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脱税ときくとドキッとしてしまう方もいるかもしれません。税務署も脱税が起こりやすい環境の業種というものをしっかりと理解しています。そこで理美容業は脱税しやすい業種なのかという点を見てみましょう。
理美容業は脱税しやすい業種なの?
まず最初に、脱税は絶対にしてはいけません。
脱税は犯罪です。
うっかりミスと脱税は違います。
一般的には、ミスと脱税をごっちゃまぜにしています。
ただ、「理美容業は脱税しやすい」と思われている方がいらっしゃるかもしれません。
なぜこんな都市伝説が言われてしまうのかを解説します。
理美容業の業界を改めて確認します。
理容業について
理容師の数:平成26年3月末現在で23万4,044名です。平成25年に比べて4,024名減少しております。
理容所の数:平成26年3月末現在で12万8,127施設です。対前年度比▲1.6%となっております。
美容業について
美容師の数:平成26年3月末現在で48万7,636名です。平成25年に比べて8,127名増加しております。
美容所の数:平成26年3月末現在で23万4,089施設です。対前年度比+1.3%となっております。
理美容業界は、純増傾向
理容業は縮小傾向・美容業は拡大傾向
理容業は施設数・理容師の数ともに減少傾向です。
理容業については施設数・美容師ともに増加傾向です。
理美容業という見方をした場合、業界に従事している人・施設は増加ということになります。
理容業・美容業は脱税しやすい業種?
理容室や美容室は、ある意味で脱税をしやすい業種かもしれません。
実際に、脱税している理容室や美容室があるかどうかは別です。
ただ、商売の特性として理容業や美容業は脱税をしやすい環境にある業種です。
理容業・美容業が脱税しやすいと思われるワケ
・ 現金商売の割合が高い
・ 領収書を必要とする取引先が少ない
・ 1件当たりの売上が小さい
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現金商売の割合が高い
税務調査の事前連絡がなく、ある日の朝、突然税務調査になることを無通知調査といいます。
なぜ、無通知調査が行われるかというと、
無通知調査が多い業種は、現金商売の業種です。
それは、現金商売は売上をつかみにくいためです。
最近でこそ、理美容業でもクレジットカードの導入や電子マネーの導入が進みましたが、一般的には現金での支払い割合のほうが高いです。
そこで、理美容業は現金商売という表現をしております。
毎月、振込で売上が全額入金になる業種であれば、そう簡単に売上をごまかせません。
売上をごまかそうと思って請求書を改ざんしても翌月の入金金額と合わなくなります。
売上をごまかそうと思っても、難しいのです。
ところが、現金商売はそうではありません。
現金商売の場合は、請求書を発行して相手に渡すことなんてほぼありません。
請求書と入金を付け合わせることがないため、売上除外を発見するのは難しくなります。
領収書を必要とする取引先が少ない
理美容業で「領収書ください」という人を見たことがありますか?
スーパーのレジで「領収書ください」よりも聞いたことがありません。
それは、理美容室のお客様で理美容室で支払ったものを経費にできる人が限られているからです。
そもそも、事業者を相手にしていない限り経費で落としたい人ではないのです。
仮に、理美容室の領収書を経費処理している事業者がいても、税務調査で否認される可能背は高いのです。
「誰でも、理美容室にいって髪をきりますよね」
「私もこの間髪をきりましたけども、経費にはなりません」と言われて一蹴されます。
領収書を発行するということは、取引先は事業者です。
事業者でなければ、レシートで十分なのです。
事業者には税務調査が定期的に入りますので、理美容室の領収書があれば目につきます。
近所の理美容室に行っているのであれば、税務署の管轄も同じわけです。
気になれば税務署に戻ってから申告状況などを照会すると、申告状況がわかります。
事業者を相手にして領収書の発行が多ければ多いほど、取引先が税務調査を受ける際に税務署が目にする機会が多くなるのです。
理美容業の場合は、「領収書がほしい」と言われにくいので税務署の目に触れる機会のすくない売上なのです。
1件当たりの売上が小さい
一件当たりの売上が大きければ、売上を抜くと目立ちます。
年商2,000万円の理美容室があったとします。
① 1件当たりの売上が200万円だったとしたら、1件の売上を除外するだけで200万円売上が下がります。
② 1件当たりの売上が5,000円であれば、1件の売上を抜いても5,000円しか売上は下がりません。
①の場合は、200万円は2,000万円の1割に該当します。
②の場合は、5,000円は2,000万円0.025%です。
客単価5,000円で200万円の売上を除外しているとしたら、400件もの売上をごまかしていることになります。
客単価が小さい分、数件の売上を除外されても気が付きにくいのです。
疑われない経理体制をしっかりと作ることが重要
理美容業の業種特性については、税務署もしっかりと理解しています。
意図して売上を除外していなくても、忙しくてレジを打ち忘れたということが起こるかもしれません。
経理体制をしっかりと作ることで税務署から疑われない理美容室を作っていきましょう。
まとめ
理美容業は、売上の除外が起こりやすい環境がある業種です
理美容業の特性をしっかりと把握した税務調査が行われます
税務署に疑われない、しっかりとした経理体制を作って経理しましょう
もしも税金で不安な方は税務調査で困ったことになる前に、一度、理美容業の業種・特徴に詳しい税理士事務所に相談してみてはいかがでしょうか?
理美容室の確定申告については「美容室の確定申告対策と税務調査」をご覧ください
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