自分でやる確定申告の失敗談③~お金が減れば税金が減る?~

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確定申告を自分で行うには簿記の知識が最低限必要になります。さらに、簿記以外にも所得税のちょっとした知識くらいないと厳しいかもしれません。お金がなくなったら税金がかからないと思っている事業主の方は注意が必要です。

確定申告を自分でやろうと思って最初の壁が会計ソフトの入力かもしれません。

今では便利機能もできてきて昔に比べると簡単に経理ができるようになりました。

その次の壁は大きなモノを買ったときの処理です。

そう、自動車やパソコン・店舗造作などをしたときにいったいどうやって経理したらよいのかあわててしまう方が多いのです。

先輩経営者の中にも大きなモノを購入したときの経理処理を間違って税務調査で痛い目を見た方も多いはずです。

今回は大きなモノを購入したときの経理について見ていきましょう。

自分でやる確定申告の失敗談③~お金が減れば税金が減る?~

自分で事業を立ち上げて会社の運営に一生懸命の場合、社長は経理や税金について勉強する時間がありません。

一生懸命仕事を頑張ったから確定申告を待ってくれたらいいのですが日本全国共通の2月16日から3月15日の間に確定申告をしなければなりません。

とくに開業したばかりのころは大きな出費が大きいのです。

一般的に軌道に乗って毎日の経理をしている場合よりも専門的な知識が必要になってしまうのです。

経理や税金について一番初心者の開業したばかり社長に限って難しい経理をしなければならないという仕組みなのです。

そこで税務的に大きな問題を抱えてしまうと修正申告の必要や税務調査の際に指摘されてしまうことになってしまいます。

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手持ち現金や預金残高が増えたから税金がかかると勘違い:利益が増えると税金が増えるんです!

税金の仕組みは利益が大きければ大きいほど税金が増える仕組みです。

特に所得税は超過累進税率という儲ければ儲けるほど高い税率が適用される税制になっています。

ここでいったん所得税の超過累進税率についても理解しておきましょう。

超過累進税率とは

所得の低い部分は定率の税率で高い所得部分は高い税率が段階的に適用される税金方式です。

所得税の場合5%の税率~最高45%の税率まで段階的に適用されます。

イメージとしては階段状に高い所得部分に高い税率が適用されます。

経営者が節税をしたいと思って利益を小さくしたいのは、この超過累進税率も影響しています。

利益が大きければ大きいほど高い税率部分が増えてくるので納税資金が必要になります。

そこで利益を圧縮することを考えて、節税対策を行うわけです。

そもそも利益ってどうやって計算するの?

経営者が気になる利益っとはどうやって計算するのかを知っておきましょう。

利益の計算方法が分からなければ正しい節税ができないと言うことになります。

利益=収入-費用・損失 で計算します。

ここで重要なポイントは収入・費用・損失というキーワードです。

よくある収入の間違い①:お金や預金が増える=収入と勘違い

簡単にいうと収入とは「儲け」です。

収入とはお金が増えたことではありません。

間接的に収入が増えるとお金や預金残高が増えますが、お金や預金が増えることが収入ではないのです。

例えば

・親戚や知人からお金を借りても預金残高は増えます。

しかし、儲かったからお金や預金が増えたわけではありません。

借りたお金は当然返さなくてはいけないのです。

儲けは自分のものですから、返済などをしなくてよいものです。

よくある収入の間違い②:請求書を出さなければ収入は発生しないと勘違い

冗談のような話ですが、税理士を頼まずに自分で経理や確定申告をする方に多い間違いです。

「確定申告で利益が出そうだから請求を来年に回す」間違った節税が横行

これを節税だと思ってしまうのです。

先ほどの現金や預金が増えたら収益がある勘違いとセットで起こってくる間違いかもしれません。

請求書を出さなければ当然入金も遅れます。

お金も増えないし、請求書も出していないから収入は発生しないという理屈です。

ところが収入は儲けです。

儲けはどの時点で決まるか考えてみましょう。

収入は仕事が終わった時点で確定します。

仕事が終わって請求書を出せる状況になれば、すでに収入として決まっているのです。

請求書を出そうが出すまいが、その金額で収入を計上しなければいけないのです。

例えば、

建設業であれば現場の引き渡しが終わった時点が収入の計上時期です。

小売業であればレジでお会計をして商品を引き渡した時点です。

サービス業であればそのサービスのすべてが完了した時点です。

収入のまとめ

・収入はお金が入ってこなくても収入として計上しなければならない

・請求書を出していなくても仕事が完了していれば収入を計上しなければならない

big palm catching small startled businessman in dark room

費用と負債を混ぜてしまって失敗:費用と負債は別物です!

税金の計算上利益が大きければ大きいほど税金が高くなるとお話ししました。

そこで費用が大きければ大きいほど利益が小さくなるわけです。

ここで大きな間違いを犯してしまう方が多いのです!

その大きな間違いとは、費用と負債の返済を混同してしまうのです。

費用と負債の違いを説明する上で、負債とは何かを先に理解しておきましょう。

負債とは何かが分かると費用と負債は違うと理解しやすいのです。

負債とは何か?

負債とは返済や支払義務があるものです。

例えば、

①銀行や親戚・友人からお金を借りた

②クレジットカードで商品や事務用品を購入した

③商品を月末締め翌月末払いで仕入れた

これらの支払義務に注目してください。

①借りたお金は返済しなければならないモノなので負債です。

②クレジットカードを使ったら引落で支払わなければならないので負債です。

③商品を仕入れても翌月末まで支払わないので負債です。

この支払わなければならないものが負債です。

支払わなければならないツケを払った場合には、費用ではなく負債の返済ということになります。

費用とは?

費用とは経費になるモノです。

負債と間違いやすいのは、感覚的に似ているからです。

費用とは次のようなコストのことをいいます。

①売るための商品の仕入コスト

②製品を作るための部品や人件費などの製造コスト

③家賃や水道光熱費など会社の維持に必要なコスト

④金額が10万円(青色申告の場合には30万円)以上の固定資産の減価償却費

⑤青色申告の場合の貸倒引当金の繰入額

よく分からないものも入っていると思いますが、費用とはコストのことと覚えましょう。

コストは発生したときにお金を払っていても払っていなくてもコストなのです。

ここが先ほどの負債と間違いやすい理由なのです。

コストが発生したときに支払が後日となると、そのタイミングで負債が発生するという仕組みなのです。

費用と負債のまとめ

・コストは発生した段階で費用が発生します。

・負債はコストの未払い部分だけではなく、借入などの金融債務も含まれる

負債の返済を費用の支払いと勘違いして節税失敗がおきる

先ほどの費用の支払いと負債の支払を間違うと、節税のつもりで負債の返済をしてしまうのです。

負債と費用の間違いが起こりやすいパターン

①銀行や親戚からの借入金を一気に返済してしまう

②取引先に溜まっていたツケを一気に支払う

③家賃の滞納分を支払う

②③については経営上信用問題になるので早期に支払うことが大切です。

しかし、税金対策としては節税効果はありません。

特に問題なのは、知り合いや銀行からの融資を一気に支払えば経費になると思ってしまうことです。

本来お金を借りた理由は、運転資金に不安があるからです。

資金繰りを安定させるために借りているお金を間違った節税で一気に返済してしまうと資金ショートを起こします。

節税の失敗ということは税金も当然高いままになります。

納税をするためにはお金が必要なのです。

しかし、お金は繰上返済で手元にありません。

こうなってしまっては銀行から融資を受けることもできません。

利益が出ていても税金の滞納があれば融資が受けられないからです。

まとめ

借入金を費用と勘違いして支払う節税は事業にとって非常に大きなダメージを与えます。

費用と負債の違いが分からない場合などは経理と税金のプロの税理士さんに今すぐ相談しましょう!

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