節税で絶対にやってはいけない事は?【決算後の資金繰りを考える!】
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会社の節税では、経費を使うことが多いと思います。税理士さんに聞いても「モノを購入しましょう」という話になることも多いはず。しかし、節税対策で失敗してしまうこともあるので注意しましょう。
節税で絶対にやってはいけない事は?【決算後の資金繰りを考える!】
税金計算の仕組みから利益を減らさなければ、節税が難しいということをお話してきました。
「節税してお金が無くなる?【決算期ギリギリだと予想外の事態も!】」では、決算期ギリギリに節税を実行することのデメリットをお話ししました。
「節税目的で物を買って失敗?【利益の種類を理解した対策を!】」では、ただ物を買う節税の注意点をお話ししました。
今回は、資金繰りの部分や、絶対にやってはいけないことをお話ししようと思います。
特に、経営者になって数年の場合、節税だけにとらわれて、今だけを考えてしまう可能性が高くなります。
税金の心配をするのが経営者なので、仕方がないことです。
しかし、陥りやすい失敗を先に知っておくことで注意しながら経営していくことができます。
☑ 決算後の資金繰りを忘れて失敗
経理の方がいて、毎月税理士事務所が監査に来る会社であれば、毎月の利益を把握しています。
ところが、税理士事務所に依頼していないケースや経営者が経理をしている会社は注意が必要です。
会社の業績がよくなって、経営者が忙しいと帳簿は止まっていることが多くなります。
領収書整理も、帳簿もつけていないことになります。
どれくらい利益が出ているかわからないまま、決算月に近づいています。
なんとなく、利益が出ていそうだとなると慌てて節税をしたくなります。
決算月が近くなってから、慌てて利益を潰すとなると多額の出費をします。
「利益が100万円くらいでそうなので、100万円分の経費を使おう」
「利益が400万円くらい出そうなので、300万円分の経費を使おう」
と考えていきます。
決算月に、利益の分だけ経費を使うと、利益の分だけ現預金がなくなります。
法人税が最低ラインまで抑えられても会社の資金がなくなってしまいます。
決算後に納税が来ることを忘れて、たくさん経費を使ってしまうことが多いのです。
特に毎月帳簿をつけていなければリスクが数倍に!
決算月に帳簿が追い付いていない場合、「なんとなく利益が出ていそう」という感覚で勝負することになります。
「預金が増えていれば利益がある」
「預金が増えていなければ赤字」
と感覚で予測してしまいます。
利益が出ていると思ってしまうと、感覚がくるってしまいます。
「多めに経費を使ったほうが良い」と考える方が多くなります。
経費で落ちないものに多額の出費をしやすい環境が出来上がります。
実際の損益を無視した形で、利益処分をしてしまいます。
利益が出ると思って、たくさんの買い物をしてしまうことで納税資金が無くなってしまいます。
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決算時期を忘れて決算後に多額の出費!
「そんな馬鹿なことあるわけない」と思われたかもしれません。
しかし、定期的に帳簿をつけていなければ自社の決算期を忘れてしまうことがあります。
会計ソフトを使って、定期的に帳簿をつけていると会計期間○月○日~×月×日と表示されているので決算期に気が付きます。
帳簿を定期的につけないことで、自社の決算期に関係するものを目にする機会がなくなります。
申告書が送られてきてから、決算月が終わったことを知ることがあります。
これでは、節税にしろ、赤字決算対策をするにしても手遅れになってしまいます。
赤字決算になってしまっては、銀行融資で不利になりますし、予測外の黒字であれば納税資金の手当が必要になります。
申告書が送られてくるのは、決算月を過ぎてからになってしまうため、決算対策のつもりで多額の出費を決算後にしてしまうこともあります。
納税は決算月の2か月後なのに、その直前に多額の出費をしてしまうことがあります。
☑ 絶対にやってはいけない!架空経費や売り上げの除外
利益が出て税金を払うくらいならと経費を多く使う経営者だけではなく、タブーを犯そうとする経営者もいます。
新聞などでたまに出る、架空経費の計上や売上の除外です。
これは、絶対にやってはいけません。
節税と脱税の違いです。
節税は、税法上認められている方法で利益や税金をコントロールすることです。
脱税は、税法上認められていない方法で事実をゆがめることです。
脱税になることの具体例は
× 働いていない人に給料を支払ったことにする
× 外注に出していないのに外注があったことにする
× 売上をなかったことにする
などです。
これは誰がみても、アウトです。
脱税をしていくと、会社の決算書も事実を表さないことになります。
経営判断の資料にならないものが出来上がっています。
税務調査でも、この部分がないかどうか慎重に調査していきます。
これらのことが発覚すると、重加算税というペナルティーがかかってきます。
さらに、税務調査の頻度があがります。
将来の経営リスクが跳ね上がった上に、重加算税などの多額の出費につながって会社の資金繰りは大変なことになります。
経営は、計画的にお金を回すことが重要です。
税務調査で重加算税がかかるので融資を依頼しても、銀行も良い顔をしないのです。
経営資源が流出することで、会社は数年間体力低下の時期を作ってしまいます。
まとめ
会社の資金繰りをコントロールする節税をすることが重要です。
リスクを減らしながら会社を成長させるために、やってはいけないことがあります。
ポイントは
自社の決算期を常に頭に入れておく
帳簿は定期的につけて、利益予測をしておく
法人税・消費税の納税は決算終了後2月でやってくる
これらを理解して、「お金の残らない節税」にならないようにしましょう。
税理士事務所に相談して、会社の決算対策を早期に初めて行きましょう。
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