赤字なのに払わなければならない税金シリーズ~法人地方税・消費税~

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株式会社や合同会社を設立することを会社設立と呼んだりします。会社を設立すると、利益が出るほど税金が高くなります。「儲かったらたくさん税金がかかる」というのは理解しやすいですね。ところが、赤字でも・休眠中の法人でもかかる税金があるのです。利益がなくてもかかる怖い税金についてみていきましょう。

赤字なのに払わなければならない税金シリーズ~法人地方税・消費税~

会社を設立する場合には、個人事業を株式会社や合同会社にする人と脱サラしていきなり法人設立をする人に分かれます。

ごくまれに就職せずにいきなり法人を設立をする社長もいます。

この個人事業をしていた人が会社を設立する手続きも、脱サラして法人設立をする場合も同じ設立手続きで会社設立をします。

ただ、税務署に出す届出書の書き方が変わってきます。

個人事業を法人にした場合には、法人の設立届の「設立形態」というところの1番「個人事業を法人組織とした法人である場合」というところに丸を付ける必要があります。

個人事業を経験してから法人を設立する人のほうが、税金に対する知識があると思いますが法人になると所得税とは別の知識が必要になってきます。

個人事業は赤字であれば税金はかかりません。

所得税も住民税も所得に対してかかる税金だからです。

所得とは、利益が大きければ所得も大きくなるものです。

赤字であれば所得がないということになります。

法人の場合にも利益が大きければ税金が高くなります。

しかし、個人事業ではなかった「赤字でもかかる税金」があるのです。

赤字でも法人が納める税金は「地方税」がほとんどです。

Girl in white has to decide between two directions. Girl in white full of doubts and hesitation.

法人が納める税金は国税と地方税の2種類ある

会社を設立して頑張って利益を出すと税金が発生してきます。

この税金は「国税」と「地方税」に分かれます。

国税は国に対して支払う税金です。

利益が出れば出るほど高くなる代表的なものは「法人税」です。

もう一つの地方税も利益が出れば出るほど高くなっていきます。

しかし、地方税には利益がなくてもかかるものもあるので注意が必要です。

 

法人が納める地方税は3種類ある

大きく分けると法人は国税と地方税の2種類の税金を払っていきます。

国税に法人税と消費税などがあるように、地方税にも様々な税金があります。

地方には、都道府県単位市町村単位の2つの支払先があります。

法人が納める必要がある地方税は次の3種類あります。

①法人住民税(都道府県民税)

②法人住民税(市町村民税)

③法人事業税

このうち人事業税は、個人の事業税と同じで利益がなければかからない税金です。

法人住民税のうち「都道府県に対して払う税金」「市町村に対して払う税金」については、赤字でもかかるものがあります。

 

地方税は「儲けに対してかかる法人税割」と「赤字でもかかる均等割り」がある

税金は利益がでたら払うものという誰もが納得するものだけではないのです。

赤字でも払わなければいけない税金があるのです。

それは、法人に対してかかる地方税のうち均等割りというものです。

・都道府県に払う均等割

・市町村に払う均等割

均等割という言葉の通り、赤字でも黒字でも一定の金額が課税されます。

地域や資本金大きさによって均等割りはことなりますが、一般的には市町村に対して5万円・都道府県に対して2万円の計7万円がかかります。

法人の儲けに対してかかる税金は

・都道府県に払う法人税割

・市町村に払う法人税割

・法人事業税

・地方法人特別税

法人税割は、法人税に一定の率をかけて計算します。

つまり、法人住民税は次の算式であらわすことができます。

法人住民税=法人税割+均等割 

 

休眠会社の場合均等割が免除されることもある

均等割りは会社の場所代です。

都道府県や市町村のインフラをつかって事業をしているということから、赤字でも黒字でもかかります。

休眠の会社については、市役所や道府県税事務所に相談することによって免除される場合もあります。

休眠会社に関する具体的な届け出などはないので、役所に相談してみましょう。

消費税10% / 消費税が5%から8%になり10%に

赤字でもかかる税金の代表格「消費税」

消費税は儲かった会社だけがかかる税金ではありません。

極端に言えば、赤字の会社でも消費税の納税が出ます。

消費税は預り金的な性格がある税金です。

個人であろうが、法人であろうが取引の相手先から消費税を預かります。

この預かった消費税を精算するのが原則です。

預かった消費税から前払いしている消費税を精算して納税することを本則課税と言います。

前払いしている消費税とは、自分の会社がその事業年度の間に購入したり、受けたサービスの料金として支払ったものに含まれていた消費税です。

消費税の本則課税を選択している場合には、預かった消費税を納税するという仕組みになっているため赤字でも消費税の納税が出ることがあります。

本則課税の場合には、預かった消費税よりも前払いしている消費税が多ければ還付という手続きを取ることができます。

納税として払うのではなく、税務署からお金を返してもらう場合もあります。

消費税には、本則課税のほかに簡易課税制度というものも選択できます。

簡易課税制度を選択している会社は消費税の対象となる売上さえあれば必ず納税が出ます。

簡易課税制度は一般的に次の要件を満たしている場合に限って選択できます。

・前々期の消費税の対象となる売上が5,000万円以下

・その事業年度の前の日までに「簡易課税制度選択届出書」を提出している

消費税の簡易課税制度は消費税の対象となる売上を6種類に分けて、預かった消費税に一定の率をかけて消費税の納税額を求めます。

売上の消費税×業種ごとの料率=消費税の納税額(簡易課税制度適用時)

売上は必ずプラスになることから、どんなに赤字になっていても必ず消費税の納税が出る仕組みになっています。

 

まとめ

・会社を設立すると赤字になっても納税が出る税金がある

・法人住民税には「法人税割」と「均等割」の2種類がある

・法人事業税は利益がなければかからない

・消費税も赤字でもかかる税金になるので注意が必要

赤字でも納税資金の心配をする必要があるので、会社設立後は税理士さんに相談していきましょう!

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