法人になったら税理士を頼む理由【自分でできる決算はリスクだらけ】

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法人を設立したら税理士さんに頼もうという方がかなりの割合いらっしゃいます。個人事業の確定申告位は自分でできるという方もいるのですが、法人になるとそうはいきません。自分で法人決算がどの程度できるものなのかも見ていきましょう。

法人になったら税理士を頼む理由【自分でできる決算はリスクだらけ】

「法人決算は自分でできるのか?」という疑問を常に思っている社長も多いはず。

会社を設立したら会計ソフト選びをインターネットや家電量販店で行います。

これと同時に自分の会社で法人税の申告などもできるソフトがないかと調べてみたりします。

実際に自社で法人税申告書などを作ることができるソフトは市販されています。

市販ソフトさえ買えば、自分でできる気もしますが果たしてできるものなのでしょうか?

なぜ先輩経営者の人が税理士さんを頼むのでしょうか?

法人設立時にすぐに税理士さんを頼んだ方が良い理由と合わせてきていきましょう。

法人決算は税理士さんに頼んだ方が良い!【法人決算を自分でやってはいけない理由】

税理士さんに法人決算を頼むと高いから自社で法人決算をしたいところですが、お勧めしません。

なぜ、自社で法人決算をしないほうが良いのかをしっかりと見ておきましょう。

①税務申告ソフトはクセが強い【作る会社ごとに作りが違う】

法人決算は会計ソフト以上に税務申告ソフトを購入しなければなりません。

しかも税務申告ソフトは複数の種類があります。

会計ソフトのように作っている会社がたくさんあるのです。

その税務ソフトは各社独特なクセがあります。

同じ申告書を作るはずが、数字を入れると自動連係してくれる会社もあれば自動連係しない会社もあります。

しかも、その自動連係する箇所が会社によってことなっていたりするので質が悪いのです。

税理士さんも複数の税務申告ソフトを導入している場合、使っているベンダーによって癖に注意しないと間違った申告書になってしまうのです。

それくらい税務ソフトは癖が強いものですので、自社で法人税申告書をしっかりと作るためには経験者が必要になります。

②法人は税務調査にあたる可能性が個人よりもずっと高い

【税務申告書にケアレスミスなどが多く見つかると税務調査リスクが高くなる】

国税は国税総合管理(KSK)システムというものを導入しています。

提出された申告書をデータ化し効率的に税務調査の対象者を選定できるようになっているのです。

全国から提出された膨大な法人決算申告書などから異常値のある申告書を効率的に洗い出せるようになっています。

つまり、効率的に税務調査の対象者を抽出できるようになっているのです。

自社のことしかわからない会社よりも、様々な会社を見ている税理士さんのほうが当然情報を持っているというわけです。

日本は申告納税方式という形式をとっています。

自主的に税金を計算して納税するというものです。

税務調査が入って間違いを指摘されるまでは、自分で正しいと思っている経理で申告納税していて問題ないのです。

ただし、税務調査で間違いを発見されると修正申告・追徴税額の納税という話になります。

個人事業よりも法人のほうが税務調査が入る可能性が高いため、うっかり間違っていると修正申告や追加納税が出ることになります。

税務調査後の追徴税額は資金繰りにいれていない急な支払いなため、会社のキャッシュフローに悪影響を与えてしまいます。

申告書のケアレスミスなどから税務調査の端緒が出てこないようにしっかりとした申告書作成が必要です。

③税務ソフトは毎年買替になる可能性が高い【結局決算時にコストがかかるのは同じ】

税制改正は毎年行われています。

法人税の申告書を見てもらうとわかるのですが、申告書(別表)の右上に「平成○年○月○日以後終了事業年度分」などの記載があるのです。

税制改正が起こると別表の様式なども変わってきます。

法人税申告ソフトを毎年買換えなければならないのは、改正あると計算方法・申告書に変更が起こる可能性が高いからです。

結局毎年ソフトを買い続けることになるのであれば、プロの税理士さんに決算をお願いした方が効率的です。

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自分で法人決算をするために必要なソフトは何が必要か?

自分で法人決算をするためには段階ごとに必要になるソフトが変わってきます。

【日常業務で必要なもの:会計ソフト】

法人決算を行う前に日ごろの経理を行っておく必要があります。

日常経理には次の会計ソフトが便利です。

弥生会計とfreeeは有名どころの会計ソフトです。

最近ではパッケージソフトではなくクラウド会計で便利に経理処理をしている会社も増えています。




【法人決算業務で必要なもの:税務申告ソフト+α】

会計ソフトだけでは法人税申告書を作ることができません。

市販の税務ソフトを購入しようにも、いったいどのソフトを購入したらよいかわからないかもしれません。

税理士さんは法人決算をするために用意するソフトは次のものになります。

①法人税申告ソフト(地方税申告も含む)

法人税の申告書と地方税の申告書を作成するソフトです。

②減価償却計算ソフト

車輌やパソコンなどの固定資産を購入した場合に、減価償却費を計算してくれるソフトです。

法人税の減価償却に関する別表や償却資産税申告にも対応してくれます。

③内訳書作成ソフト

法人税申告書の場合には、個人確定申告書のようにシンプルなつくりではありません。

預金は「どこの銀行の普通預金・預金口座番号○○番にいくらある」ということを細かく記載しなければならないのです。

これを作るためのソフトが内訳書作成ソフトです。

会計ソフトのグレードによっては内訳書作成ソフトがはいいているものもあります。

※別途、消費税計算ソフト(消費税の納税が出る場合)

法人設立後、消費税の免税期間が終了すると消費税申告・納税をしなければなりません。

その場合に消費税申告書を作成する必要が出てきます。

この消費税申告書を作成するためのソフトが消費税計算ソフトです。

会計ソフトの中には、消費税申告書作成が含まれていることがあります。

市販しているとある税務ソフトの場合には次の金額になります。

①法人税申告ソフト:27,500円

②減価償却ソフト:17,000円

③内訳書作成ソフト:14,200円

※消費税申告ソフト:12,300円

合計(①~③)=58,700円(税抜き)

消費税を含めた場合の合計71,000円(税抜き)

税務ソフトだけであれば税理士さんに決算を頼むよりも低価格になりそうです。

ただし、自分で税務ソフトの使い方と税務の勉強をすることになるので本業どころではなくなります。

税務ソフトを使うとなんとなく形になるのですが、合っているのかどうかはよくわからないことが多いのです。

実際に自社で法人決算をしている人にありがちな傾向

法人税申告書の作成ではなく、日ごろの経理や税務判断の間違いが放置されていることが多くなります。

当然税務調査になれば、その間違いを指摘されて追徴税を支払うことになります。

金額の小さいものであればよいのですが、根本的な税法規定を知らないために大きな間違いを起こしていることがあります。

自社で決算をしている会社にありがちな大きな間違い【税務調査で怖いことに】

次の項目で間違いを起こしている場合、強烈なダメージを受けることになります。

しかも、税理士さんがついていない会社に多い間違いです。

当然税務署もこのポイントをしっかりと理解して税務調査に入ってきます。

①役員報酬の改定時期を間違っている

役員報酬改定時期を間違っている場合、増額分が法人税法上経費になりません。

しかし、もらった役員にはしっかりと所得税・住民税・社会保険がかかります。

つまり法人税も個人の負担も増えるという往復びんたになってしまいます。

②減価償却の償却方法が間違っている

減価償却の耐用年数を間違っていて、経費を多く計上しているケースです。

適当に耐用年数をつけて経費で落としていると税務調査で正しい償却方法で再計算されます。

③保険料をすべて経費で処理している

生命保険や損害保険は契約内容や保険料の支払いの仕方によって経費で落とせる金額が変わります。

保険料だからなんでも節税になると思っていると間違いだらけになってしまいます。

仮に保険の営業マンの人の説明が間違っていたとしてもリスクは会社側にあることを理解しておきましょう。

④仕入れたものや外注をすべて経費で処理している

税理士さんがついていない会社によくある間違いですが、なんでも経費にしてしまうことがあります。

仕入れた商品で在庫になったものや建設業などで引き渡しの終わっていない現場に係った外注費などの経費も「仕掛品」や「在庫」として資産に計上しなければなりません。

期末にたくさん仕入れたり外注費を払っている会社は税務調査でもしっかりとチェックされます。

在庫や仕掛の間違いは成長している会社にとって大きなダメージを与えてしまうので注意が必要です。

⑤配偶者に対する給料が期中増加していたり賞与を出している

社長が100%株主という株式会社や合同会社が非常に多いパターンです。

このケースの場合、配偶者は役員登記をしていなくとも税法上の役員として取り扱われる可能性が高くなります。

これを「みなし役員」といいます。

みなし役員の場合には、登記をしていなくとも税務上役員として扱われるのでお給料が役員報酬になってしまいます。

役員報酬になるということは期中で増額したり、税務手続きを経ていない賞与は法人の経費にならないということになります。

税務調査の際には税務署側は配偶者=役員という立場で主張してくると思いますが、税理士さんがしっかりと説明してくれるとリスクは減ります。

まとめ

法人設立後も自分で決算をやることは税務上の大きなリスクを抱える可能性があります。

税務申告書に間違いがあると税務調査を誘発しやすくなるので注意が必要です。

税務申告ソフトも毎年改正のつど買替の必要が出ます。

税務申告ソフトをしっかりと使いこなすためには、ソフトになれる時間と税務情報を集める必要があります。

税務申告書の作成には税理士さんでもかなりの時間を必要とします。

本業をしっかりと育てることに時間を使った方が効率的に会社を成長させられます。

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