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年末年始が近づくと会社の内部と会社外部で忘年会や新年会がおこなわれてきます。こんな忘年会・新年会の時期には飲み会が複数続くことがあります。税務的には忘年会・新年会と2次会以後の取り扱いが異なるので注意しましょう。
忘年会の経費と2次会の会費は税務上違うの?【間違うと税務調査で指摘される】
忘年会は経費で落ちるのかという疑問を持ったことはないでしょうか?
忘年会が経費で落ちるとして、2次会・3次会は経費で落としてよいのでしょうか?
忘年会や新年会などの飲み会が多い季節になってから経費で落ちる落ちないを判断していたのでは、繁忙期の経理が忙しくなってしまいます。
今回は忘年会・新年会と2次会の取り扱いについてみていきましょう。
忘年会の経費は原則として福利厚生費【会社内部編】
忘年会は会社の規模によって様々な形があります。
12月の最終業務日を会社全体の忘年会として、ホテルなどを借りておこなう会社もあります。
最近では会社のイベントに参加したくない若手社員も増えていますが、会社の行事として忘年会は残っている数少ないイベントかもしれません。
忘年会のパターンがあるのでパターンごとに見ていきましょう。
①会社全体の忘年会費用の取り扱い
忘年会を会社全体で行う場合には、次の条件をみたすことによって「福利厚生費」として経費で落とせます。
・役員や社員に対して概ね一律の福利厚生サービス
・通常の飲食に要する金額の範囲内であること
(全体に対して一律の福利厚生)
ポイントになっている部分は。会社の全体を対象に行われている忘年会・新年会であることです。
「特定の人」を対象にしていると「給与」として認定されやすいのです。
特定の人だけを優遇することはその人に対する賞与(給与)として認定されることになります。
忘年会や新年会は会社の福利厚生なので、基本的には全体を対象に行う飲み会なので問題が起きにくいのです。
(通常の飲食の金額範囲内)
忘年会だからといってあまりにも高額な飲食の場合には、「通常の飲食」ではなく「給与課税」の問題がでてきます。
一般的な金額がどこまでかは微妙なところですが、一人数千円程度であれば問題にはならいと思います。
逆に一人当たりの飲食代が数万円となると通常の飲食代よりも高額と認定されてしまうかもしれません。
その場合には「福利厚生費」として経費で落としていても税務調査の際に「給与課税」として認定されてしまうリスクがあります。
この場合、お給料として認定されたことによる「源泉所得税の徴収漏れ」と役員に対する「役員給与損金不算入」の両方課税がおこなわれます。
この後に記載する2次会の一般的取り扱いを考えると「交際費」としての可能性もあるので高額になった場合には税理士さんに相談しておきましょう。
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②「部」や「課」の単位で行われる忘年会・新年会はどうなるの?
会社全体で一同を介して行われる忘年会だけではなく、「部単位」や「課単位」で行われる忘年会というものも多いはず。
会社全体であれば「全体に対する福利厚生」のイメージはつきます。
「部単位」や「課単位」というと会社の一部ということになってしまいます。
この「部単位」や「課単位」の忘年会や新年会は経費で落とすことはできないのか気になります。
この部や課単位の忘年会・新年会を福利厚生費で経費処理するためには、会社全体でこの制度を導入することが重要です。
業績の良かった部の人だけを対象とするなど「特定の人」だけが利益を受けている場合には「給与課税」の問題が出るので気を付けましょう。
これについても、交際費という考え方もあるので税理士さんに相談しておきましょう。
③社外の人が参加する忘年会・新年会は要注意
ところが、次のような場合には注意が必要です。
・忘年会や新年会に取引先などの第三者が参加した場合
忘年会や新年会に社内以外の第三者が参加した飲食は「福利厚生費」ではなく「交際費」になってしまいます。
④二次会以後は福利厚生費と異なるので注意【交際費として課税される】
忘年会や新年会など会社の福利厚生で認められることも多いことがわかりました。
新年会や忘年会は会社の人間関係の円滑化にとって重要な役割をしています。
せっかくなので雰囲気も良くなって二次会という会社も多いと思います。
この二次会は忘年会や新年会と税務上の取り扱いが異なるので注意しましょう。
個人事業主や12月決算法人の場合には、忘年会のシーズンは会社の決算期と重なってしまうので経理上のミスにつながりやすいのでしっかりと管理しましょう。
・二次会の費用は「交際費」として処理が必要
二次会は希望者だけがいくものという点と福利厚生よりも慰安としての認定が強いのです。
交際費には得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する「接待。供応、慰安、贈答その他これらに類する行為」とされています。
福利厚生の範囲を超えたものは交際費等に該当すると考えられています。
個人事業主の場合には、交際費に対する課税がないので大きな問題になりません。
法人の場合でも一般的な中小企業の場合には、定額控除限度額(800万円/年度)までは全額損金になるので大きな問題にはなってきません。
交際費の法人税の取り扱いは「交際費は800万円を超えると使えない【意外と知らない交際費の上限の取扱い」をご覧ください。
まとめ
忘年会や新年会は会社の福利厚生としての性質が強いことから原則として「福利厚生費」として問題ありません。
一部の人の参加の場合には、交際費としての考え方と給与課税という考え方があるので注意しましょう。
取引先などの外部の人が参加する忘年会・新年会は交際費になります。
今時点では中小企業の場合、交際費による課税強化が緩くなっていますが、経理上はしっかりと分けておくようにしましょう。
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