クラウド会計で経理が自動になるって本当?~クラウド会計で税理士いらずは会社次第~

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クラウド会計は話題になっていますが、本当に経理が自動でできるようになるのでしょうか?税理士事務所に頼まなくても自動で経理から確定申告までできてしまうものなのかを考えてみました。

クラウド会計で経理が自動になるって本当?~クラウド会計で税理士いらずは会社次第~

クラウド会計という言葉をご存知でしょうか?

今話題のクラウド会計は今までの経理に比べて何がすごいのかをしっかりと理解しておきましょう。

話題のものだからと飛びついていては取り返しのつかないことになることもあります。

特に、経理や会計は会社の経営の根幹に影響をします。

しっかりとクラウド会計の特徴を知ってから経理について考えていきましょう。

小さな疑問を調べる人

手書きの経理はこんな会計だった~

一昔前までは経理の専門家が手書きで帳簿をつけていました。

商業高校や専門学校などで経理のプロを養成するために、簿記会計という勉強をした人が一つ一つ手書きで帳簿を書いていました。

今でも創業○○年という歴史の長い会社の場合、手書きの経理をしているところもあります。

手書きの帳簿は作成に時間がかかることと、一つ間違いがあると修正することも大変でした。

経理担当者は簿記会計がわかるだけではなく、字もきれいでなければ作った帳簿が読めないという事件になってしまいます。

経理担当者の力量によって経理の効率化の度合いにも大きな違いがある時代でした。

今現在手書きの会社の税務調査は苦労する

最近では手書きの帳簿をつけているところは少なくなりました。

日々の現金管理の資料などは手書きでも、会計帳簿とよばれる経理のまとめは会計ソフトを使うことが一般的です。

すべて手書きの場合、導入している経理用品によっては税務調査で時間がかかるものもあります。

今はパソコンを使った会計処理が主流ですから、若い調査官の場合手書きの経理をあまり見る機会がありません。

手書き経理の場合、帳簿のボリュームが増えてしまったり、人の字の癖などもあり税務調査がやりにくいという側面があります。

 パソコン会計(コンピュータ会計)はこんな会計だった

※現在はコンピュータ会計がまだ主流です。

コンピュータ会計は今現在でも主流の会計です。

クラウド会計が普及し始めていますが、まだまだパソコン会計の方が主流です。

コンピュータ会計とは、パソコンに会計ソフトをインストールして使う会計ソフトです。

代表的な会計ソフトには次のものがあります。

・弥生会計

・会計王

・やよいの青色申告

・みんなの青色申告 など

これらのほかにも、非常にたくさんの会計ソフトがあります。

税理士事務所が使っている税務ソフトと連動するように専門的に作られた会計ソフトもあります。

コンピュータ会計のメリット

コンピュータ会計のメリットは次の通りです。

・会計知識があれば処理速度は手書きよりも圧倒的に早い

・パソコンにインストールして使うためにパソコンの性能が良ければ処理が速い

・パソコン内にデータを保管することができるので安心感が高い

・パソコン打ち出しなので帳簿がきれい

・帳簿の検索性がアップ

コンピュータ会計のデメリット

コンピュータ会計のデメリットは次の通りです。

・パソコンが壊れるとデータが消える

・インストールしているパソコンでしか使えない

・ウインドウズソフトとマックソフトで使える・使えないがおきる

・簿記や会計知識が全くないと経理自体は難しい

・バージョンアップごとに買替が必要

コンピュータ会計は、手書き時代と大きな差があります。

税理士事務所の顧問料が下がってきた背景にも、このコンピュータ会計の普及が影響しています。

手書きの帳簿時代であれば1件あたりのお客様の処理時間がコンピュータ会計の数倍かかってしまいます。

つまり税理士事務所の担当者がもつことができるお客様の数が少なくなってしまいます。

そのため1件当たりの税理士報酬を高くすることが必要になっていました。

コンピュータ会計が普及することで、会社側での処理時間も短くなり、税理士事務所での処理時間も短くなりました。

税務調査も調べやすくなったという側面はありますが・・・・。

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クラウド会計はこんな感じになっている

クラウド会計はコンピューター会計の進化形です。

パソコン自体に会計ソフトをインストールするわけではなく、web上で会計ソフトを利用する感じになります。

クラウド会計のメリット

・windowsパソコンでもマックでも影響なく使うことができる

・パソコンが壊れてもデータはクラウド上にあるので影響がない

・インターネットバンキングやクレジットカードの情報を自動的に会計データに取り込むことができる

 ※現在のコンピュータ会計でも、弥生会計は領収書・インターネットバンキング・クレジットカード情報などを取り込むことができます。

クラウド会計のデメリット

・税理士事務所側でも消極的な事務所が多く、クラウド会計の支援が不足

・クラウド上にデータをバックアップすることから不安感が強い

・完璧な経理が自動でできると勘違いしてしまうと取り返しがつかなくなる

クラウド会計の中には無料などをうたっているものもありますが、実際にはデータ保存期間が短かったりで実際には有償版を使用しなければ事業利用できないものもあります。

クラウド会計の普及率はどれくらい?~個人事業にクラウド会計は急速に普及し始めている~

クラウド会計はどれくらいの人が利用しているのか気になるところです。

クラウド会計の普及は年々高まっています。

今では約3割くらいの個人事業主がクラウド会計を使い始めています。

会計ソフトを入れ替えるならクラウド会計に入れ替えをするという方も増えてきています。

新規で飲食店などを始める場合には、POSとの連動ができて経理が楽になるということでクラウド会計を導入される方もいらっしゃいます。

新規開業の場合にはどちらにしても、はじめての会計ソフトになることからクラウド会計に取り組む方が多い気がします。

近い将来は法人にもクラウド会計が急速に普及する可能性が大きい

個人事業は開業後3年目に法人化する人が多くいらっしゃいます。

個人事業でクラウド会計の普及率が上がっていることを考えると、法人化した際にもクラウド会計を使用する方が増えてきます。

おそらく会計ソフトメーカーもこれを念頭に動いています。

パッケージソフトといわれる量販店で販売している会計ソフトの金額設定をみるとわかりやすいですね。

個人事業と法人の会計ソフトの金額設定を見てください。

個人事業主用は約1万円程度です。

法人の場合には約3万円以上の価格設定になっています。

会計ソフトの使い勝手は個人用と法人用で大きく変わるところはありません。

しかし、値段設定には3倍程度の開きがあります。

個人事業時代に会計ソフトを使ってもらって、法人になっても慣れ親しんだ会計ソフトの法人版を使ってもらうことにつながっています。

Businessman holding multimedia network over mobile phone 3D rendering

クラウド会計でなければ経理を効率化できないの?

クラウド会計の最大のメリットは経理が楽になるという点です。

経理が自動的に行われて誰でも簡単に経理ができるというように思われています。

実際はクラウド会計を使い続けて育てていくことで精度が上がって経理が楽になる仕組みです。

この経理を楽にすることは、クラウド会計だけの特徴化というと実はそうではありません。

パッケージソフトの中でも弥生会計は、パッケージソフトでも経理を効率化する仕組みが導入されています。

ある意味クラウド会計でもパッケージソフトでも効率的に経理ができるように進化を続けています。

パッケージソフトでも領収書の内容などを設定することで効率的に帳簿の入力ができるようになっています。

なぜ税理士事務所はクラウド会計よりもパッケージソフトを使い続けているのか?

クラウド会計は便利という話が出ているにもかかわらず、税理士事務所側はクラウド会計に消極的な理由をご存知でしょうか?

税理士事務所ではクラウド会計を導入しない理由にたくさんあります。

あくまでも私見ですがクラウド会計とパッケージソフトを使って比較した感想から検討してみました。

①クラウド会計のソフトよりもパッケージソフトの方が使いやすいため

②クラウド会計が自動経理が完璧にできるわけではないため

③クラウド会計の方が処理速度が遅いため

税理士事務所はクラウド会計に取り組み始めていますが、まだパッケージソフトを中心に使っています。

お客様への提案もパッケージソフトの会計指導を中心に行っていることの方が多いようです。

①クラウド会計のソフトよりもパッケージソフトの方が使いやすいため

経理と税務のプロである税理士事務所はただ帳簿を入力して終わりというわけではないのです。

その帳簿について全体を通して矛盾点や疑問点がないかどうかを何度も検討します。

帳簿内容の検討の際には、会計帳簿の内容を検索したります。

さらに、消費税の申告のもとは会計処理の仕訳1本1本に消費税情報をつけて帳簿を作ります。

この消費税情報も再検討したり、検索を繰り返すことになります。

そんな確定申告や法人税申告の基礎を固める際に使いやすいのは、パッケージソフトの方が効率的に行うことができます。

②クラウド会計が自動経理が完璧にできるわけではないため

クラウド会計といっても、すべてを自動化できる段階ではありません。

領収書をスキャンで吸い取ったり、預金通帳情報を吸い上げても経理内容の再検討などが必要になります。

税理士事務所がお客様の代わりに経理をしている場合には、既存のパッケージソフトですでにお客様の経理処理が効率的にできるように作りこんでいます。

クラウド会計を導入するために、再度設定したり、クラウド会計を育てる処理を行うためには非常に労力とコストをかける必要があります。

③クラウド会計の方が処理速度が遅いため

クラウド会計はインターネット環境がなければ使うことができません。

クラウド会計はwebブラウザ型の会計ソフトです。

インターネットがなければ、クラウド会計につなぐことができないのです。

インターネットの通信速度が遅かったりパソコンの性能が低い場合には、パッケージソフトよりもクラウド会計の方が画面の切り替えや入力処理が遅くなります。

今時点ではパッケージソフトの方が検索性・入力速度・画面切り替えも早いのです。

クラウド会計はどのように導入していけばよいのか?

クラウド会計のメリットは、帳簿の入力時間が短縮される点です。

クラウド会計は学習機能を備えているため、使い込んで学習させることで自動仕訳の精度が向上していきます。

自動経理でも正確な経理になってきます。

クラウド会計の一番のポイントはしっかりとした経理を学習させ続けることです。

ミスがおきにくいということで間違いがないと思い込んでいるとミスに気付かなくなってしまいます。

日々の経理を自動化で楽にしながら、税理士事務所にしっかりとチェックしてもらうことが重要です。

まとめ

今話題のクラウド会計は個人事業レベルで導入が進んでいます。

今後は数年後に法人にもある程度クラウド会計が導入されていく可能性があります。

クラウド会計で経理が自動化されるということと正しい経理が自動化されるとは別な意味です。

正しい経理を学習させ続けることで経理の効率化が図れるようになってきます。

しっかりと税理士事務所にチェックしてもらいながらクラウド会計で日々の経理を効率化させましょう。

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