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確定申告をして所得税の精算が終わったと一安心していたら、消費税や住民税や事業税など様々な税金支払いが一年中やってきます。一定の金額以上の所得税の納税をしている場合には予定納税という来年の所得税の前払があるので時期をしっかりと把握しておきましょう。

所得税の予定納税制度【年間納税スケジュールもしっかりと】

確定申告で3月15日に所得税の確定申告書を作成して納税も終わらせたと思っていたら、その後も1年中税金の支払いがやってきます。

確定申告後にくる税金の支払いには二つの税金があります。

①その年の税金

②翌年の税金の前払

個人事業の場合などの場合、確定申告が終われば税金シーズンが終わるというわけではないのです。

むしろ確定申告が終わると税金の支払いシーズンと税務調査シーズンが始まるのです。

(個人の場合の1年間の納税スケジュール)

固定資産税:4月・7月・9月・12月(年4回)

個人住民税:6月・8月・10月・1月(年4回)

個人事業税:8月11月

消費税:本税(3月31日)・中間(8月31日)

所得税:本税(3月15日)・中間1期目(7月)・中間2期目(11月)

これをみると、税金の支払いがある月は次の通りです。

3月②・4月・6月・7月②・8月③・9月・10月・11月②・12月・1月

3月・7月・8月・11月は複数の税金納税があるので資金繰りが大変になります。

この納税予定表に記載されていないものでも、7月と1月には源泉所得税の納税もあります。

自動車保有がある人は自動車税の納税もあるので、1年中税金の支払いがあるといえます。

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所得税の予定納税制度とは【源泉徴収対象以外の所得税の前払制度】

所得税の予定納税制度は翌年3月15日に支払う所得税の前払い制度です。

前回の確定申告で発生した納税額を基準として、その税額の2/3を2回に分けて徴収しておくという制度です。

事業が急激に成長した場合などは、3月に高額な所得税を払い、7月と11月にもその所得税の2/3を払うということになってしまいます。

会社の事業に使いたいお金が拘束されてしまうというデメリットもあるので、しっかりと対策をしておかなければ事業が失速してしまうリスクがあります。

予定納税があるかどうかの判定は予定納税基準額次第【基準額は所得の種類によって異なる】

所得是の予定納税は予定納税基準額が15万円以上になると発生します。

判定1:前年の確定申告の申告納税額=予定納税基準額となる人

前年の確定申告で次のいずれの要件も満たす人

①山林所得・退職所得等の分離課税の所得(分離課税の上場株式等の配当所得等を除く)・譲渡所得・一時所得・雑所得・平均課税を受けた臨時所得の金額(除外所得の金額がないこと)

②前年の所得税について災害減免法の規定の適用を受けていないこと

判定2:判定1に該当しない場合:予定納税基準額=下の計算式で計算した税額

予定納税基準額=前年分の課税総所得金額及び分離課税の上場株式等にかかる課税配当所得等の金額に係る所得税額-源泉徴収税額を控除して計算した金額

※除外所得に係る所得の金額がなかったものとして計算したものとし、災害減免法の適用がなかったものとして計算した金額とします。

(普通は予定納税基準額は確定申告で納税した金額になる)

基本的には予定納税基準額は、確定申告をして納税をした金額と考えていて問題ありません。

たまたま出た所得(高額な退職金・土地建物などの譲渡利益など)がある場合には、確定申告をしたことにより「たまたま高額な税金」を払っていることがあります。

そこで前年の所得税がたまたま高くなった人に予定納税が発生しないよう考慮されている作りになっています。

予定納税の支払時期【資金繰りと納税額はおさえておこう】

予定納税基準額が15万円以上になると予定納税をしなければなりません。

予定納税の支払い時期と金額は次の通りです。

①第1期:7月1日から7月31日まで⇒予定納税基準額×1/3

②第2期:11月1日から11月30日まで⇒予定納税基準額×1/3

予定納税が高額すぎる場合の対策【予定納税の減額承認申請】

前期の事業がたまたま好調だった場合や今年の事業が前年よりも芳しくない場合も出てきます。

法人成りをして年の途中で廃業している場合もあります。

このような場合には、予定納税額が現在進行している事業の利益状況と合わないことが起きてきます。

そこで予定納税制度は何もしなければ前年度実績で決まりますが、一定の事由が起きている場合は申請によって予定納税額を減額することができます。

【予定納税額を減らす手続きと要件】

(減額承認申請の要件)

①第1期の予定納税から減額承認申請する要件

その年6月30日の状況での所得税・復興特別所得税の見積額が予定納税基準額よりも少なくなる場合

②第2期の予定納税から減額承認申請する要件

その年10月30日の状況での所得税・復興特別所得税の見積額が予定納税基準額よりも少なくなる場合

(減額承認申請の期限)

第1期の予定納税から減額申請をする場合:7月15日まで

第2期の予定納税だけ減額申請する場合:11月15日まで

(提出書類と提出先)

予定納税額の減額申請書を納税地の所轄税務署長に提出します。

まとめ

個人事業などは確定申告が終わった後から税金の支払いシーズンが始まります。

確定申告での納税額が大きい場合には、予定納税の金額も大きくなります。

しっかりと資金繰り対策をしておかなければ、事業の運転資金が足りなくなったり節税資金がないということも起きてきます。

事業を廃業した場合や法人成りで個人事業を法人化した場合にも、予定納税の減額承認申請を使うことがあるので焦らずに対処していきましょう。

特に個人事業を法人化した人や前年の納税額が大きかった方は税理士さんに相談しておきましょう。

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