自分でやる確定申告の失敗談⑧~節税できたのにしていなかったお金の使い方~

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確定申告前にはしっかりと節税対策をしておきたいところです。しかし、会計や税金の知識に不安があったせいで節税できたものができなかった残念な話があるのでご紹介させていただきます。

自分でやる確定申告の失敗談⑧~節税できたのにしていなかったお金の使い方~

確定申告は2月16日~3月15日までの期間で税務署に確定申告書を提出することで完結します。

そのため年明けの1月から3月くらいまでに集中して経理をまとめて行う人がたくさんいらっしいます。

ところが税金の計算は1月1日から12月31日までの期間の売上・経費を集計して税金計算の元が決まってしまうのです。

つまり、節税をするためには12月31日までに経費を作らなければ利益が残ってしまうということです。

確定申告対策でしっかりと帳簿をつけていない場合には、利益の状況がわからないのでいくら経費を使えばよいかわからないという人もいます。

確定申告書を作りながら節税をしようと思っても実質的には無理な理由は確定申告書を作る時期と計算の基礎の時期がずれているからです。

確定申告書を作る段階でできる節税は非常に限られたものになります。

知識がある人であれば簡単にできる部分の節税くらいしかありません。

計画的に税金をコントロールする節税は確定申告書の作成時では手遅れということになってしまいます。

確定申告書の作成段階でできる節税対策としてできるものは、経理方法によって認められた経費の作り方を実践するだけです。

青色申告の場合であれば確定申告書を作る段階になっても節税の方法はいくつかあります。

しかし、白色申告をしている人の場合には確定申告書作成段階でできる節税はほぼありません。

さらに税金対策に必要な会計の知識と税金のワンポイントを知らなかっただけでものすごい損をしてしまった方がいるのです。

ショックを受ける30代男性のイメージ

お金を払わなければ経費にならない!?~経費と支払いの関係~

経費はお金がかかるものです。

お金を使わないで経費を作ることは原則として不可能です。

経費には大きく分けると3種類あります。

※貸倒引当金という経費もありますが、節税メリットは小さいので省略します。

①商品や製品の仕入の経費

②事業の継続に必要な経費(お給料・家賃など)

③減価償却費

①商品や製品の仕入の経費

これは一般的に仕入れといわれるものです。

売りための商品や製品を調達するためのコストです。

売上と直接関係のあるもので、売上と対応関係がある経費というわけです。

当然お金を払わなければ仕入れることができないのでお金のかかる経費です。

②事業の継続に必要な経費(お給料・家賃など)

事業の継続に必要な経費とは、売上とは直接ヒモがつかない経費です。

売上と直接対応関係がない経費でも、家賃やお給料・自動車の維持費など様々な経費がかかります。

この経費もお金が出ていく経費です。

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③減価償却費

高額な固定資産を購入した場合、減価償却という手続きによって少しずつ経費化していきます。

一般的には10万円以上の固定資産を減価償却資産といいます。

購入時に全額を経費で落とすわけではなく、法律で決まった耐用年数という年数で経費化していきます。

この経費化する手続きを減価償却といいます。

減価償却費という経費は購入したものを少しずつ経費化するのでお金が出ていかない経費です。

しかし、実際にはモノを購入しなければできないものなので支払いのタイミングがずれているだけです。

お金を出さなければ経費は作れないということです。

もっというとお金を出した形跡がないのに経費があるということになると、これは架空の経費の可能性があると調べていきます。

そのためお金の出ていない経費をみると「脱税をしているのでは?」と疑われてしまうわけです。

確定申告や法人決算時期によくある失敗は、お金を払わなければ経費にならないという理屈を間違ってしまうケースです。

個人事業の確定申告の場合には12月くらいになってから税金の心配をし始めます。

法人の場合であれば決算月になってから利益と税金が心配になります。

その際に経費の原則を思い出します。

「お金を払わないと経費にならない」と

実はお金をその時に払わなくても経費になるのです。

お金の出入り=収入と経費が一致しているわけではありません。

税金の計算上重要になる利益はお金の動きと一致するわけではありません。

利益=収入ー経費 です。

利益と入金・経費と支払の違いについてみていきましょう。

収入=商品やサービスを提供したとき

入金=支払い条件で変わる

経費=仕入や家賃などの経費が発生したとき

支払=支払い条件で変わる

入金と支払いは支払い条件で変わってくることがわかります。

ここを基準にしていたのでは、公平な税金計算ができません。

そこで税金の計算は収入と経費という、個々人の条件によって左右されないものをもとに計算することになっています。

お金を払わないと経費にならないと思って必要なものを買っていなかった!

支払いと経費のタイミングがずれていることがわかると「なんだそんなことか」と思ってしまうかもしれません。

しかし、この支払いと経費のタイミングがずれていることがわからくて「今お金がないからやめよう」と思って利益が出てしまう人がいます。

一番最悪なパターンは、次のパターンです。

11月・12月の売上が多いけども、入金は翌月末日

売上が11月12月で多くて利益は出ます。

しかし、手元にお金が入るのが12月31日となると節税対策がしたくても手元にお金がないのです。

そのため、「手元にお金がないから節税対策ができない」と思ってしまうのです。

実際には経費と支払いのタイミングは関係ないのです。

入金が間違いないのであれば、こちらの経費の支払い時期をずらすことでしっかりと税金対策ができるのです。

実際には次のような方法になります。

①クレジットカードを利用して必要なものを購入しておく

②翌月にして必要なものを購入しておく

ただし、固定資産になってしまうと一発で経費にできないので節税効果は低下しますので気を付けましょう。

まとめ

収入と入金・経費と支払いは一致しないことがあります。

入金がなくても収入になったり、支払う前でも経費になるものもあります。

支払い条件を工夫することで税金の負担を軽減することが可能です。

必要のないものを購入してしまうと、税金も減りますがお金も無くなるので注意しましょう。

確定申告対策や法人税決算対策は早期に税理士さんに相談しながら進めると安心です。

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