平成31年確定申告と年末調整の注意点【配偶者控除の変更点】

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配偶者控除が変わるという話が急に出てから1年です。平成30年の年末調整と平成31年3月の確定申告から配偶者控除の変更が大きく影響してくるのです。今回は配偶者控除を中心に見ていきましょう。

平成31年確定申告と年末調整の注意点【配偶者控除の変更点】

「配偶者控除が拡大されるらしい」これがニュースを中心に受けた印象です。

ところが実際には単純に配偶者控除が拡大されたわけではありません。

特に会社の経営者サイドにとっては思いもよらない増税につながっている改正なのです。

今までは年収103万円の壁や年収130万円の壁ということがいわれていました。

今回の配偶者控除の改正で130万円の壁ともう一つ別の壁ができてしまった感じがします。

この配偶者控除・配偶者特別控除の改正の一番早い影響は平成30年の年末調整ですが、確定申告は平成30年度(平成31年3月15日提出期限)からでてきます。

今回は配偶者控除をみていきましょう。

(目次)

1.配偶者控除とは

2.配偶者控除の判定に含まれない所得とは

3.配偶者特別控除とは

4.まとめ

1.配偶者控除とは

配偶者控除という控除をご存じでしょうか?

独身の方にとっては関係のない控除ですが、結婚をしていると可能性のある控除です。

その昔でいうと専業主婦の奥様がいると税金が安くなるという話の根源がこの配偶者控除だったわけです。

昔は配偶者控除と配偶者特別控除の両方が適用されたので、専業主婦の奥様がいると所得控除が「配偶者控除38万円+配偶者特別控除38万円」で76万円も所得控除がありました。

現在では社会的に共働きと生涯現役という流れもあり、税制面でも共働きを進める方向の税制改正がおこっています。

(控除対象配偶者とは)

配偶者控除の対象となる配偶者のことを控除対象配偶者といいます。

これだけ聞いてもよくわからないですよね。

平たくいうと、結婚して籍が入っている相手に年収要件などをつけたものです。

より細かく見ていきましょう。

①民法の規定による配偶者

②合計所得金額が38万円以下であること

③青色事業専従者で給与等の支払を受けていないこと

④白色申告者の事業専従者に該当しないこと

①と②についてはわかりやすいと思います。

内縁ではなく籍がはいっている結婚状態の配偶者で、給与収入だけであれば年収103万円以下の人のことをいいます。

③と④は結婚した相手が個人事業主の場合に関係してくる規定です。

青色申告をしている人で、青色事業専従者給与提出をして配偶者に給与の支払をしていた場合にはその配偶者については配偶者控除が使えないということをいっています。

給料を払って経費にしているので控除まで認めないという意味合いです。

④は白色事業者は家族に給料を払っても経費になりません。

その代わり一定の算式で計算した金額を上限に経費として落とすことを認めています。

これも配偶者に対して事業主側で専従者控除という概算経費を認めているから所得控除まで使わせないということで却下しています。

この後の項目で「合計所得金額」という言葉がよく出てくるので大まかな用語の意味を書いておきます。

合計所得金額とは様々な損失の繰越控除があるのですが、その繰越損失を控除する前の所得の合計額をいいます。

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より細かく書くと、次のようになります。

合計所得とは純損失、雑損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失、上場株式等に係る譲渡損失、特定投資家部式に係る譲渡損失及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除を適用する前の総所得金額、特別控除前の分離課税の長期譲渡所得の金額、特別控除前野短期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等の配当所得等(上場株式等に係る譲渡損失との損益通算後の金額)、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額、退職所得金額の合計額をいいます。

(平成30年からの配偶者控除は人によって金額が異なるので注意)

平成30年からは一律38万円という控除ではなくなりました。

配偶者の所得要件だけでなく、自分の年収が高い場合には配偶者控除が0円になる可能性まであるのです。

①本人の合計所得金額1,000万円超の場合

給与収入だけの場合で、1,220万円を超えるケースは合計所得金額が1,000万円を超えることになります。

配偶者控除は0円で適用なしになります。

②本人の合計所得金額950万円超1,000万円以下の場合

・一般の控除対象配偶者の場合:13万円

・70歳以上の控除対象配偶者の場合:16万円

③本人の合計所得金額900万円超950万円以下の場合

・一般の控除対象配偶者の場合:26万円

・70歳以上の控除対象配偶者の場合:32万円

④本人の合計所得金額900万円以下の場合

・一般の控除対象配偶者の場合:38万円

・70歳以上の控除対象配偶者の場合:48万円

2.配偶者控除の判定に含まれない所得とは

配偶者の合計所得金額が配偶者控除を受ける場合で重要な要素になることはわかりました。

収入なのにこの合計所得金額に含まれないものなどもあるので注意してみていきましょう。

・非課税所得に該当するもの(宝くじの当選金など)

・特定公社債等の利子

・上場株式配当で確定申告不要制度を選択したもの

・少額配当で確定申告不要制度を選択したもの

・源泉分離課税の利子など

3.配偶者特別控除とは

配偶者の収入制限で配偶者控除が受けられない場合に受けられる可能性があるものです。

ここで重要なことは、配偶者の年収制限で受けられない場合という点です。

本人の合計所得金額が1,000万円を超える理由で配偶者控除を受けられない人は配偶者特別控除も受けられないので注意しましょう。

配偶者が青色事業専従者で給与等の支払を受けるケースや白色申告者の事業専従者に該当する場合もダメです。

それ以外の場合には、配偶者の合計所得金額と本人の合計所得金額によって受けられる所得控除額が変わるややこしい制度です。

適用がある場合には最低1万円~38万円までの幅があります。

配偶者特別控除の「配偶者の給与のみ」の場合の上限収入は約2,014,285円です。

一般的に社会保険の方の扶養の範囲内で働いている配偶者が多いと思います。

そのため実際のところは、下図の黄色のラインに該当する配偶者特別控除が多くなるのではないでしょうか。

配偶者の合計所得金額 本人の合計所得金額900万円以下 本人の合計所得金額900万円超950万円以下 本人の合計所得金額950万円超1,000万円以下
38万円超85万円以下 38万円 26万円 13万円
85万円超90万円以下 36万円 24万円 12万円
90万円超95万円以下 31万円 21万円 11万円
95万円超100万円以下 26万円 18万円 9万円
100万円超105万円以下 21万円 14万円 7万円
105万円超110万円以下 16万円 11万円 6万円
110万円超115万円以下 11万円 8万円 4万円
115万円超120万円以下 6万円 4万円 2万円
120万円超123万円以下 3万円 2万円 1万円

4.まとめ

配偶者控除の改正で収入の多い方にとっては大きな増税となっています。

配偶者控除・配偶者特別控除の計算上、配偶者の年収によって細かく控除を受けられる金額が異なっているため年末調整や確定申告での誤りが多く出る可能性があります。

特に年末調整の時点では配偶者の方も給与計算をしているわけですから意図せずに誤りが起きてしまいます。

そんな場合には会社に正しい金額がわかってから配偶者の源泉徴収票を提出する方法と自分で確定申告で修正をしてしまう方法があります。

平成30年は最初の年になるので混乱が多い年になると思います。

個人事業主の方で収入の多い方は税理士さんに相談して節税について考えることが重要になってきたと感じます。

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