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法人設立をして独立起業したり、個人事業を法人化する人が出てくる時期です。法人設立をすることで会計ソフトについても真剣に考える人も多いと思いますが、法人向けの会計ソフトは何が良いのでしょうか?

法人が使うべき会計ソフトは?【クラウド会計はまだ早いのか】

法人を設立する人の中には個人事業を法人化する人と法人設立ではじめて起業する人がいます。

個人事業から法人設立をする人は慣れ親しんだ会計ソフトを法人でも使えないかと考える傾向が高くなります。

法人設立から初めて独立起業する人は会計ソフト自体になじみがないということになります。

実は個人と法人では会計ソフトを使う範囲が異なるという点に注意しましょう。

個人事業で会計ソフトになれていた人も初めて法人経理から始める人も法人で選ぶ会計ソフトのポイントを押さえておきましょう。

個人事業と法人の会計ソフトの違い

個人事業の会計と法人の会計で大きく異なることはどこでしょうか?

異なる点を理解することで会計ソフト選びのポイントを見ていくことができます。

個人事業と法人の会計の違い1:個人は2種類・法人は形態が複数

個人事業は2つの形態しかありません。

どの個人事業主も同じ「個人事業」という形態しかないのです。

理美容業・飲食業・アフィリエイト・建設業など様々な事業があっても確定申告時に作る青色決算書や収支内訳書は同じものです。

不動産賃貸業を営んでいる個人の場合には「不動産賃貸業」という形態しかありません。

不動産賃貸業も実質的には個人事業とあまり変わりません。

ただ、使う勘定科目が異なっているので会計ソフトの中で不動産賃貸用を選ぶと楽という程度です。

つまり、個人事業や個人で不動産賃貸業を行っている人はこの2種類しかないのです。

個人の場合には会計ソフトごとで大きな違いはないため、どの会計ソフトを使っても問題なく確定申告に向かっていけます。

ところが、法人の場合にはそうはいきません。

法人は株式会社・有限会社・合同会社・合名会社・合資会社・NPO法人・一般社団法人など法人の形式がたくさんあります。

メジャーなところで株式会社と合同会社でも表示が異なってきます。

(株式会社の場合)

・出資者=株主

・経営者=代表取締役

(合同会社の場合)

・出資者=社員

・経営者=代表社員(業務執行社員)

株式会社の場合「株主資本」が「社員資本」になります。

会計ソフトの中には株式会社を対象に作られているものが多くなります。

そのため有限会社や合同会社の決算書を作る場合に一定の加工処理が必要になるものもあります。

一般社団法人やNPO法人の場合には表記自体が大きく異なることから、NPO法人用の専門会計ソフトを使う方が効率的です。

個人事業と法人の会計の違い2:法人は業態によって専用ソフトが必要なことも

業種によっては株式会社で使う会計ソフトと変えなければならないケースもあります。

介護事業所などの場合には、介護事業所用の会計ソフトを使うことでしっかりとした経理ができます。

一般的な株式会社を対象とした経理ソフトでは、介護に関する会計科目がなかったり設定自体が難しくなってしまいます。

個人事業と法人の会計の違い3:法人は会社ごとに事業年度が異なる

個人事業や個人の不動産賃貸業の場合は、1月1日から12月31日までの会計期間と決まっています。

年の途中から個人事業を開業しても、尻尾は12月31日なのです。

法人の場合には会社ごとに決算期を選択することができます。

個人事業のようにいつからはじめても12月31日が事業年度末になるということではないのです。

自分の会社の決算期をいつにするのかを定款で定めることで決めることができます。

5月に法人設立をしても、決算期が3月の法人とすることもできます。

この場合は、事業年度自体は4月から3月までの12か月ですが、設立事業年度がたまたま5月だったというだけです。

個人事業用の会計ソフトでは事業年度の設定ができませんが、法人の場合には事業年度を設定しなえればらならないために個人用の会計ソフトが使えなくなります。

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法人のクラウド会計普及率はまだ低い【個人ほどクラウド会計が普及していない理由】

クラウド会計という新しい会計ソフトがあります。

インターネットに接続した状態で、web上で会計処理を行っていくことができる会計ソフトです。

クラウド会計の特徴としては、インターネットバンキングやクレジットカードの利用明細を電子的に会計ソフトに取り込むことができます。

経理にかかる時間を自動取り込みを使うことで大幅に省力化するという会計ソフトです。

しかし、クラウド会計は法人にはまだ普及していないようです。

具体的な普及率などは出ていませんが、個人のように気軽に使っているという方は少ないようです。

小さな規模をスタートに普及を目指した背景も影響では【クラウド会計普及の背景】

クラウド会計はいきなり大きな会社を対象に作っている感じではありませんでした。

どちらかというとSOHOなど小規模事業者の経理の手間を効率化するというソフトです。

クラウド会計を出しているメジャー処の弥生会計・Freee・MFクラウド会計の3社も経理専門がいる大きな会社というよりも小規模な会社に導入されている方が多いと感じます。

さらにクラウド会計が出始めての歴史もそれほど深くありません。

ここ2・3年で急激にクラウド会計が出てきたという印象が強いのです。

ここ数年で開業した個人事業の方を中心に普及率を向上させているというのがクラウド会計です。

そのため法人がクラウド会計を使っていないという事情にもつながっています。

個人事業は開業後2年~5年以内に法人化することが多くなります。

クラウド会計になれた個人事業が法人化するタイミングでは急激に法人のクラウド会計利用者も多くなると思います。

税理士さんにしっかりみてもらいたいなら弥生会計がおすすめ

法人の経理ソフトで税理士事務所が使う専門の会計ソフトを用意する必要はそれほどありません。

毎月税理士さんにしっかりと見てもらいたい場合には、家電量販店で販売している弥生会計がおすすめです。

やよいの青色申告は個人事業用の弥生会計です。

弥生会計は個人事業にも法人の経理にも対応している会計ソフトです。

弥生会計の方は設定で個人と法人を選ぶことができるので両方のパターンの経理ができるように作られています。

弥生会計は初めて経理をする人にも簡単に使うことができるように作られていて、税理士さんの中でも対応している事務所が多いソフトです。

税理士さんに毎月訪問して帳簿チェックをしてもらう場合には、会社のパソコンにインストールしている弥生会計でチェックしてもらう方が効率的なのです。

クラウド会計はどこでもデータにアクセスしてみてもらうことができる反面、ネット上での操作になるので使い方に癖が出てしまうのです。

しっかりと毎月訪問してもらう場合には、弥生会計で法人経理をすることがおすすめです。

自社の経理を効率化するならクラウド会計もおすすめ

クラウド会計はまだ新しい会計ソフトです。

税理士さんによってはクラウド会計に対応していない税理士さんもいます。

クラウド会計の特徴の自動経理をおこなうと、チェックが甘くなりやすいという弱点があります。

自動的に帳簿ができてくるのであっているか間違っているかを考えなくなりやすいという側面があります。

そのため自動経理に依存してしまうと税務調査の際に思わぬ間違いを指摘されてしまうことも出てくる可能性があります。

自動経理=税理士顧問料節約という考え方では危険です。

クラウド会計はあくまでも「自社の経理時間の短縮」という使い方が正しいのです。

税理士いらずなクラウド会計という感覚で自動経理を使い続けると、税務調査を前提とした会社経理を作れなくなります。

さらに、ただ何となく自動的に経理がされているだけの会社になります。

つまり、税理士さんを活用できない会社が出来上がります。

税理士さん=経理と税務申告というもったいない使い方をしている会社です。

税理士さんは情報の宝庫です。

たくさんの会社と経営者とつながっているので多くの情報と経験を持っています。

クラウド会計で自社の経理を効率化して、税理士さんと情報交換の時間を創る会社はクラウド会計を上手に使える会社といえます。

クラウド会計といっても種類が多いのですが、便利なクラウド会計2社をご紹介します。

・弥生会計オンライン

パッケージソフトで圧倒的なシェアを誇る弥生会計のオンライン版です。

弥生会計は会計ソフトの老舗メーカーで操作性・サポートに定評のある会計外ソフト会社です。

弥生会計オンラインは他のクラウド会計と比べて後発なイメージはありますが、会計ソフトとしてのノーハウをしっかりと持っている会社です。

今後はクラウド会計の改良・強化もしっかりとおこなってくれそうという期待値も高いクラウド会計です。

・freee(フリー)

クラウド会計のさきがけです。

このfreee(フリー)は、請求書システムと会計ソフトとの連携に優れているクラウド会計です。

請求書を作ることで同時にクラウド会計での売上の自動経理がおこなわれたり、預金連動をすることで売上入金の自動系仕込み機能がついているなどクラウドのさきがけ企業らしい作りこみがされています。

有料プランの一番下のプランでも充実なつくりになっています。

まとめ

法人の経理に関してはクラウド会計の普及率はまだ低いという現状です。

導入している法人が少ないことと、クラウド会計がでてから年数が浅いことから実際に税務調査の実績としてもクラウド会計を使っている法人に対する税務調査自体も少ないという可能性が高いです。

クラウド会計の特性を理解して使うのであれば、法人でもクラウド会計を効率的に使うことができます。

ただし、はじめての起業の場合など税理士さんのサポートを充実させたい場合には弥生会計が一番おススメです。

会計ソフトを購入する前に税理士さんに相談しながら選ぶことが一番重要です。

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