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中古車を買うなら何年経過したものが一番税務上有利なのかご存知でしょう?税務上は新車と中古車では耐用年数が異なります。この耐用年数は何年かけて経費で落として良いかということです。耐用年数が短ければ短いほど最初の年の節税ができるのでしっかりと押さえておきたいところです。
決算ギリギリでは節税できません!
個人事業であれば確定申告が終わったばかり、12月決算も決算申告が終わったばかりで、今年の節税というところまで気が回っていないかもしれません。
3月決算法人は、これから法人税の申告になるので今期の節税どころではないかもしれません。しかし、大きな支出を伴う節税は経費で落とすために時間が必要になることがほとんどです。過去の決算申告にばかり目を奪われていると、来年の今時期の納税額が大きいままになってしまいます。
過去の業務と将来に向けたタックスプランニングの両方を同時に行っていかなければ効率的な成長と節税ができないのです。
買った車が一発経費にならない理由とは?
車を購入すると中古車でも数十万円から数百万円です。
新車であれば数百万円から数千万円というものまであります。
これだけ大きな支払いをするわけですから、大きな税務対策になるはずと思っている経営者も多く、決算直前に「車を買えば節税になると思った」とお話しされて「車の注文書」を税理士さんに持ってくる経営者さんは本当にいるのです。
ところが、車を決算期直前に買っていても今期の節税にはならないことがほとんどなのです。
車などの大きな金額が必要な設備投資は「減価償却」という手続きによって少しずつしか経費で落とせない仕組みになっているのです。
減価償却の仕組みをおさらい
減価償却とは、購入した固定資産を耐用年数という決まった年数で少しずつ経費にするものです。
本来であれば会社ごとによって使い方はバラバラなので実態に合わせて経費化していけば良いのですが、税法上は「法定耐用年数」というものを使って経費化していき、普通車の場合には、法定耐用年数は一般的に6年です。普通自動車を個人事業主や法人が購入した場合には、原則として6年間かけて経費で落としていくことになります。
ここで問題が出てきます。
新車も中古車も同じ6年間で良いのだろうかということです。
さすがに新車も中古車も6年で減価償却をするということはしませんので、中古車の場合には、別の耐用年数を使っていくことになっています。これが節税に使える根拠になってくるのです。
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節税に使える見積耐用年数とは?
法定耐用年数は固定資産の種類ごとに非常に細かく分けられていて、建物の場合には躯体の骨格材の種類ごと、かつ、その建物の用途に応じて法定耐用年数が分かれています。
車の場合には排気量や形態で法定耐用年数が分かれています。
この法定耐用年数は「新品のもの」の耐用年数です。
実際に事業を行なっていると新車や新品ばかりではなく、中古車や中古の建物・厨房機材を購入することも珍しくなく、中古のものは「全く同じものは存在しない」ということになります。
しかし、税金計算上は個別の事情を加味していたのでは公平性が担保できませんので、中古で購入した資産の購入後の使用可能期間を見積もることができない場合には耐用年数「見積もり耐用年数」というものを使って良いということになっています。
見積もり耐用年数:(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%
✳︎ 法定耐用年数を過ぎているものを「全部経過」といいます。
全部経過している場合には「法定耐用年数×20%」が見積耐用年数となります。
ただし、最低2年ということになるので注意しましょう。
税務上一番お得な中古車とは何年経過したものか、一般的に自動車は年数が増えれば増えるほど走行距離が増えます。
走行距離が増えるほど、
- エンジンは消耗します。
- タイヤもブレーキパッドもすり減ります。
- メンテナンスにかかるお金が増えることになります。
新車の発売からの年数が増えるほど旧モデルということになり、内装・設備が古いものということになり、モデルによっては旧モデルの方が人気が上がるということもありますが、税務上は全く関係のないことになります。
そこで、税務上得をしながら程度の良い中古車を考えていきましょう。
ここでポイントになるのが「見積耐用年数」という考え方なのです。
全部経過の場合の見積耐用年数が、その資産の種類で最短の減価償却期間ということになります。
自動車の場合は6年×20%=1.2年ということになります。
2年未満の場合には2年が最短と決まっているので2年以上3年未満の見積耐用年数が最短です。
- 1年経過の中古車の場合:(6年−1年)+1年×20%=2年(5年)
- 2年経過の中古車の場合:(6年−2年)+2年×20%=4年(4年)
- 3年経過の中古車の場合:(6年−3年)+3年×20%=6年(3年)
- 4年経過の中古車の場合:(6年−4年)+4年×20%=8年(2年)
4年経過の中古車で見積耐用年数が2年になりました。つまり、中古車で一番程度の良い可能性が高いものは4年落ちの中古車ということになります。
見積耐用年数の注意点
中古のものを買えばなんでも「見積耐用年数」が使えるわけではないので注意しましょう。
次の場合には見積耐用年数ではなく「法定耐用年数」を使うことになります。
- その中古資産を事業の用に供するための資本的支出が新品の50%を超える場合
- その中古資産を事業の用に供するための資本的支出が中古資産の取得価額の50%を超える場合
つまり、中古の資産を購入した場合、事業に使うために購入金額の50%を超えるような大規模修繕をしてしまうと見積耐用年数ではなく「法定耐用年数」になってしまうので注意しましょう。
中古車を買うなら何年落ちが一番得なのか?【法定耐用年数をチェック!】のまとめ
中古車を購入して節税する場合、少しでも程度がよく、新しいものが理想です。そんな時は新車登録から4年を経過した車を選ぶようにしましょう。見積耐用年数を使った節税は中古車以外にも可能です。詳しくは、税理士さんに相談しておきましょう。
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