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赤字と黒字は会社単位だけではないのです。自社の商品のなかにも黒字商品と赤字商品があるのです。
本当は赤字か黒字か?!~赤字商品か黒字商品か?コスト配賦が重要なワケ~
会社は様々な事業をおこなっています。
家族経営の会社でも、取り扱っている商品や製品は複数あります。
これらの事業部と経費の関係を理解していなければ、事業部が赤字か黒字かわからなくなります。
採算が取れている商品だと思っていたものが、赤字だったりします。
逆に、赤字で撤退した製品が黒字の可能性もあります。
しっかりと、経費の配賦をしていかなれば経営判断を誤ることにつながります。
製品の原価は何からできている?
昔は、会社は製品を作るときに採算が取れているか取れていないかを判断していかなければなりません。
しっかりと成長している会社の経営者は製品のコストを把握して、しっかり管理しているのです。
例えば、
製造業を例に考えてみましょう。
組み立てて製品を完成させる会社の場合、複数の部品を仕入れます。
最終的には、製品を完成させてお客様に納品します。
機械であれば、取り付け設置までおこなって仕事は完了になります。
コストは、部品代だけにように見えますが違います。
複数の製品を作っている場合、部品をストックするために倉庫が必要になります。
そして、倉庫を管理する人件費もかかります。
これらは、製品を作るために必要な経費ですが、どの製品にいくらかかっているか明確ではない経費になってきます。
製品の原価は、直接的にかかる経費だけではないという点に注意しま配賦とはなにか?
配賦とは事業に関する経費を割振りすることをいいます。
なぜ「費用を配賦」することが必要かというと、複数の事業に共通の経費というものが存在するからです。
これを間接費といいます。
先ほどの例でいうと、部品をストックする倉庫などを間接費といいます。
直接売上を上げる業務ではありませんが、会社がスムーズに経営していくためには必須の事業です。
共通経費は、会社の売上から費用を捻出していかなければいけません。
一定のルールをつくって、ほかの事業の経費に割振り(配賦)をすることで収益を上げる部門が本当に黒字か赤字かを見ていく必要があるのです。
直接費と間接費
費用を製品や商品と直接的に結び付けられるものを直接費といいます。
製品や商品と直接的に結び付かないものを間接費といいます。
製品を作るための材料や機械などは直接費になります。
経理・人事など会社の維持に必要でも、製品と直接ひもが付かない経費を間接費といいます
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間接費の配賦のルール作りがポイントになる
昔は製品などは、製造時間などの基準で間接費を製品ごとに割振りをしていました。
これでは、正確な間接費配分ができないことになります。
仮に、製造の時間以上に、製品の検査や梱包・出荷に時間がかかる商品であれば製造時間ですべてを配賦することが正しいとは言えません。
そこで、原価配賦の基準を活動に注目して、活動ごとに時間をカウントします。
製造業を例にすると、
会社が製品を製造するために、製品設計をおこない、必要部品を発注し、納品を受けます。
納品された部品を検査し受け入れを行います。
次いで、自社での製品を作業工程にのせ、作業工程を管理しなければなりません。
製品が出来上がったら、自社製品の製品検査を行います。
倉庫に製品を搬入します。
製品の受注業務を経て、先方への納品を行い、請求業務を行います。
その後の保守業務も必要になります。
このように、企業の活動に注目して、活動を区分することにより作業プロセスの見直しをすることが可能になります。
この工程ごとにかかった時間により間接費を配賦していきます。これをABC分析といいます。
一括して、分配するとこのように工程ごとの見直しができないだけではなく、基準が歪んで配賦されてしまいます。
その製品や商品を売ることで利益が出ていないにもかかわらず、利益が出るように見えてしまうのです。
例えば、
A製品(製造時間100時間)とB製品(製造時間50時間)
間接費が15万円だとします。
従来の原価配賦では、A製品に10万円・B製品の5万円の間接費を配賦します。
ところが、このB製品はクレームが多い製品で本来はクレーム処理が200時間かかるとします。
製造時間だけに注目して原価配賦をしているとB製品のほうが利益が出ましたが、活動に注目すると話は変わります。
B製品の間接費のほうが実際にはかかっているのです。
会社の活動を把握して、それを間接費に割り振ることで見落としているプロセスが見つかる可能性が出てきます。
コストの配賦を間違うことで、製品や商品の本来の利益を見失ってしまうので注意しましょう。
製造業だけではなく、サービス業にも応用可能
さきほどの間接費の配賦は、製造業だけではなくサービス業にも応用できます。
自社のサービスプロセスを区分することで製造業のようにサービスの原価を見直すことができます。
飲食業・理美容業など様々なサービス業でも、サービス提供のプロセスは分かれます。
例えば、飲食業の場合
在庫が多い業種の場合には、在庫の管理なども共通の間接費になります。
冷蔵庫や冷凍庫に行って搬入商品を探す手間がかかったり、不良在庫の見落としでロスをだしていたりすることがあります。
これだけでも、搬入にかかる人件費がかさんでしまいます。
どうしても、製品や商品の原価と考えたときに在庫管理の人件費を見落としている可能性があります。
適正に商品を発注することで、在庫管理プロセスの間接費が抑えられることになります。
プロセスを分けて考えることで、プロセスごとの問題点・改善点を考えて利益を改善していきましょう。
まとめ
経営者は、自社の商品やサービスが増えるほど商品ごとの利益がみえなくなります。
会社が大きく成長すればするほど、社長自身が現場から離れていきます。
商品の発注業務や製造業務・在庫管理業務・請求業務など細分化されていきます。
会社の経費がどの部分でいくらかかっているかがわかりにくくなってしまうのです。
毎月の試算表で月ごとの利益の増減はわかりますが、赤字の商品やサービスが放置されていても気づきにくいのです。
担当者が自分から赤字を作っていますと言ってくるわけがありません。
会社として、原価を把握できる仕組みを作っておくことで赤字・黒字を判断できる環境を作っておくことが大切です。
会計的な知識も必要になりますので、経営についても相談できる税理士さんに相談してみてはいかがでしょうか?
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