銀行融資を置いておくとは?~使わない融資の意味~

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銀行融資を受けていると、返済完了するころに「融資を受けませんか?」という話をもらうことがあります。返済したばかりで使う予定もないときの融資はどのように考えていけばよいのでしょうか?税理士事務所に相談してみることも重要ですが事前知識を入れておきましょう。

銀行融資を置いておくとは?~使わない融資の意味~

「銀行融資を置いておく」とは、その融資を受ける時点で使う予定のない融資のことです。

本来の銀行融資は次の通りです。

・設備融資

・運転資金融資

・設備融資が必要な会社はどんな会社か

会社が成長していく過程で、様々なものが必要になってきます。

・新店舗をオープンする場合

・店舗内装をリフォームする場合

・車両の入れ替えが必要な場合

・新しい機械やソフトウエアを導入する場合

・異業種に進出する場合

設備融資を受ける理由には次のようなものがあります。

・設備投資をすることによって、生産性が向上する

→ 投資促進税制の活用をする場合には、こちらの理由が該当します。

・設備投資をすることによって、集客力を向上させる

→ 飲食店・理美容業・整体マッサージなど定期的にリニューアルしなければ集客が落ちる業種が該当します。

・節税目的の投資をすることで、税負担を抑える

→ 減価償却費が少なくなることで、納税額が増えてくることになります。

このタイミングで新しい設備投資をして減価償却費を作ります。

ただし、キャッシュもなくなるため投資の意味のある設備投資でなければ経営的に意味がありません。

お金を渡す男性

・運転資金融資が必要な会社はどんな会社か

会社経営をしていると「運転資金がもう少しあれば」と感じることはたくさんあるはずです。

手持ちキャッシュが多ければ、多いほど経営的には楽なのです。

どれだけ利益が出ていても、手持ちキャッシュがなければ経営は厳しいことになります。

運転資金融資が必要になる理由は次のようなものがあります。

・入金サイトと支払いサイトがあっていない会社

→ 現金商売以外の事業は、これに当てはまります。

売上で収益は上がっているのですが、お金が入ってくるのは後になります。

特に、建設業などの場合には入金サイトが数か月~半年ということもあります。

・設備投資に手持ちキャッシュを使ってしまっている会社

→ 本来であれば設備投資に設備資金融資を受けるべきだった会社が手持ちキャッシュを投入してしまう場合です。

特に新規創業の会社に多い事例ですが、設備投資の資金と運転資金を混同してしまい運転資金が不足気味になります。

事後的な対策になりますが、運転資金自体が不足してしまいます。

 

銀行融資を置いておくとは?

運転資金融資は、手持ち資金が不足する場合に受ける融資です。

設備資金融資は、設備投資に充てるための融資です。

では、銀行融資を置いておくとはどういうことでしょうか?

事業をしていくと「必要な時に銀行はお金を貸してくれない」という話を聞きます。

実際に、資金繰りが大変な会社が融資を受けられずに倒産するということも珍しくありません。

それなのに銀行融資を置いておくことなんてできるのでしょうか?

銀行融資を置いておく会社とはどんな会社か?

銀行融資は、銀行に申し込みをして融資を受けることになります。

融資を申し込まないのに、勝手に預金残高が増えたりはしません。

銀行融資を置いておく会社も銀行融資を申し込みます。

ただ、申し込むきっかけが普通と違うのです。

普通の銀行融資を受ける会社

普通の銀行融資は、必要だから会社が申し込みます。

普通の銀行融資は、政策金融公庫に申し込む場合と保証協会の保証を付けて銀行が融資を実行するパターンとがあります。

例外的に、保証協会の保証がなく銀行が単独で融資を実行するプロパー融資があります。

銀行融資を置いておく会社

銀行融資を置いておく会社は銀行側から融資を打診される会社です。

銀行側から「融資はいかがでしょうか?」という話を持ってきます。

会社側が主導の融資になるので、金利交渉も会社側にとって有利に進めることができます。

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銀行融資を置いておく会社と融資を受けたい会社の違い

銀行融資から打診される会社は、銀行から見てよいお客様なのです。

通常、銀行融資が必要な会社は資金的に不足している会社です。

銀行から見れば、融資をしたら使ってしまう会社です。

成長途中で資金が一時的に不足している会社であればよいのですが、実質的には事業の失敗で不足している可能性もあります。

ところが、銀行融資を置いておく会社は本来銀行融資がなくても平気な会社です。

短期的にはキャッシュが不足する心配はありません。

銀行から見れば、どちらばリスクの高い会社か一目瞭然ですね。

銀行融資がほしい会社は、手持ちキャッシュがなくなるリスクの高い会社です。

銀行が融資したい会社は、手持ちキャッシュが十分な会社なのです。

貸したお金に手を付けなくても、経営は順調なのです。

 

なぜ銀行は融資を置いておく会社に融資をしたいのか?

一番は銀行からみると貸倒リスクの低い会社です。

銀行のお金は預金から預かっているお金です。

お客様から預かったお金に利息を付けて返さなければならないのです。

銀行も置いておいてもお金を生まないのです。

かといっても、リスクの高い会社に融資をすることで貸倒てしまっては意味がありません。

そうなると、金利が低くても安全な取引先には融資をしておきたいわけです。

 

銀行融資を置いておける会社は借りておくことが有利か?

会社が倒産するのは、キャッシュが不足することです。

手持ちキャッシュを厚くしておくことが経営上大切なことです。

使わない銀行融資にも利息が発生します。

しかし、低金利時代であれば利息も微々たるものです。

手持ちキャッシュが必要になった際に融資をうけると金利が上がります。

低利で置いておく銀行融資に比べて調達コストが高くなります。

さらに、実際に銀行融資でほしいタイミングでキャッシュを調達できないかもしれないのです。

銀行から融資を打診されている状況であれば、手持ちキャッシュを厚くする意味も含めて融資を受けてもよいのです。

 

まとめ

・銀行側から融資の打診があれば資金調達のチャンス

・銀行側からの融資打診の際には低金利で調達できる可能性が高い

・銀行融資を置いておける会社は、銀行融資を受けておくほうがトク

銀行融資の打診があった際には、税理士事務所に相談してみてはいかがでしょうか?

 

 

 

 

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