調整をして役所に書類を出すのが面倒・難しいという場合には税理士さんに依頼することになります。

その場合税理士さんもいつもの仕事以外に、お給料データを入力して年末調整業務を行っていくことからコストがかかってしまいます。

実は税理士さんも年末調整をするためにいつものソフトと別のソフトの使用料がかかってしまうのでお客様から料金をいただかなければ赤字なのです。


⑤償却資産税申告料金

固定資産税の一種に償却資産税というものがあります。

事業で使っている固定資産の評価額が一定の金額を超えると償却資産税という税金がかかります。

この償却資産税にも申告書というものがあります。

市区町村はその事業所にどんな機械や備品があるのかわからないので、事業所に対して申告書を郵送して内容を記載させます。

この申告書を作成・提出する作業を税理士さんに依頼する場合に必要になる税理士報酬です。

この償却資産税は手引きが送られてくるので自社で行うことも十分できますが、若干判断が必要な場合もあります。

不安な場合は税理士さんに頼んだ方が良いかもしれません。

⑥株価評価料金

株式会社などの法人が「自社の株式はいくらになっているのか?」を税理士さんに評価してもらうものです。

自社の株式を人に譲ったり、相続が発生した場合にどれくらいの相続財産なるのかを知っておく場合に計算します。

定期的に自社の株価を評価することで、節税対策を行っていきたい会社などが依頼する業務です。

この自社株評価は一般的な税理士業務とは別なソフトを使って作業をするために、税理士さん側でもコストがかかってしまいます。

⑦銀行融資資料作成料金

銀行融資を受ける際に、事業計画書や収支予算書を求められることがあります。

本来経営者が自力で作らなければ意味がないものですが、融資希望日までに時間がないケースがあります。

そのような場合に税理士さんに銀行融資の必要書類を頼むことがあります。

この書類を作るために税理士さんは日常業務以外に作業をすることになってしまいます。

場合によっては数日間かかることからお客様へ別途の請求になってしまいます。

⑧投資促進税制認定計画書作成料金

投資促進税制といわれる税制があります。

この優遇税制を受けるために計画書を作成して認可を受ける必要があるものがあります。

この計画書の作成は銀行融資を受ける場合の書類作成に近く、時間と手間がかかってしまいます。

節税効果は大きなものですが事前の準備に膨大な労力がかかってしまうので顧問料と別に料金が発生します。

⑨税務調査立ち合い料金

税務調査は一般的に臨場で3日間あります。

この3日間税理士さんはこれ以外の仕事を止めて税務調査に立ち会います。

実は税務調査の現場は3日間なのですが、税理士さんはその後税務署とのやり取りがあります。

場合によっては数回税務署で調査担当者と面談をし、交渉をしてきます。

そのため税務調査立ち合いには顧問料などとは別に税務調査立会料がかかってきます。

修正申告が必要になる場合には、さらに修正申告書を作成することになるので別途修正申告書作成料が必要になります。

⑩経営コンサル料金

税理士さんは本来税務関係のことを頼まれる仕事です。

ただ税理士さんによっては経営情報や経営スキルに精通している方も多くなります。

様々な業種のお客様の経営数値や経験上どのように経営しているところがうまくいっていて、どういう経営がダメになるかを見ているからです。

そこで税理士さんに経営コンサル的な業務を依頼するお客様がいます。

税理士さんの毎月の報酬は基本的に税務顧問料ですから、経営相談などは別途時間が必要になってしまいます。

そのため経営相談や経営コンサルの部分は別料金になってしまいます。

税理士さんは結構コストがかかっている【顧問料が安いと危険な理由】

税理士さんといえば「コストがかかっていなくて丸儲け」と思っている方も多いかもしれません。

しかし、実際には税理士さんは士業のなかで高コスト体質な業種なのです。

税理士さんが高コスト体質なのは次の理由です。

①税務申告ソフトの利用料金が高額

②税務関係の書籍も高額

③訪問型のため車輌関係のコストもかかる

税理士事務所は「紙と鉛筆」という時代は終わりました。

税理士事務所を開業するためには数百万円の投資が必要になります。

数百万円を投資しても、一気に回収できるほどお客様が増えない環境になっています。

本来必要な投資をしなければ、低価格でサービスを提供できるかもしれません。

お客様へ質の高いサービスを提供しようとしている税理士さんは高コスト体質になっているはずなのです。

最近では税務ソフトリースだけではなく会計ソフトのリース料も高額になってきました。

税制改正も多くなっていることから税務関係書籍も次々必要になります。

より専門的な情報を集めている税理士さんであればあるほどコストが高くなります。

一人の税理士さんで見ることができる件数には限りがあるので、お客様への報酬提示額が高めに見えてしまうかもしれません。

低価格すぎる税理士さんが危険な理由

低価格すぎる税理士さんを選ぶと危険な可能性が高い理由は次の通りです。

①担当件数が多すぎてサービスが滞る可能性がある

②専門的な情報収集をしている時間がない

③専門的な書籍など必要なスキルアップ投資が少ない

経営者にとって「安いこと=リスクがあるもの」ということはわかっていると思いますが、会社にとって必要なものは何かを中心に税理士さんを選びましょう。

まとめ

税理士さんの毎月の顧問料に含まれているものは毎月の帳簿チェックが中心です。

経理代行や銀行融資相談などは、別途コストがかかっているので、顧問料の含めてくれている場合には良心的な税理士さんかもしれません。

あまりにも低価格な税理士さんの場合には、お客様が期待しているサービスを提供することが難しい可能性があります。

会社にとって税理士コストを抑えることでサービスの質が下がる可能性があることを理解しておきましょう。

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