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消費税の計算方法には「本則課税」と「簡易課税」の2種類あることをご存知でしょうか?経営者同士で「うちは簡易課税だから」ということを耳にしてもなかなか内容まで聞けないですね。簡易課税制度とはどのような仕組みなのかをこっそり勉強しましょう。

今更聞けない「消費税の簡易課税制度とは」どんな仕組み?

簡易課税制度という消費税の計算方法をご存知でしょうか?

消費税の計算方法には「本則課税」と「簡易課税」の2種類の計算方法があります。

この本則課税と簡易課税の仕組みの違いで納税額が変わってきます。

つまり、消費税の納税額が次のようになる場合があります。

①本則課税で計算した消費税>簡易課税で計算した消費税

②本則課税で計算した消費税<簡易課税で計算した消費税

結果として本則課税の方が有利だった場合や結果的に簡易課税のほうが有利になる場合が出てきます。

そのため経営者や税理士事務所は消費税の本則課税と簡易課税のどちらが有利かを検討しているのです。

まず最初に本則課税という消費税の計算方法を理解しておきましょう。

本則課税による消費税の計算方法

本則課税による消費税の計算方法は、「預かった消費税-前払いした消費税=納付すべき消費税」で計算します。

①消費税の本則課税の預かった消費税とは次に含まれる消費税等の金額

・一般的に自社の商品やサービスの売上など

・建物や自動車など固定資産や無形固定資産の譲渡代金

②消費税の本則課税の支払った消費税とは次に含まれる消費税等の金額

・商品仕入れ代金や外注費など

・建物や自動車などの購入代金

消費税の対象・対象外・非課税など細かい区分があります。

厳密には国内取引など複雑な判定が必要になることがあるので具体的には税理士さんに相談していきましょう。

簡易課税制度による消費税の計算方法

簡易課税による消費税の計算方法は、「預かった消費税-売上に対する消費税×みなし仕入れ率=納付すべき消費税」で計算します。

①消費税の簡易課税の預かった消費税とは

簡易課税の預かった消費税と本則課税の預かった消費税は同じものになります。

売上は本則課税も簡易課税も同じです。

そのため、売上に関して預かった消費税は本則課税も簡易課税も同じになります。

②消費税の簡易課税の支払った消費税とは次の計算で求めます。

売上の種類を6種類に区分して、その売上の種類に応じた「みなし仕入れ率」をかけて預かった消費税から引く消費税を計算します。

売上の6種類とは

・第一種事業:卸売業(みなし仕入れ率90%)

卸売業とは他の者から購入した商品を性質・形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業をいいます。

・第二種事業:小売業(みなし仕入れ率80%)

他の者から購入した商品を性質・形状を変更しないで事業者以外に販売する事業をいいます。

・第三種事業:製造業等(みなし仕入れ率70%)

農林水産業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・熱供給業・水道業

(第一種・第二種事業に該当するもの、加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を除く)

・第四種事業:その他の事業(みなし仕入れ率60%)

第一種・第二種・第三種・第五種・第六種以外の事業

例)飲食店業・鳶業・材料支給を受ける建設業

第三種から除かれる加工賃その他これに類する料金を対価とする役務の提供を行う事業は第四種事業です。

・第五種事業:サービス業(みなし仕入れ率50%)

運輸通信業、金融・保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く)

第一種事業から第三種事業に該当する事業を除きます。

・第六種事業:不動産業(みなし仕入れ率40%)

不動産業

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本則課税と簡易課税による消費税の違いを見てみよう

~本則課税と簡易課税では消費税の納税額が異なる~

建設資材の卸売りも建設業も行っている会社の場合を例に本則課税と簡易課税の計算結果の違いを見てみましょう。

(消費税の預かり分)

①建設資材の販売(卸売り) 216万円(消費税16万円)

②建設工事の売上 3,240万円(240万円)

③旧重機の下取り金額 108万円(8万円)

(消費税の前払の内容)

①建設資材の購入金額1,080万円(80万円)

②建設業の外注費 540万円(40万円)

③重機の購入代金 3,240万円(240万円)

 本則課税による計算の場合

①預かった消費税:16万円+240万円+8万円=264万円

②前払いした消費税:80万円+40万円+240万円=360万円

③(納付すべき消費税(①-②)=▲96万円(還付消費税96万円)

簡易課税による計算の場合

①預かった消費税:16万円+240万円+8万円=264万円

②前払いした消費税(簡易課税制度の計算)

a:建設資材の販売(卸売り)第一種 216万円(消費税16万円)

→16万円×90%=14万4千円

b:建設工事の売上(建設業)第三種 3,240万円(消費税240万円)

→240万円×70%=168万円

c:旧重機の下取り金額(その他の事業)第四種 108万円(消費税8万円)

→8万円×60%=4万8千円

d:a+b+c=187万2千円

③納付すべき消費税(簡易課税で計算)①-②=76万8千円

今回の例では建設業で大きな設備投資があるケースです。

本則課税の場合には、厳密に預かった消費税と前払いした消費税を精算していきます。

大きな設備投資をしたりして前払いの消費税が多い場合には具体例のように消費税が納税ではなく、還付される場合があります。

本則課税のポイント:本則課税の場合には消費税が還付されることもある

簡易課税の場合には、仕入れ税額控除(前払いした消費税)を厳密には計算しません。

売上に一定のみなし仕入れ率をかけて前払いした消費税を勝手に計算します。

そのため、大きな設備投資があったり前払いした消費税が大きくても消費税の節税をすることができません。

簡易課税のポイント1:簡易課税の場合には消費税の還付は起きない

簡易課税のポイント2:消費税が含まれない経費が多い場合には、簡易課税制度の方が消費税の納税が抑えられる

簡易課税制度を受けるための要件

特別な届出をしなければ自動的に本則課税になります。

簡易課税制度を選択したいときだけ細かい要件があります。

簡易課税制度選択届出書を提出するとその後「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出するまで提出の効果は持続します。

基準期間の売上が5,000万円を超えた年度は、簡易課税制度選択届出書を提出していても強制的に本則課税になるので注意しましょう。

簡易課税制度を受ける要件1:

基準期間の課税売上高が5,000万円以下であること

簡単にいうと基準期間とは前々年度のことをいいます。

簡易課税制度を受ける要件2:

簡易課税制度を選択使用おつる課税期間の初日の前日までに「簡易課税制度選択届出書」を提出していること

簡易課税制度は2年間継続しなければ「簡易課税制度選択不適用届出書」を提出できないので注意が必要です。

まとめ

・消費税は「本則課税」と「簡易課税」の2種類の計算方法があります。

・簡易課税制度は選択後2年を経過しなければ本則課税に戻すことができません。

・本則課税の場合には消費税の還付を受けられることがありますが、簡易課税の場合は必ず納税になります。

・消費税が含まれていない経費が多い業種は簡易課税制度を選択した方が納税額が低くなりやすいです。

消費税は改正が多く、細かい規定がほかにもたくさんあります。

消費税は判断が非常に難しい税法ですので税理士さんと相談しながら経理・判断をしていきましょう。

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