決算期は今が最適?~戦略的事業年度変更で資金繰りが変わる~

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決算期が12月となっている法人は「本当に12月決算期が最適かどうか」を検討したことがありますか?決算期を変更することで大きなメリットが出ることがあることを知っておきましょう。

決算期は今が最適?~戦略的事業年度変更で資金繰りが変わる~

12月決算法人の数は結構多いのです。

決算期を決めた理由を「どのような理由で12月決算にしたのか」を明確に説明できますか?

法人設立を検討している方は決算期を気にしていないことが多いのです。

事業を始める頭(いつから始めるか)を気にしているので、しっぽ(何月決算にするか)を検討していないままになっていることがよくあります。

まずは、みんなはどのように事業年度を決めているのかを見ていきましょう。

一般的によくある事業年度の決め方

会社を設立して頑張る熱い思いはあるのですが、事業年度に対する思いがある人は少ないかもしれません。

中には税務署などから書類が送られてきてから「決算期が過ぎた!」と慌てる人もいるくらいです。

法人の決算期の決め方を見ておきましょう。

①12月が多くなってしまう理由

法人の決算期には12月決算が多いのです。

有名なところでは3月決算ですが、12月決算も多いのです。

これは個人事業から法人になった場合によく起こりがちな理由です。

特に個人事業の時に税理士さんに頼んでいないケースによくあるパターンです。

個人事業は1月1日から12月31日までの期間で計算して3月15日までに確定申告をすることになります。

翌年の1月1日から法人にんなって12月31日までの12か月の事業年度にすることで区切りがよいと考えて12月決算にすることが多いのです。

ここには消費税法の規定のメリットを考えると1月設立であれば12月決算にしない方が損をしてしまう可能性が高いということも影響しています。

12月決算にした場合には、個人事業の時のように3月15日まで決算申告期限が伸びることはありません。

きっちり2月末日までに法人決算を終えて法人の確定申告と法人税等の納税を終わらせなければらないのです。

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②3月決算が多くなってしまう理由

3月決算が多くなる理由は恐らく「有名だから」です。

3月といえば決算期というイメージは社長であればあるかもしれません。

TVをみても決算という言葉をよく聞く時期です。

ある意味「なんとなく一般的にそうだから」という理由で3月決算にしている方が多いです。

中には決算期が多い時期だと税務調査に当たらなさそうだからと考えて3月決算にしている人もいるかもしれません。

3月決算の申告書の提出期限は5月となることから、上期の税務調査選定対象になりやすいので調査に当たると脂っこい税務調査になる可能性があります。

③起業したタイミングで法人設立をした場合

脱サラして起業する方で、いきなり法人設立をする方がいらっしゃいます。

この場合には上記のように12月決算や3月決算ということは少なくなります。

起業したタイミングで法人設立しているときは開業したところから12か月の事業年度を設定する人が多いのです。

例えば、退職が6月末で法人設立起業を8月とした場合には、事業年度を8月から7月までの期間で設定していきます。

法人の決算期は7月決算の11月申告ということになります。

これも消費税の影響を考えて設立事業年度から12か月が設立事業年度という作りで事業年度を決めていくことが多いのです。

事業年度設定と消費税の影響

先ほどから「消費税の影響を考えて」という表現をしていますが、消費税の影響についても見ていきましょう。

法人を設立してから2年間は消費税がかからないという話を聞いたことがある人も多いはずです。

消費税の規定では基準期間の課税売上高が1,000万円を超えると消費税の課税事業者になるということになっています。

「基準期間(キジュンキカン)?」というものが何かが重要になってきますね。

法人の基準期間は次のように定められています。

その事業年度開始の日の二年前の日の前日から同日以後一年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間

設立から2年間はこの基準期間がないので原則的には免税になります。

ところが2期目の途中で事業年度変更をすると次のようになる可能性があります。

第1期 ×1年 1月1日~12月31日 課税売上2,000万円

第2期 ×2年 1月1日~6月30日(課税売上1,000万円)※事業年度変更

第3期 ×2年 7月1日~×3年6月30日

この場合の第3期の納税義務を判定します。

・第3期の2年前の日の前日は「×0年の7月1日」

・同日以後1年を経過する日は「×1年6月30日」

この間に開始した事業念を合わせた期間ということになります。

この期間に開始した事業年度は「第1期×1月1日~12月31日」だけになります。

この期間の事業年度は12か月フルであり、かつ、課税売上高は2,000万円あります。

2,000万円>1,000万円となることから第3期目は消費税の課税事業者になります。

通常であれば24か月(2期)の売上に対する消費税が免税ですが、2期に事業年度を変更したことで3期目から消費税がかかることになります。

実質的に免税機関は18カ月しか取れなかったケースになります。

戦略的事業年度の変更~資金繰り改善ができる事業年度変更~

事業年度の変更は資金繰り改善に影響することをご存知でしょうか?

むしろ今の決算期のせいで資金繰りが悪い可能性もあるのです。

会社の資金の流れを見ておきましょう。

会社にとって大きな支払いがあるのは次のタイミングです。

①節税のために資金流出があるタイミング

②法人税・消費税などの決算後の納税のタイミング

③法人税・消費税の中間納税のタイミング

仮に12月決算を例に見てみましょう。

①節税のために資金流出があるタイミング(11月・12月)

②法人税・消費税などの決算後の納税のタイミング(2月)

③法人税・消費税の中間納税のタイミング(8月)

この通りにうまく流れていれば、節税と納税のバランスは取れていきます。

ところが、11月12月にお金がない業種だったらどうします?

節税をすべき時期に売上はあるけども入金は後になる場合です。

建設業などの場合には、入金サイトが短いものでも1か月から2か月です。

手形をもらったりすすと入金は9か月後ということもあり得ます。

これでは売上は立っているのに入金は決算後になってしまいます。

そのため節税ができないまま利益として残ってしまいます。

利益が残れば当然税金も高くなります。

1年間の税金が多くなれば、予定納税という中間納税も出てきます。

中間納税をすると節税対策で使えるお金が減ります。

節税ができないので、また決算で利益が残って税金が膨らみます。

これでは会社が成長するための投資ができないで、税金を払うためだけに事業をしている会社になってしまいます。

決算期がその会社の業種・業態にそぐわないまま走っている場合は、こういうことが起きています。

ここでポイントになってくるのが事業年度変更です。

会社の事業年度は最初に設立したときに決めたままにしなくてもよいのです。

会社の任意で事業年度を変更することができるのです。

しっかりと自分の会社の売上・支払いの流れをみて「いつの決算期がよいのか」をしっかりと確認することが大切です。

決算期変更の注意点は決算期を半年ずらしても意味がありません。

なぜなら、予定納税は決算申告納税が終わってから6か月後に来ることが多いからです。

6か月決算期をずらしても、結局大きな支払いにお金を持っていかれてしまうので節税対策ができなくなってしまうのです。

まとめ

・事業年度は会社の繁忙期・資金繰りに併せて見直すことで節税ができます。

・事業年度を変更する際には消費税の免税・課税などに影響があることがあるので税理士さんと相談しながら行いましょう。

・事業年度を6か月ずらすことは資金繰り対策・節税対策として効果が薄いので注意しましょう。

・事業年度変更は銀行融資・節税資金・税務調査の時期などにも影響があるので税理士さんと相談しながら進めていきましょう。

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