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太陽光発電を上手に活用した投資が話題になっています。太陽光発電は高額な投資になりますが税制上の優遇措置を使って節税もできたらいいのにと思っている方もおおいはず。太陽光発電の税制上の取り扱いを知っておきましょう。

太陽光発電ビジネスは税制優遇が使えるのか?~太陽光売電と税金~

太陽光発電は自宅で使うためのものという時代ではなくなっています。

太陽光発電をおこなって自宅の電力として活用する方法もありますが、売電をおこなっていく事業年も注目を集めています。

インターネット上では非常に多くの太陽光発電の広告も出ており、投資事業として成熟しつつあります。

太陽光売電にかかってくる税金など売電ビジネスの前に知っておきたいポイントを見ておきましょう。

太陽光売電ビジネスにかかる税金は何?

太陽光売電投資ビジネスの収入に税金はかかるのか気になるところです。

まさか税金がかからないと思っていると大変な問題になるので注意しましょう。

太陽光売電ビジネスは個人で行う場合と法人で行う場合で異なります。

1:個人で太陽光売電おこなう場合にかかる税金

太陽光売電ビジネスは所得税法上非常に判断が難しい部分があります。

それは所得税法には所得区分という考え方があるからです。

①太陽光売電ビジネスを事業として行っている場合:事業所得

太陽光ビジネスの収入が大きく生計を立てられるほどの規模であれば事業所得に該当する可能性があります。

事業所得に該当する場合には青色申告をすることができ、青色申告特別控除の65万円が使えます。

万が一赤字になった場合にも、他の所得との通算や赤字の3年間繰越控除を使うことができます。

事業所得に該当した場合には事業税の対象になるので注意しましょう。

銀行融資を受けて大規模に太陽光ビジネスをおこなっている場合には事業として見られる可能性がありますが、非常に難しい判断になるので税理士さんや税務署に確認しておく方がベターです。

②太陽光売電ビジネスを副業として行っている場合:雑所得

手持ち資金でできる場合や自宅の屋上に太陽光パネルを設置して余剰電力の売電をしている場合は、雑所得という所得区分に該当します。

雑所得の場合には赤字になっても他の所得との通算や赤字の繰り越しはできません。

2:法人で太陽光売電おこなう場合にかかる税金

法人で太陽光の売電をおこなう場合には、法人税などの税金がかかります。

3:個人でも法人でも消費税はかかる

個人で売電をしていても法人で売電していても売電収入は消費税の対象となる収入になります。

特に注意が必要なのは個人の人は事業所得だけではなく雑所得に該当する人も売電収入は消費税の対象になります。

他の消費税の対象収入と併せて1,000万円を超えていれば2年後(2期後)は消費税の納税義務者になります。

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太陽光発電設備は減価償却をしなければならない~法定耐用年数は何年?~

太陽光発電をするためには太陽光パネルと架台と土地や建物が必要になります。

この太陽光発電ビジネスをしていくために必要なものといえば「太陽光発電設備」ということになります。

税法的にいうと太陽光発電設備は購入時点で一発経費になりません。

このソーラーパネルは減価償却資産というものに該当します。

太陽光発電をするための太陽光パネルは減価償却をするときに、耐用年数省令というもので「どの区分」の「どの設備の種類」の「どの細目」に該当するかを調べる必要があります。

この「区分」と「設備の種類」と「細目」によって税法上何年で経費化できるかが決まるのです。

これを耐用年数といいます。

税法上はこの耐用年数によって償却率が定められており、一年毎の減価償却費という経費を計算していきます。

太陽光パネルの耐用年数は次のように求めていきます。

区分:機会及び装置

設備の種類:電気業用設備

区分:その他の設備(主として金属製のもの)

耐用年数:17年

定率法の償却率:0.118

定額法の償却率:0.059

太陽光発電の固定買取が10年ということから考えると、減価償却の期間が17年は長いと感じますね。

減価償却期間が17年ということは、17年かけて購入代金を少しずつ経費で落としていくということです。

減価償却期間が長ければ長いほど、1年あたりで経費にできる金額が小さいということです。

税金の計算は「収入-経費=利益」の利益が多ければ多いほど税金が高くなる仕組みです。

そのため経費が少ないと税金が高くなります。

固定買取が10年間で安定しているにもかかわらず減価償却期間は17年ですから、仮に固定買取期間終了後に売電をやめてしまったら最初の10年間の利益が大きく出てしまうということになります。

できれば固定買取の期間と減価償却の期間が一致していればよいのですが、税法は固定買取の期間を考慮に入れてくれません。

太陽光発電設備には使えない「中小企業投資促進税制」に注意しましょう

太陽光発電のいろいろあるサイトを見ていくと「即時償却」や「100%経費」という記載が散見されます。

おそらく改定がされていないためだと思いますが、税制は毎年改正されています。

中小企業投資促進税制は次の通りの内容になっています。

今回は100%減価償却ができる場合の部分(上乗せ措置)を中心に見ていきます。

対象期間:平成10年6月1日~平成29年3月31日

対象個人法人:青色申告法人の中小企業者

対象資産:機械及び装置で1台又は1基の取得価額が160万円以上で、特定生産性向上設備等に該当するもの

特定生産性向上設備等とは次のイとロの両方を満たすものをいいます。

イ 最新モデル要件(設備等ごとに販売開始年度内で最新モデル又は販売開始年度が取得等年度若しくはその前年度であるモデルであること

ロ 生産性向上要件(旧モデル比で生産性指標(生産効率、エネルギー効率、精度等をいいます。)が年平均1%以上向上していること(ただし、比較対象となる旧モデルが販売されていない場合にはイの要件のみ))
また、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」とは、本制度の対象となる設備のうち、法人(事業者)が策定した投資計画(投資利益率が15%以上(中小企業者等は5%以上)となることが見込まれるものであることにつき経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けたものに限ります。)に記載されたものとされています(経産省強化法規則5二)

指定事業:下記の業種に該当するもの(性風俗関連特殊営業に該当するものは除く)

製造業、建設業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、卸売業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送業、ガス業、小売業、料理店業その他の飲食店業(料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業を除きます。)、一般旅客自動車運送業、海洋運輸業及び沿海運輸業、内航船舶貸渡業、旅行業、こん包業、郵便業、通信業、損害保険代理業及びサービス業(物品賃貸業及び映画業以外の娯楽業を除きます。)

太陽光発電で使えない理由:指定業種に「電気・ガス・熱供給・水道業」が入っていない!

投資促進税制の上乗せ措置として「中小企業投資促進税制」を使うことによって100%償却(即時償却)ができる仕組みになっています。

ものすごくわかりにくい税制の作りの為、太陽光発電ビジネスの問い合わせをしてもすぐに正しい答えが出てこないこともあるほどです。

太陽光発電設備はこの中小企業投資促進税制が使えそうで使えないのです。

太陽光パネルは160万円以上で、かつ、最新モデルになることがほとんどなので問題ありません。

さらに経済産業局に対して計画認可を受ける投資利益率要件を満たした計画書も作ることができるので特定生産性向上設備等の要件も満たします。

最後の指定業種が大問題です。

太陽光の売電ビジネスは日本産業分類の大分類F「電気・ガス・熱供給・水道業」「中分類33電気業」「細分類3311発電所」に該当します。

先ほどの指定業種を見てください。

ガス業が入っているのです。これは日本産業分類の大分類F「電気・ガス・熱供給・水道業」「中分類34ガス業」です。

残念ながら太陽光発電の売電は「電気業」が入っていないため「中小企業投資促進税制」が使えないのです。

太陽光発電設備に使える「生産性向上設備投資促進税制」とは?

先端設備や生産ラインやオペレーションの改善に役立つ設備を導入することへのインセンティブを与える優遇税制です。

生産性向上設備投資促進税制という税制が太陽光発電を税制上面でバックアップしていました。

具体的には、減価償却費を多くとることができたり所得税や法人税が安くなる税額控除というものがあります。

生産性向上設備投資促進税制の適用要件を太陽光発電設備に照らして検討しましょう。

対象期間:平成26年1月20日~平成29年3月31日(平成29年税制改正大綱で延長されず)

対象個人法人:青色申告法人の中小企業者(規模要件なし)

対象資産:機械及び装置で1台又は1基の取得価額が160万円以上で特定生産性向上設備等に該当するもの

生産性向上設備投資促進税制は特別償却又は税額控除の選択適用になります。

・特別償却(減価償却の割増):取得価額×50%(建物・構築物は25%)

・税額控除:①と②のいずれか低いほう

①取得価額×4%(建物・構築物は2%)

②法人税・所得税(事業所得対応分)×20%

太陽光発電事業に使える税制のポイント

対象業種:中小企業投資促進税制のように業種制限はありません!

そのため中小企業投資促進税制の上積みが使えなくても太陽光発電設備の50%を経費で落とすことができるという仕組みです。

先ほどの通り、太陽光発電設備の耐用年数は17年ですから、特別償却で50%経費で落とすことができれば固定買取期間に償却を多く持ってくることができます。

ただし、雑所得に該当する場合には特別償却を多く持ってきすぎると無駄な赤字になるので税理士さんと相談しながら決めていきましょう。

太陽光発電節税の平成29年税制大綱の影響「中小企業経営強化税制」に注意しましょう

中小企業投資促進税制は平成29年税制改正で「中小企業経営強化税制」に改組されました。

拡充された部分もありますが、太陽光売電ビジネスにとっては残念なお知らせになってしまいます。

太陽光売電節税ができたのは中小企業投資促進税制が使えませんでした。

さらに平成29年税制改正大綱で太陽光発電に関して節税で使えていた「生産性向上投資促進税制」が延長されませんでした。

生産性向上投資促進税制は平成29年3月31日をもって打ち切りになってしまいます。

平成29年税制改正大綱を見る限り太陽光発電設備を使った太陽光売電節税は平成29年3月31日で終了ということになります。

まとめ

太陽光発電設備を活用した節税スキームは平成29年3月31日で終了することになります。

太陽光発電ビジネスは節税効果だけではなくしっかりとした事業計画が重要です。

発電売電と太陽光発電設備の銀行ローン返済のバランスなどをきちんと打ち合わせをしておきましょう。

固定買取制度でも発電量が出なければキャッシュが入ってこないので業者さんとの打ち合わせは非常に重要です。

太陽光売電ビジネスを進めていくと思いがけない消費税納税や新しい税制の影響も出てくるので税理士さんと打ち合わせをしていきましょう。

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