経営者が知っておくべき倒産原因ワースト5

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倒産する原因について起業したてで知りたくない方も多いはず。しかし、倒産の原因を事前に知っておくことで何に気を付けて経営していくべきかが見えてきます。倒産原因をしっかりと理解して日々の経営の注意点を洗い出しておきましょう。

経営者が知っておくべき倒産原因ワースト5

創業時には事業を伸ばすことに一生懸命に邁進していくはずです。

しかし、3年以内に廃業する個人事業・法人の割合が高いことをご存知でしょうか?

3年以内に廃業する率をみていきましょう。

※詳しくは「成功する起業のたった一つの条件」をご覧ください。

個人事業の場合の廃業率

1年経過後廃業率 約38%

2年経過後廃業率 50%強

3年経過後廃業率 60%強

法人の場合の廃業率

1年経過後廃業率 約20%

2年経過後廃業率 30%強

3年経過後廃業率 40%弱

残念ながら起業して成功すべく努力をしている新規創業者でも、3年以内に廃業してしまうリスクが高いといえます。

個人事業の廃業には法人なりも含まれていると考えられますので、実際に倒産というともっと少なくなる可能性があります。

逆に法人の廃業については、個人戻りが含まれているとしても少数の可能性がありますので実質的な倒産の割合が高い可能性があります。

経営をしていくうえで前向きな廃業を除いても、事業の継続が困難になってしまった廃業率の高さは驚いてしまいます。

今回はどういった理由で会社が倒産してしまうのかを見ていきましょう。

falling and screaming businessman in formal wear over white background

倒産原因ワースト1:販売不振(67.6%)

平成27年の倒産原因ワースト1は「販売不振」です。

倒産原因の67.6%が販売不振によるものです。

全体のなかで最も大きな倒産理由です。

販売不振になるということは本業が立ち行かなくなってしまって倒産するということを意味します。

販売不振になると固定費を支払うだけの仕入れができなくなってきます。

つまり、運転資金がキャッシュアウトすることで会社の維持ができないための倒産になります。

手元のキャッシュが不足すると利益が出る商品も仕入れられなくなります。

縮小再生産が続くことで徐々に運転資金が減る場合と、一気に売れなくなって資金ショートにつながる場合があります。

いずれにしても、販売不振に陥る前に対策を講じておくことが必要です。

商品に競争力が落ちてきている場合には、銀行融資を含めた資金手当てが効果的です。

商品を競争力のあるものに切り替えて資金ショートの原因にならないよう早期に対策を立てましょう。

倒産原因ワースト2:既往のしわ寄せ(12.9%)

「既往のしわ寄せ」という表現は耳慣れない言葉です。

既往のしわ寄せとは、過去からの積み重ねが原因での倒産です。

真綿で首を締めるように、少しずつの経営の失敗が積もり積もって倒産に至る状況です。

ある日からぱったりとものが売れなくなったのであれば危機感が出ます。

しかし、毎年少しづつ売上が落ちていたり経費がかさんだりしていると気づいたときには相当悪くなっていることがあります。

ゆでガエル状態ですので、気が付いた時には手遅れになって倒産に至るケースをいいます。

既往のしわよせ倒産にならないポイント

定期的に対前年比の経営データ比較をおこなったり、運転資金の資金繰り管理を行うことで危機感を常に持つことが重要です。

成長過程では、取引規模も大きくなることから手元の資金が回っているように見えてしまことがあるのでより注意が必要になります。

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倒産原因ワースト3:連鎖倒産(6.3%)

連鎖倒産は取引先選びで失敗してしまうと起きてしまう倒産です。

建設業・建設資材販売など1社あたりの取引金額が大きい業種は特に注意が必要です。

親会社・子会社の関係の場合にも親会社の業績不振が子会社にダイレクトに影響する場合もあります。

連鎖倒産に巻き込まれないポイント

①新規取引先の信用査定に力を入れる

②最初は現金取引を中心に行う

③手形取引を行わない

④支払サイトに異常があった場合すぐに対処する

⑤余剰資金を銀行融資で調達しておく

取引先のうちメインの数社のシェアが高すぎる場合、連鎖倒産の危険が高い会社となります。

元請けの会社が1社だったり、元請けが数社に見えていてもその数社が関係会社の場合も実質的に1社と考えましょう。

できるだけ、メイン取引先が偏りすぎないように経営をしていくことが重要です。

倒産原因ワースト4:過少資本(4.5%)

過少資本とは「元々元手が足りなかった」ということです。

新規創業をするのに必要な資金に満たない資金で開業してしまったための倒産です。

新規事業が軌道に乗るまでに1年程度かかるのに、自己資金と創業融資で用意できたのが3か月分の運転資金だったとします。

新規事業が軌道に乗る1年が過ぎればキャッシュは回る事業のはずです。

しかし、運転資金が3か月しかなかったため事業が軌道に乗る前に資金ショートを起こしてしまうパターンです。

「うまくいく事業だったのにもったいない」という倒産になります。

過少資本による倒産を起こさないポイント

・創業時に自己資金を確保してからおこなう

・創業融資を積極的に活用して手元キャッシュを増やす

・融資の事業計画を税理士と相談しながら作成する

事業計画の作成で失敗してしまうと、調達したい金額にほど遠い融資になってしまうことがあります。

最悪の場合、創業融資が受けられなくなることもあるので創業支援に力を入れている税理士事務所に相談してはいかがでしょうか?

倒産原因ワースト5:放漫経営(4.3%)

倒産原因のワースト5に「放漫経営」が出てきました。

意外にも放漫経営が原因はそれほど高くないと感じてしまいます。

放漫経営とは「ズボラ」な経営をしたということです。

社長の個人的な経済感覚が悪かったり、仕事に対して熱心に取り組まなかったりということが原因の倒産です。

社員がいくら頑張って新規取引先を開拓して、売上を上げてもそれ以上に社長がお金を使いまくっていたら会社は倒産してしまいます。

会社を成長させるためには、人材採用・人材育成・設備投資など考えなければならないことはたくさんあります。

社長が会社経営にたいして本気で考えていかなければならないときに、遊んでいては会社が潰れてしまいます。

放漫経営で倒産しないポイント

・周りの経営者と情報交換をする

・経営に関する本を読む

・顧問税理士と経営に関する情報交換をする

経営者同士の情報交換では、経営者として正しい情報と経営者として正しくないことをしている情報が入ってくる可能性があります。

例えば、脱税をしてもバレないなどということを話してくる社長もいるかもしれません。

経営者として正しくないことはしっかりと自分で判断して反面教師としていくことが重要です。

まとめ

新規創業してから一生懸命頑張ろうと思っていても、倒産リスクは常につきまとってきます。

事前に倒産してしまう理由を知っておくことで早期に対処しながら事業を成長させていきましょう。

経営者同士の情報は、本音を話さない場合がありますので顧問税理士に相談してみてはいかがでしょうか?

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