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ヒヤリハット事件は法人決算を進めている中でおこしやすいので、知っておくことで予防をしきます。法人決算の税務申告書を提出する期限が事業年度終了後2ヶ月なので、3月決算の場合は今が決算作業の最盛期かもしれません。3月決算法人の場合には5月末が税務申告期限になります。
法人の決算作業とはどんなことをするのか?
法人の決算作業とは「何のことか」を見ておきましょう。
税理士さんが思う決算作業と自分の会社を自分で経理している人の決算作業は若干異なっているかもしれません。
税理士さんが考える決算作業は「帳簿作成」という部分ではありません。
プロの税理士さんは帳簿をただ単に入力することを
- 「経理」
- 「帳簿入力」
と言います。
これは税理士さんの感覚では決算とは言いません。
しかし、自社の経理をしている人にとっては「経理をする=決算をする」と思っています。
なぜ、税理士さんは「帳簿をつけること=決算をする」ではないのかを見ていきましょう。
税理士事務所のいう決算作業とは?
税理士さんは毎月の帳簿をチェックしたり、お客様に代わって帳簿をつける「記帳代行」というものを行なっています。
あくまでも、お客様から定時のあった、
- 領収書
- レシート
- 請求書
- 預金通帳
などの資料を元に帳簿をつけているということです。
税理士さん側からすると「とりあえずあるものを入力する」という場合もあります。
特に一年に1回まとめて税理士さんに見てもらっているところの場合には、税理士さんは「とりあえずある資料を会計ソフトに入力して経理をする」ことからスタートしていきます。
そのあとに、
- 「不足している資料は何か」
- 「この取引はおかしいのでは?」
- 「この資料があるということはこのような事情があるのでは?」
など事実を確認しながら帳簿を作っていきます。
この部分が税理士事務所のいう「決算作業」なのです。
決算作業を大きくまとめると、
- 事業年度分の領収書・請求書・預金通帳などを会計ソフトに入力すること
- 入力後の会計データを見て不足資料を洗い出すこと
- ②を繰り返して、取引の漏れのない会計帳簿を作ること
- 税務申告書を作成すること
- 税務申告書に基づく納税を完了すること
こののようになります。
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時間が足りない問題がでる
決算作業を行なっていて一番起こりやすいものが時間が足りないということです。
毎月しっかりと経理をして、毎月税理士さんにチェックしてもらっていない会社に多く起こる事例です。
急ぎで領収書を集めて経理していくうちに次のようなことが起こります。
- 領収書が抜けている
- 預金通帳が「合計記帳」になっていて内容のわからない部分がある
- クレジットカードの明細が抜けている
- ATMの振込明細がない
- 給与明細がない
など。
このうち「通帳の合計記帳」「ATM振込明細」「クレジット明細」については、銀行やクレジット会社に依頼することでない湯を確認することができます。
ただし、開示してもらうまでには日数が必要になり、決算作業の細かい内容を詰める部分にたどり着けないまま時間切れということも珍しくなく、大きな費用などを支払っていても「わからなかければ経理から漏れてしまうリスク」があります。
経費が漏れていた場合などは税務申告書を提出した後でも「更正の請求」という手続きをとることでデメリットを減らすことができます。ただし、更正の請求をする場合には税務調査を受ける可能性が高くなるということと、具体的になにがいくら漏れていたかのしっかりとした資料が必要になるので手続きとしては面倒なものになります。
届出書を出さないと受けられない規定の届出をしていなかった
申告書の作成が終わって税務署に書類を提出したあとに、税務署から電話連絡が来ることがあり、この場合「税務調査の連絡」か「届出が必要なものの届出をしていなかった」という場合が多くなります。
事前届出や事前申請が必要なものの具体例は次のものがあります。
- 青色申告の承認申請書
- 事前確定届出給与に関する届出書
- 簡易課税制度選択届出書(消費税)
代表的な届出書はこれらのものがあります。
青色申告の承認申請書
特に新規開業法人の場合には設立後3ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を税務署に提出していなければ「白色申告」ということになります。
税務署から郵送されてきた法人税申告書を確認することで「青色」か「白色」を見分けることができます。
事前に申告書の種類を判断して経理・申告書作成をしなければ受けられない規定を使って計算してしまうことがあるので注意しましょう。
青色申告の場合には優遇規定というものがあるので、有利なものを適用して計算すると同じ利益でも白色申告よりも税額が小さくなることが多くなります。
事前確定届出給与に関する届出書
役員にボーナスを出しても経費にならないという話があります。
一般的には正しいのですが、この「事前確定届出給与に関する届出書」を期限内に提出することで役員賞与も経費で落とすことができますが、この事前確定届出給与は規定が細かいので税理士さんに相談して上手に活用しましょう。
簡易課税制度選択届出書
消費税がかかる事業者のことを「課税事業者」といいます。
課税事業者が消費税の計算方法を「簡易課税制度」を使って計算したい場合には事前に「簡易課税選択届出書」を税務署に提出しておく必要があり、この届出をしていないにも関わらずに、簡易課税が有利だからと簡易課税で計算して消費税申告書を提出してしまうと納税すべき消費税が間違っているということが起こります。
この間違いは税理士さんでも起こす可能性のある間違いなので注意しましょう。
法人決算でのヒヤリハット事件!【時間切れになる前に】のまとめ
法人決算を「ただの帳簿作成」と考えてはいけません。税理士さんは帳簿の入力が終わった後からのことを「決算作業」と考えています。プロのように決算を行うためには、早期に帳簿作成を終わらせることが重要です。
税務の部分では様々な規定や事前届出などもあるので法人決算は税理士さんに相談して進めていきましょう。
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