スポンサーリンク


Pocket

確定申告というとサラリーマンやパート・アルバイトの方には無縁なものと感じているかもしれません。どうしても個人事業主やフリーランスなどの人がしなければならないものと思われがちですが、確定申告をすることで受けられるメリットがあるのです。

確定申告でできるお得なメリットは?~意外と知らないポイント~

確定申告の提出期限は原則として3月15日です。

3月15日が土・日の場合には、3月16日や3月17日に確定申告期限がずれこみます。

確定申告は1年分の税金を精算する手続きです。

前年の1月1日から12月31日までの事業所得・不動産所得・給与所得など様々な所得を合算して確定申告書を提出します。

その確定申告書の提出期限が原則として翌年3月15日ということです。

確定申告をしてその年の税額を確定するのが原則ですが、「確定申告をしなければならない人」と「確定申告ができる人」がいます。

今回お話しする確定申告でできるお得なメリットは「確定申告ができる人」ができるメリットです。

まずは「確定申告の期限が遅れるとデメリットがある人」と「確定申告の期限を過ぎてもデメリットのほとんどない人」がいるところから見ておきましょう。

確定申告の期限が遅れるとデメリットがある人とは~個人事業・不動産賃貸業編~

確定申告の期限までに確定申告書を提出できなければ「期限後申告」という扱いになります。

確定申告書を提出期限までに提出できなければ大きなデメリットがある人は次のすべての要件を満たしている人です。

①「不動産所得」または「事業所得」で事業的規模以上で行っている人

②青色申告をしている人で「複式簿記で経理」をして確定申告書に「貸借対照表」と「損益計算書」を添付していること

③確定申告書を期限後提出した人

①「不動産所得」または「事業所得」で事業的規模以上で行っている人

不動産所得には「事業的規模」と「業務的規模」という2種類の規模があります。

形式基準では「5棟10室基準」といわれるものがあります。

・「5棟=家5軒」または「10室=アパート・マンションなど10部屋」以上の規模での不動産賃貸は事業的規模

形式基準以外で広い土地の貸し付けなども事業的規模に該当するかもしれませんが、明確な基準がないため実務的には判断が非常に難しい問題が出ます。

大きなメリットがあるのは事業的規模で不動産賃貸業を営んでいる人と事業を営んでいる人です。

②青色申告をしている人で「複式簿記で経理」をして確定申告書に「貸借対照表」と「損益計算書」を添付していること

事業的規模で不動産賃貸業をおこなっている人や事業所得がある人でも、しっかりとした帳簿をつけていなければメリットが最大限受けられません。

一生懸命帳簿をつけても確定申告書に貸借対照表と損益計算書の両方を添付しなければメリットが少なくなってしまいます。

下手をするとかけた労力が報われないデメリットがあるといえます。

③確定申告書を期限後提出した人

個人事業主や不動産賃貸業を営んでいる個人にとって身近で最大のメリットは「青色申告特別控除の65万円」です。

この青色申告特別控除65万円は「確定申告書を申告期限までに提出していること」です。

確定申告期限を過ぎてから確定申告書を提出した場合には「青色申告特別控除額は10万円」に縮小されます。

ポイント:青色申告で事業所得や規模の大きな不動産賃貸業をおこなっている人は確定申告期限をしっかり守りましょう!

確定申告でできるお得メリット

確定申告をすることで作ることができるメリットはどのようなものがあるのでしょう?

サラリーマンやパートタイマーの方は通常は年末調整という手続きで税務関係が完結します。

そもそも年末調整で課税関係が完了するのに、わざわざ確定申告をしてまでメリットが出てくるものはどんなものがあるかを見ておきましょう。

・医療費控除

・年末調整で変更し忘れた控除を修正

・マイホームを購入した際の住宅ローン控除

・マイホームを買換えた場合に譲渡損が生じたときの繰越控除を受ける

・上場株式等の譲渡損失の3年間繰越控除

・ふるさと納税の所得控除

個人事業主や不動産賃貸業などのかたは確定申告を毎年していると思います。

簡単にいうと税金計算をして税額が出る場合には確定申告をしなければならないということになります。

逆に税金が出ない場合や税金を返してもらえる可能性があるときは、「確定申告義務」はないのです。

単純に「税金を返してもらいたかったら確定申告してもいいよ」という「できる規定」になっています。

これ以外に注意しておきたいのが、「確定申告をしないと受けられない規定」というものがあります。

なかにはもっと厳しい「確定申告期限内に確定申告をしないと受けられないもの」まであります。

一般的に関係のありそうなところを重点的に3つほど見ておきましょう。

確定申告でお得にできるもの1:年末調整で変更し忘れた控除を修正

サラリーマン・パート・アルバイトの人は年末調整で課税関係が完結することが多く、あえて確定申告をしなくても問題がない人が多いのです。

ところが、会社に生命保険の控除証明書や損害保険料の保険料の控除証明書を出し忘れていた場合には年末調整で控除が少なくなってしまっています。

一般的には年末調整の書類関係は11月から12月頭くらいまでに提出しなければ会社の総務で年末調整業務が遅れてしまいます。

後から出したら「嫌な顔」をされてしまったりするので出しずらいという人も多いはず。

こんな時は「こっそり確定申告を自分でする」ことで税金を取り戻すことができるのです。

これ以外にも地方で暮らしている両親への仕送りをしている場合なども、扶養親族に入れることができる場合があります。

これと逆で扶養に入っていると思っていた子供が案外収入が多くて扶養ではないとなったときも確定申告で扶養親族から外すことができます。

会社に説明するのが面倒という場合には、確定申告で扶養親族を正しく修正することもできます。

確定申告でお得にできるもの2:医療費控除を確定申告で使う

所得税や住民税の所得控除の中には確定申告をしなければ受けられないものがあります。

医療費控除は年末調整では受けられない所得控除です。

そのためサラリーマン・アルバイト・パートの方で医療費がたくさんかかっている場合には確定申告をすることで医療費控除を使うことができます。

誰の医療費まで医療費控除の対象なのか?

自分・生計一の配偶者その他の親族の医療費までが対象

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)が始まります!

・セルフメディケーションの対象期間:平成29年1月1日から平成33年12月31日

・セルフメディケーションが使える条件:その年に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の健康診査や予防接種などを行っていること

・セルフメディケーションの対象の人:自分・生計一の配偶者その他の親族

・セルフメディケーションの対象となる医療費とは:特定一般用医薬品等を購入すること

・セルフメディケーションと今までの医療費控除との関係は?:セルフメディケーションか今までの医療費控除のどちらかを選択適用すること

・セルフメディケーションの医療費控除の計算方法:(特定一般用医薬品等-12,000円)※8万8千円を限度とする

セルフメディケーション税制の注意点

・その年中に一定の健康診断や予防接種をしていなければ使えない

・今までの医療費控除との選択適用になる

確定申告でお得にできるもの3:ふるさと納税の所得控除

ふるさと納税のワンストップ特例という制度が創設されたことで、ふるさと納税の寄付先が5団体以内であれば確定委申告不要でもふるさと納税ができることになりました。

しかし、手続きを調べてみるとワンストップ特例を使う方が面倒と感じます。

さらに5,000円くらいの寄付で予算5万円であれば5か所以上の寄付先になるので確定申告をしなければ損をしてしまうことになります。

ふるさと納税をするのであれば確定申告を上手に使って楽しくふるさと納税を使い倒しましょう。

ふるさと納税は12月になってから慌てるのではなく、計画的に行った方が返礼品が豊富に選択できます。

まとめ

・確定申告は税金が出る場合には確定申告期限までにしっかりと提出しましょう。

・青色申告を行っている人は確定申告書を確定申告期限までに提出しないと青色申告特別控除が10万円になってしまうので注意しましょう。

・確定申告をすることで受けられるメリットがある場合には、年末調整をしてもらった後でも確定申告をしましょう。

・確定申告をすることで受けられるメリットの中には、期限内申告要件があるものもあるので気になったら税理士さんに相談していきましょう。

あなたにおすすめ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ピックアップ記事

  1. 役員報酬が高すぎたというときの決算対策【株主総会まで固定なの?】

    役員報酬は次の株主総会まで変えられないというのが一般的な認識です。役員報酬を決めるのは株主総会で次の…
  2. 本当はすごく難しいリースの税務の取扱

    個人事業主でも法人を経営していても、事業をしていればリース契約の話はよく聞くはずです。 よく聞…
  3. 「経費で落ちるもの」「経費で落ちないもの」の違いは?

    「経費で落ちるから大丈夫」といって何でもかんでも領収書をもらう人がいます。果たして、本当に経費で落ち…
  4. 法人を設立したら保険に入った方がよい理由とは?

    法人を設立するメリットの一つに生命保険を活用した節税があげられます。法人を設立した場合に保険に加入し…
  5. コンサルタントと税理士頼むならどっち?【税理士さんもコンサル型】

    個人事業主の方や会社設立後間もない時期にコンサルタントという人に頼むか税理士さんに頼むかを悩むことが…
ページ上部へ戻る