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粗利益という言葉を聞いたことがあるでしょうか?個人事業主も法人経営者も粗利益という言葉の意味を知らなければ商売のスタートラインに立てていないのです。ただし、この粗利益と粗利益率をどう考えるかでビジネスモデルが変わってくるのです。
粗利益率を大切にするのか粗利益を大切にするのか【ビジネスモデルと利益率】
粗利益はビジネスをする上で知っておくべき重要な考え方です。
商売は利益を出すことを目的に行います。
株式会社や合同会社も営利法人です。
利益をあげることを目的として設立され、経済活動をおこなっていきます。
個人事業も基本的にはビジネスをして利益を上げて、自分の生計を立てる必要があります。
ビジネスは「ものを売る」か「サービスを提供する」の2つでできあがっています。
その対価として代金をいただくことになります。
代金をもらうために直接かかるものを「原価」といい、代金から原価を引いたものが儲けとなります。
ビジネスモデルを作る際には、この儲けの仕組みをどう作っていくかが重要になります。
今回は「儲け」の作り方でビジネスがどう変化するのかを考えてみましょう。
会社にとって重要なことは粗利益【利益がないと何もできない】
会社にとって一番重要なことは「お金があること」です。
ただ、税務調査にくる調査官は粗利益率が低いと「脱税しているのではないか?」と疑う傾向がありますが。
税務署のことを気にしていても会社が無くなってしまっては意味がありません。
会社経営で重要なことは運転資金です。
お金を集めるためには利益を出していかなければなりません。
①売上3,000万円の飲食業の場合
売上高:3,000万円
粗利益率:65%
粗利益:1,950万円
②売上高6,000万円の飲食店の場合
売上高:6,000万円
粗利益率:55%
粗利益:3,300万円
粗利益が高い方が同じ売上であれば利益は大きくなります。
しかし、粗利益を高く設定したことでお客様がこなければ利益が作れません。
高級にすればするほど顧客の求める質も高くなります。
会社経営上大切な利益を出すためには、粗利益率だけにとらわれずに「粗利益」の額にこだわることも重要なのです。
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粗利益と粗利益率とは
今回の話題に上がっている「粗利益」とはどのような利益のことでしょう?
粗利益は会計の教科書では「売上総利益」といいます。
税理士さんとお客さんの会話の中では「売上総利益」と呼ぶことよりも「粗利益(あらりえき)」と呼ぶ方が多いかもしれません。
売上総利益というと決算書の中の表示科目なので、なんとなく堅苦しくなってしまいます。
そこでわかりやすく「粗利益」のことを省略して「粗利(あらり)」と呼んだりします。
税理士さん「粗利(あらり)が下がっていますが、何かありましたか?」
社長「粗利(あらり)が下がったのはロスが多く出てしまって・・・」
こんな具合で、粗利益(あらりえき)を使った打ち合わせが行われています。
粗利益・粗利益率とは、次の算式で求めます。
①粗利益=売上-売上原価
②粗利益率=粗利益÷売上高
※粗利益率=(売上-売上原価)÷売上高
粗利益が高いとはどのような意味があるのか
「粗利益=売上-売上原価」で計算します。
粗利益が大きくなる要因は次の2つです。
①売上が大きくなる
②売上原価が下がる
粗利益の算式を見ると、売上と売上原価の2つの要素からできているので当然といえば当然ですね。
1:売上を大きくする方法とは
売上が大きくなる原因は次のように考えられます。
「売上=売上単価✕数量」
①商品やサービスの単価が上がる
②販売数量が増える
会社としては同じものが高い金額で売れれば売上高は大きくなります。
一件理想的にもみえますが、質の低いものを高く売ろうとすると顧客満足度がさがることから売上の総額が下振れする可能性もあります。
2:売上原価を下げる方法とは
売上原価を下げるということは会社にとって非常に重要な問題になってきます。
「仕入れ金額を抑える」ということです。
実際には売上原価は商品やサービスを提供するために係った原価のことをいうので、商品の仕入れ単価だけの話ではありません。
売上原価を下げる方法としては次の方法があります。
①まとめ買いや現金仕入れをして仕入れ原価を下げる
②仕入先変更により原価を下げる
③仕入商品変更により原価を下げる
④販売商品に使用する量を減らすことで原価を下げる
⑤ロスを減らすことで原価を下げる
原価を下げる方法の中には、問題のあるコストコントロールになってしまうものもあるので慎重に判断をしていきましょう。
(販売商品に使用する量を減らすことは悪い原価コントロールか?)
で原価を下げると悪いイメージがあるかもしれません。
しかし、自社のお客様に女性客やお子様のお客様を増やしたい場合提供する量を減らしても問題がないこともあります。
食品ロスが多い場合にも商品の量自体を減らすことで誰も損をしないこともあり得ます。
(取扱い商品変更による原価コントロールは問題があるのか?)
取扱商品変更とは、高級食材を仕入れていたところリーズナブルな同様な商品を仕入れることで商品を提供する場合などです。
タラバガニとアブラガニの違いなど一時期話題になったことを思い出してみてください。
あれはアブラガニをタラバガニとして提供していたので食品偽装問題になってしまったのです。
ただ、アブラガニもおいしいと理解されてからはアブラガニとして提供していても誰も怒りません。
価格もリーズナブルでおいしいわけですから。
自社の取り扱い商品もよい状態で提供できるよう努力することで、原材料費を抑えても問題がないことも多いのです。
ただし、ビジネスはお客様だけが取引先ではないということも忘れてはいけません。
自社の利益を大きくするために、仕入れ先に損をさせたのでは大きく見ると損をしている可能性もあるのです。
まとめ【目標利益を確保するビジネスモデルを考える】
会社にとって重要なことは利益の確保です。
運転資金を作るには売上からの資金流入と銀行融資などの資金調達です。
この両方にとって利益がなければ運転資金を作ることができません。
銀行融資を受けるためにも利益は必要です。
会社の目標利益を実現するために、どのようなビジネスモデルを作っていくかを考えることが重要です。
粗利益率の改善ばかりに力を入れると、広告費や人件費が余計にかかって最終利益を圧迫することもあります。
重要なことは粗利益としていくら稼ぐのか。
そして最終利益としていくらを目指すのかです。
経営に強い税理士さんを見方につけて、ビジネスモデルを考えていきましょう。
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