消費税の納税義務が免除される事業者とは?~原則的な免税事業者について~

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消費税は開業してから2年間はかからないという話を聞いたことがありますか?しっかりと免税の根拠について勉強しておきましょう。

消費税の納税義務が免除される事業者とは?~原則的な免税事業者について~

税理士さんとの打ち合わせで頭の痛くなるものは、消費税の納税額の話ですね。

消費税は事業を行っていれば避けて通れない税金です。

全ての会社が消費税を納めているわけではなく、消費税を合法的に納めなくてもよい個人事業主や法人もいるのです。

これを、消費税の免税事業者といいます。

特に、開業したての個人事業主や法人の場合には消費税の納税義務者に該当しやすくなります。

消費税の納税が合法的に2年間なければ会社には数十万円~数百万円のお金が残ります。

この消費税の免税制度を使うことと使えないことで、会社の体力に大きな違いが出てきます。

消費税の免税について、しっかり理解することで戦略的に消費税の節税を行っていきましょう!

消費税の納税が義務付けされている人は誰?

消費税を税務署に納めなければならない人を消費税の納税義務者といいます。

消費税の納税義務者は「事業者」です。

かなり驚く方も多いかもしれませんが、消費税法では納税義務者を次のように定義しています。

(納税義務者)

消費税法第5条
1. 事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第30条第2項及び第32条を除き、以下同じ。)及び特定課税仕入れ(課税仕入れのうち特定仕入れに該当するものをいう。以下同じ。)につき、この法律により、消費税を納める義務がある。
2.外国貨物を保税地域から引き取る者は、課税貨物につき、この法律により、消費税を納める義務がある。
※ 消費税法より

このように、消費税を国に納める義務があるのは事業者です。

一般の個人の方は消費税を納める義務は条文上規定されていません。

では、なぜ物を買うときやサービスを受けるときに消費税を払わなければいけないのでしょうか?

その購入先が消費税を納める必要のある事業者であれば、みなさんから消費税分を預かって納税していかなければならないからです。

消費税を納める義務がある事業者は、売上などの代金から消費税を計算して納税していくことが義務付けられているのです。

預けっていなければ、個人事業主の方の運転資金や生活費・法人の運転資金から絞り出して納税することになってしまいます。

さらに、消費税法の趣旨などをみていきましょう。

本来消費税の趣旨が広く負担を求めている税金であること

消費税分を価格転嫁をするように奨励されていること。

消費税の税率が5%から8%に上がった際に、事業者向けに消費税の転嫁が行われているかのアンケートなどが積極的に行われていたことを含めて、消費税は預かるべきものと考えられています。

Businessperson pushing question mark in room with business charts on wall

なぜ消費税を納めなくてもよい事業者(免税事業者)がいるのでしょう?

しかし、小規模事業者が消費税の条文を理解して事務の手間をかけて消費税を納税させると、事務的にも大変なことになってしまいます。

そこで、一定の小規模事業者については消費税を免除する規定が設けられています。

事業者であれば、消費税を税務署に納める必要があるのですが次の個人事業者は税務署に消費税を納めなくてもよいことになっています。

この消費税が免除されている事業者のことを、免税事業者といいます。

消費税の免税事業者とは、次の事業者のことをいいます。

実際には、細かい規定があるので注意が必要です。

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① 基準期間の課税売上高が1,000万円以下の個人事業

個人事業主の場合、前々年の1月1日~前々年12月31日までの期間の課税売上高が1,000万円以下であれば消費税は免税ということになります。

ただし、相続があった場合には例外規定が働きますので注意が必要です。

相続人の基準期間の課税売上高は、被相続人の基準期間の課税売上高と相続人の課税売上高を合わせて1,000万円以下かどうかを判定していきます。

相続によって事業を承継した個人事業主は、自分の事業は初めてでも最初から消費税の納税義務者になることが多くなりますので注意しましょう。

一口に相続で事業を承継した場合といっても、 相続人が複数の事業場を営んでいて、複数の相続人が分割して事業場を相続した場合など特殊な場合もあるので相続が起きた場合は慎重に判断が必要になります。

② 基準期間のない法人(資本金の額・出資の金額が1,000万円未満の法人)

基準期間のない法人は、原則としては免税事業者になります。

ただし、設立時の資本金を1,000万円以上にしてしまうと設立時から消費税を納める義務が出てしまいます。

新設法人の場合、設立事業年度と2期目は、2期前がないので基準期間のない法人といわれます。

基準期間がない法人で、資本金要件を満たしていれば通常は設立事業年度は免税事業者になります。

しかし、消費税法は改正が頻繁に行われ、様々なスキームに対応する改正が行われて様々な規制が作られています。

消費税の改正によって、基準期間のない法人でも消費税の納税義務者になる場合があるので注意してください。

この部分は、非常に難しい判定が必要になりますので税理士さんに相談したほうが良いでしょう。

まとめ

消費税は事業を行っていたら必ず課税されるわけではありません。

特に、新規設立の法人や個人事業を新たに開業した場合には消費税の納税義務が免除される規定を活用することがしやすくなります。

しっかりと、消費税の納税義務について調べることで合法的に消費税の免税を活用していきましょう。

新規開業の場合に消費税の免税規定を上手に活用することで、2年間で数十万円~数百万円の消費税がかからない可能性があります。

設立後2年間の大切な経営資源になるお金ですので、消費税の免税について税理士さんに相談してみてはいかがでしょうか?

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