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コスト削減という言葉は経営者にとって重要なキーワードです。無駄なことにお金をかけていると会社のお金がどんどん無くなり体力が落ちてしまうからです。では、ケチと節約の違いはなんでしょう?
コストを節約することとお金を稼ぐことは別問題【ケチは規模を縮小させる】
コスト節約をすることで経費を抑えられます。
「会社の利益=収益―費用」ですから、収益が一定でも費用を節約すると利益が大きくなります。
簿記会計を専門的に勉強をしていなくとも、利益が大きければ経営的には良いということはわかります。
コスト削減とケチの境界線はどこなのでしょうか?
コスト削減とケチで経営に与える影響はどれほど大きな違いになるのでしょうか?
コスト削減とケチの境界線はどこか?
コスト削減とは無駄な経費を節約することです。
必要なものを1円でも安くということは節約です。
ただ、ケチとコスト削減で大きな違いがあります。
「相手がいることを忘れていないか」ということです。
自分が大変な時に値下げを要求しておきながら、相手が大変な時には値下げに応じない人はケチです。
相手がいることを無視して価格低下を求めることはケチです。
特に中小企業のビジネスは持ちつ持たれつという部分があります。
人と人のつながりでビジネスを成長させているのです。
そのことを忘れて、一方的に値下げを要求している人はただのケチです。
ビジネス以外の面でも「お金に汚い」といわれる人は節約ではなくケチなので、周りから人がいなくなってしまいます。
ビジネスの世界では日常生活以上に人が去っていくのは早いのです。
稼ぐ力が強い人ほど嫌な人とは無理して付き合いません。
金払いが悪い人は信用されないので、ケチはビジネス規模が小さくなります。
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コスト削減で得られる利益は限定的【ケチは利益自体を逃す】
コスト削減で得られる利益はどれくらいでしょう?
コスト削減でトクができる上限は「収益の金額を上限」です。
その理由は「利益=収益-費用」だからです。
「コスト=費用」ですから、コスト削減ができても利益は収益の金額までしか増えません。
コスト削減も度を過ぎてケチになれば、収益自体が下がるので利益はどんどん小さくなっていきます。
稼ぐ力はコスト削減では増えないのです。
お金を稼ぐことは「お金を回す」こと
お金が回ると情報も回ってきます。
「情報=お金」です。
お金を使うことで様々な人に会います。
新しい契約をするときにも上手な経営者は情報をもらいます。
取引先に得をさせることで、その後の取引を優位に進めることもできます。
新しい人脈やビジネスの紹介を作ることもできます。
ケチの取引は単発で終了してしまい、その後の発展性もありません。
低価格に叩かれたほうは、商品を提供しただけでそれ以上の付加価値を提供しようと思いません。
ビジネスで重要視されている「win-win」にはほど遠い状況です。
情報がなければ将来的な商売のタネを食いつぶしていることと同じです。
創業時に無理な高価格が起きてしまう理由とは【昔と今の状況の違いを知っておく】
高付加価値の仕事は利益率が高いといいます。
低価格のものは「薄利多売」といいます。
創業当初によくあることは低価格戦略です。
低価格戦略で市場に入っていくことは珍しくありません。
この低価格のものを扱うことと、高付加価値のどちらが良いのでしょうか?
可能であれば高付加価値のものを大量に提供できれば、利益は大きくなります。
しかも管理しなければならない顧客数も低価格戦略の場合に比べて少なく済みます。
経営効率としては高付加価値商品を目指していきたいところです。
しかし、新規創業したての個人事業主や会社設立したての経営者は実績のない会社で仕事をせざるを得ません。
サラリーマン時代に大きな会社で働いていても、個人事業主や会社設立をしたら「自分」が看板になります。
大きな会社に勤めていた時よりも風当たりは強くなります。
そのなかで高価格の提示をしても契約が取れなかったり、高価格で契約を取った場合に提供できる商品やサービスの質を維持することが難しいケースがあります。
大きな会社に勤めている時には、人材がたくさんいるためアフターサービスや導入支援サービスなど商品自体以外のサービスも充実できます。
自分一人で起業した場合には新規の売上を上げるための努力と提供済みの商品へのアフターフォローの両方を一人で行うことになります。
大企業の見えない価値以上のものを効率的に提供することが難しくなってしまいます。
創業時に勤務時代の価格とサービスを当然の価格と思ってしまうことは危険です。
価格をつける場合には「本当に自分は価値のあるものを提供しているか」を考えることが重要です。
儲けることは経験値を増やす【ケチは経験するチャンスが減る】
低価格で商品を提供する場合、管理コストや販売広告費がかかるなど最終利益率も下がる傾向にあります。
高付加価値のものを販売する場合には、管理コストが低く抑えられますが商品・サービスともに高品質でなければ詐欺まがいといわれてしまいます。
新規に商売に算入する場合に簡単な方法は低価格戦略です。
「低価格をやるべきではない」という声も多いのですが、創業時など経験が浅い時期には効果的だと考えます。
理由は低価格の場合には「経験数が多くなる」のです。
高価格のものが1つ売れる間に低価格のものが100売れるかもしれません。
100件のお客様に対応することで得られる経験は大きいのです。
低価格だから売れる理由になるかもしれませんが、売るための営業自体は必要です。
営業経験も得られます。
たくさんの商品やサービスを提供していくことから社内の管理体制も作っていくことになります。
利益率が低くてもたくさんの数を販売すると利益額は溜まります。
利益が溜まったら高付加価値のものにシフトをすればよいのです。
まとめ
お金を稼ぐといってもコスト削減だけに走る人は成長できないので注意しましょう。
節約とケチを混同すると商売は成長しません。
コスト削減で得られる利益は減らすことができるコストが上限です。
売上を上げる努力で得られる利益は無限大です。
低価格戦略で得られる経験をつかって、高付加価値商材に移行することで利益が大きくなります。
経営と税務に詳しい税理士さんと相談しながら商売を考えてみてはいかがでしょうか?
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