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白色申告と青色申告という二つの言葉をご存知でしょうか?青色申告はメリットがある聞くことがありますが、白色申告と青色申告で経費の範囲は異なるのか気になるところです。
白色申告の経費の範囲は青色申告と違うの?~ほとんど一緒だが要注意~
個人事業をしている人なら青色申告という言葉を聞いたことがあるはず。
青色申告について調べていくと、次のようなことがわかります。
①様々な税制上の優遇規定(メリット)が与えられていること
②青色申告特別控除を最大限受けるためには正しい帳簿をつけなければならないこと
③事前申請が必要なこと
今年から事業を開始した人にとって青色申告についての情報が届いていなければ、必然的に白色申告をしなければならないことになります。
開業した年は「開業日から2月以内」に青色申告承認申請書を税務署に出していなければ白色申告になってしまうからです。
開業日から2月よりも遅れて提出した場合には、青色申告の期限に間に合っていないので開業年の翌年3月15日までに出す確定申告書は白色申告ということになります。
そこで個人事業主にとって気になってくるのは「どこまで経費で落とせるのか?」という点です。
青色申告には様々な優遇規定があるわけですから、「白色申告と青色申告で経費に違いがあるのでは?」か気になってくるところです。
結論からいうと、青色申告と白色申告で経費で落とせる範囲に大きな違いはありません。
しかし白色申告の個人事業主の先輩経営者に「白色申告の経費の範囲を知っているか」聞いてみたいけども、なかなか聞けないものです。
なぜなら税理士さんを頼まないで自分なりで確定申告をしている経営者の中には税務調査を想定していない方が多いのです。
「自分なりの基準で適当に経理をしている」という方もいるのです。
経費で落とせる範囲を聞こうと思ったら、税金をごまかすためのことを教えられたのでは本末転倒です。
しっかりとした規定などを理解して経費で落とす範囲を決めておかなければ税務調査で大きなトラブルを抱えてしまいます。
せっかく軌道に乗ってきた事業も税務調査の後の追徴税を払うために縮小しなければならないということにならないように事前にしっかりと調べておきましょう。
家事関連費というものがクセもの
個人事業を行っていると「どこまで経費で落とせるのか」という疑問に当たってきます。
なぜ「どこまで経費で落とせるのか」で悩むのかを考えてみましょう。
それは「個人事業主=人間」なので、生活をしていく必要があります。
事業を継続していくためには、会社も自分の生活も維持していく必要があるわけです。
特に最初は自宅を事務所として使っていたりすることも多いので、自分の生活と事業が重なる部分がたくさん出てしまうからです。
プライベートな生活部分と事業の部分をどのように分けていけばよいかで迷うため、「どこまで経費で落とせるのか問題」が発生してしまいます。
このように事業に関するものとプライベート(家事)に関するもののが重なってしまうものを「家事関連費」といいます。
この家事関連費の取り扱いで青色申告と白色申告では違いがあるので注意しましょう。
(家事関連費等の必要経費不算入 所得税法第45条)
居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入しない。
1.家事上の経費及びこれに関連する経費で政令に定めるもの
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青色申告と白色申告では家事関連費の範囲が異なる~白色申告は経費で落とせる範囲が狭い~
青色申告と白色申告では家事関連費の範囲が異なっているので注意しましょう。
結論からいうと白色申告のほうが要件が厳しい作りになっています。
(家事関連費 所得税法施行令第96条)
所得税法45条第1項第1号に規定する政令で定める経費は、次に掲げる経費以外の経費とする。
※経費不算入になる経費は次の経費以外の部分ということになります。
1.家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費
二 前号に掲げるもののほか、青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者に係る家事上の経費に関連する経費のうち、取引の記録等に基づいて、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であつたことが明らかにされる部分の金額に相当する経費
上記の規定を読む限り次のようになっているのです。
①青色申告の場合には、家事関連費は取引の記録等に基づいて業務遂行上必要な部分を明確にできればOK
②白色申告の場合には、主たる部分が業務遂行上必要で、さらに、業務遂行上必要部分を明確にできた部分に限る
青色の場合には一部でも業務遂行上必要であれば、その部分だけを経費で落とすことができます。
しかし、白色申告の場合には主たる部分が業務上必要で、さらに使っている部分だけが経費という作りなのです。
大雑把にいうと白色申告の場合には50%以上を事業で使っていなければ経費にならないと指摘されても仕方がないという形になっています。
白色申告では少額減価償却は10万円未満まで
「30万円未満のものは経費で落とせる」という話を聞いたことがある人も多いと思います。
これは青色申告の場合の特例なので注意しましょう。
年末に利益が出そうだからパソコンを買おうとおもっても、一発経費で落とせないということが起きてしまいます。
白色申告の場合には、少額減価償却で一発経費になるのは10万円未満となります。
青色・白色に関係なく経費で落とせる一般的な項目の例
①喫茶店や飲食店での打合せの費用:会議費
②得意先を接待したことでのゴルフや飲食費用:交際費(接待交際費)
③仕事で必要な書籍や資料の購入費用:図書新聞費
④仕事の出張の交通費やホテル代:旅費交通費
⑤親族以外の他人に支払ったお給料:給料手当
得意先を訪れた際の手土産などについては、税務調査官によっては経費ではないという方もいます。
直接契約と結びついていなければ「事業に直接必要ではない」という主張をしてくることもあります。
日ごろから税理士さんと相談しながら経理をして税務調査で慌てない等にしておきましょう。
まとめ
青色申告と白色申告の経費で落とせる範囲は大きく変わりません。
事業で使っている領収書やレシートをしっかりと保存しておきましょう。
ただし、家事関連費については青色申告と白色申告では範囲が異なるので注意が必要です。
青色申告のほうが白色申告よりも経費で落とせる範囲も広くなりますので、青色申告で優遇を受けていくことをお勧めします。
日ごろから税理士さんと相談しながら経理をしていくことが大切です。
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