スポンサーリンク
税務調査のシーズンといわれていたのは7月から5月くらいまでの時期でした。最近では税務調査の時期が昔ほど偏っていません。とはいえ、税務調査の熱心な時期の7月以後に備えておきましょう。
税務調査は何年目からくるの?【税務調査の連絡が来たらどうすべきか?】
税務調査の連絡がいつくるか不安というのは個人事業主も法人経営者も同じです。
特にやましいことをしていなくても、自分の経理に不安はつきものです。
税理士さんに開業相談をする方の中にも「事業を始めたら何年くらいで税務調査が入るんですか?」と聞く方もいらっしゃいます。
事業を始める段階から経営者にとって税務調査は気になるものなのです。
はじめて税務調査を受ける場合、どのように連絡が来てどのようなやり取りがおこなわれるか不安になってしまいます。
そこで今回は一般的な税務調査の流れと、税務調査の事前準備などについてお話してみようと思います。
税務調査は何年目でくるのか【開業後すぐの税務調査は少ない】
税務調査の連絡は具体的に「〇年目」にくると決まっていません。
個人事業と法人でも税務調査に入られる確率は異なっているようです。
一般的に個人事業の場合よりも法人の方が税務調査に当たる確率は高いといわれています。
法人の場合、税務調査に当たることが多いのは開業して5年目以後のことが多いのです。
※個人的な感想で統計的なものを抽出はしておりません。
①なぜ法人は設立してから5年以内の税務調査が少ないのか【調査対象年度が少ない】
税務調査は通常調査の場合、直前申告から3年間分を対象に行います。
開業後2年で税務調査をおこなっても調査対象年度が3年に満たないことになってしまいます。
開業後5年目であれば、開業から4年分の資料を対象に税務調査を行うことができます。
一般的には3年分を対象に税務調査を行いますが、開業5年目の調査の場合創業年度も見せてほしいということになり調査対象が設立年~4年目までの4期ということもあります。
スポンサーリンク
②なぜ法人は設立してから5年以内の税務調査が少ないのか【消費税調査ができない】
法人を設立した場合、一般的には2期(2年間)消費税免税になります。
税務調査の対象税目が少なくなってしまうことも税務調査選定に絵強を与えている可能性があります。
法人課税の税務調査であれば、法人税・源泉税・印紙税・消費税の4税目の調査をしっかりとおこないたいところです。
法人を設立してから2期は消費税が申告義務に入っていなければ税務調査の対象税目が少なくなります。
所得税がかかる事業年度も税務調査の対象としておくことを考えると、法人設立後5期以後に税務調査が多くなるわけです。
③なぜ法人は設立してから5年以内の税務調査が少ないのか【泳がせる期間が必要】
悪いことをするために開業する人はそれほど多くないはずです。
一生懸命事業を頑張ろうと思って開業するわけですから、脱税がしたいなどと考え出すのは開業後数年たってからの可能性が高くなります。
事業が軌道に乗る前は、売上を除外すると売上がなくなりすぎてしまいますし、脱税をする税金自体がほとんどありません。
そのため開業してからすぐに税務調査が入るということは少ないのかもしれません。
税務調査の連絡はどのようにくるのか【どのように対処すべきか】
税務調査の連絡は次の2つのケースがあります。
①税務署からの電話で税務調査の日程依頼
②突然の訪問(現金商売の場合によくあるケース)
突然の訪問による税務調査については、現金商売の場合がほとんどなのでここでは割愛します。
1:税務署からの電話で税務調査の日程依頼
ある日突然税務署から電話がきます。
「○○税務署法人課税(個人課税)第〇部門の××と申します」という電話です。
税理士さんを頼んでいる場合には、税理士三の方に税務署から先に連絡が行くことが多いのですが、税理士さんを頼んでいない場合には直接会社側に税務調査連絡は入ります。
ここで「○月×日から3日間税務調査をさせていただきたい」ということを伝えられます。
初めて税務署から電話が来て、税務調査の連絡を受けると慌ててしまう人が多いと思います。
ここでは「どうしたらよいのでしょう?」や「一般的にはどうなんですか?」と逆にいいてもあまり意味がありません。
聞いたところで「普通はお願いした日程で税務調査を受けていただいております」という話になってしまう可能性があります。
・税務署から税務調査の電話が来たらどうすべきか【しっかりと話を聞く】
税務署から税務調査依頼の電話が来た場合、一通り話を聞いておきましょう。
その際には次の点をしっかりとメモしておきましょう。
①税務署名・部門・氏名
「○○税務署××課税課第▲部門 ※※※※」
最初に電話を出たタイミングでこの部分を話してくるのでメモを取れないことがあると思います。
その場合には、最後にもう一度「部門とお名前をいただいてもよろしいですか?」と聞きましょう。
きちんと教えてくれるので、しっかりとメモをしておきましょう。
②税務調査の希望日程はいつか
税務署側の希望の税務調査日程をしっかりとメモしておく必要があります。
税務署の担当者によっては2週間後くらいを調査希望日で出してくることもあります。
親切な調査官であれば複数の日程を出してくれるのですが、基本的に調査官の都合での日程を出してきます。
無理に税務署の調査日程に合わせる必要はないので、自分の日程と税務署の日程ですり合わせをすることが重要です。
③当日までに用意しておいて欲しい資料は何か?
税務署は税務調査の日程が固まっている場合には「事前通知」で決まった項目を伝えなければなりません。
ただ、はじめて税務調査を受ける場合どんな資料をいつまでに用意できるのかがわからないと日程も決められません。
そこで事前通知とは別に、何を調査の日までに用意していればよいのかも聞いておきましょう。
税務署から税務調査の電話がきた後から税理士さんに立ち合いを頼めるのか?
税務署から税務調査の電話が来て、税務調査を自分一人で対応するのが不安な場合には税理士さんに相談しましょう。
日ごろから顧問税理士さんがいない方は、税務調査の立ち合いからお願いできる税理士さんを探しましょう。
税理士さんが税務調査に立ち会う場合と、税理士さんなしで自分で対処するのでは結果に大きな開き出る可能性があります。
税法上判断が分かれるものや見解の相違というものがでてきます。
税理士さんは判例や税法を熟知していて、税務調査の経験もあります。
はじめて税務調査に自分で対応する場合には、税務署の調査官の主張に対して自分で対処していく必要があります。
「一般的に認められる範囲とは何か」などを自分でしっかりと理解していなければ「これは認められません」といわれたらなんでも納得してしまうことになります。
税理士さんが立ち会ってくれる場合には、税理士さん側で「税務署側が何を言いたいのか」「今問題になっているのはどういう意味があるのか」を教えてくれます。
回答の仕方一つで、税務調査の結論が大きく変わることになるので慎重に判断していきましょう。
税務調査だけを税理士さんに頼むのはやめておいた方が良い【調査後もお願いしよう】
税務調査の立ち合いだけを税理士さんに頼むことは通常難しいのでその後の関与も検討する必要があります。
税務調査の流れの中で、修正申告をする部分と指導事項に判断が分かれることがあります。
「税務調査に対応してくれた税理士さんがその後も関与して、指導事項を含めて改善してくれるのであれば指導で」と考えることもあり得ます。
税理士さんの指導もない状態になるのであれば、税務署としても不安が残る場合があります。
税務調査は調査日程の3日間だけでは終わりません。
その後数回にわたって税理士さんは税務署と電話や郵送のやり取りをします。
場合によっては、税理士さんが税務署に行って担当者と話し合いをすることになります。
さらに修正申告が必要な場合には、話し合いで固まった内容を修正申告書にまとめて税務署に提出するところまで仕事が続きます。
税務調査の立ち合い日当は数万円かかりますが、その後のことを考えると依頼した方が経営的に楽だと思います。
税理士さんを頼まずに税務調査に臨む場合
税理士さんを頼まずに税務調査に臨む場合には、次の準備をします。
①自分の本業に影響のない日程を税務署にお願いする
②税務署から伝えられた事前通知の資料をしっかりと用意する
③税務調査は調査日程3日以外にも税務署との打合せの日程を調整しておくことが必要です
修正申告が必要になった場合には、自分で修正申告書を作成して提出・納税する必要があります。
税務調査の3日間の日程は、誰か必ず立ち合いをしなければなりません。
社長が忙しければ配偶者や家族でも構いません。
ただし、赤の他人ということはできないので注意しましょう。
税務調査に部外者がいると守秘義務が担保できないということで、調査打ち切りになり、税務署側から決定をされることがあります。
税務調査に立ち会う人は事業に関係のある人が多いので、常に税務署から質問を受ける可能性があります。
まとめ
税務調査は開業してから5年以後経過するといつきてもおかしくない時期に入ります。
税務調査の連絡が来た場合、無理をして税務署側の都合の日程で引き受ける必要はありません。
自分の仕事の状況などによって無理な日程はしっかりと税務署に伝えましょう。
税務調査から税理士さんを頼むこともできますので、税務署から税務調査の連絡が来た場合には慌てないようにしましょう。
税務調査はすべて自分で対処する場合、時間がとられるので税理士さんにお願いした方が効率的です。
スポンサーリンク