資本金は大きい方がよいの?【300万円と1,000万円の違い】

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資本金は大きければ大きいほどよいという感じがしませんか?「資本金が大きい=大きな会社」というイメージで自分の会社の資本金を決めるとデメリットがあることがあります。今回は資本金は大きい方がよいのかという点を見ていきましょう。

資本金は大きい方がよいの?【300万円と1,000万円の違い】

資本金が大きな会社の方が安心感のある企業というイメージは誰しもが持ちます。

資本金1億円や1,000万円というのと「資本金1円」では印象が大きく異なります。

一般的な消費者目線では資本金が大きな会社=安心感のある会社という印象を受けるでしょう。

しかし、これから会社を経営しようと思われている方はこれにだまされてはいけません。

実際のところ資本金を大きくして会社設立した方がよいのか、少なくても問題がないのかを見ておきましょう。

(目次)

1.資本金が大きくても安心とは限らない

2.資本金1,000万円設立の罠

3.資本金と運転資金は違う

4.会社設立前に税理士さんに相談しよう

5.まとめ

1.資本金が大きくても安心とは限らない

資本金が大きい会社の方がイメージがよいということはお話ししました。

これはなぜかというと、人は資本金にプラスのイメージを持っているからです。

さらに、その財産的なイメージの金額が大きければ大きいほど「お金がある会社」というイメージを膨らませます。

もしかすると「資本金=預貯金」という感じで見てしまっているのかもしれません。

この資本金は会社設立をした際に「登記」される項目です。

設立された後の会社の登記事項証明書を取ってみると「資本金○○万円」という部分があるので誰でも知ることができます。

誰でも見ることができる会社の資本金は次のような意味合いがあります。

・会社の設立時に出資者が会社に拠出した財産の金額

これだけをみると預金がありそうに見えます。

でも実際には次のケースでも資本金は1,000万円として登記されているのです。

①資本金1,000万円を入れて設立直後に会社から外部に送金して預金が0円のケース

②現物出資で価値の低いものを高額評価をして資本金を膨らませたケース

③資本金1,000万円があった会社が赤字続きで資金がなくなっているケース

こんな会社でも資本金は1,000万円の会社として登記情報が出てきます。

ホームページの資本金情報は登記情報以上に嘘をつくことも可能です。

ホームページでは資本金800万円と記載されていても実際には資本金はもっと低いケースや「株式会社○○」と記載されていても実際には存在しない会社というケースもあります。

ホームページ情報だけで不安な場合には登記事項証明書を取得して確認しましょう。

ただし、登記事項証明書の資本金と実際の会社のお金は一致しないので注意しましょう。

2.資本金1,000万円設立の罠

では、自分が実際に会社設立をする場合に資本金は多くした方がよいのかという点に着目していきます。

基本的に資本金は会社の運転資金や設備投資に使うことができます。

その意味では資本金は小さいよりも大きい方が経営的に安定感が出てきます。

ところが、資本金を1,000万円で設立登記してしまうと開業年度から消費税がかかることになります。

一般的には開業してから2年間消費税の納税が免除されます。

しかし、資本金が1,000万円以上の会社は体力のある会社と考えられて設立後2年間の消費税の免除規定がないことになります。

開業2年間資金繰りが大変な時期に消費税免税は非常に助かる規定なのに受けられないということは、会社の成長力に費やすことのできる資金が少なくなります。

法人設立前には税理士さんに相談しておくことが重要なのはここにも理由があります。

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3.資本金と運転資金は違う

資本金=運転資金と考えている方が多いので注意しましょう。

必要な運転資金=資本金と考えてしまっているのです。

これは間違いです。

こんなことをしていたら資本金1,000万円以上の会社だらけになってしまいます。

資本金は会社固有の財産になるので「返して」といって気軽に返してもらえないものです。

その代わり資本金を出した人は株式などの所有者になるわけです。

運転資金は会社の現預金さえあればよいのです。

つまり、資本金として調達していなくても問題はありません。

たとえば、社長や親族から借りたお金で会社が回るのであれば資本金が1円でも問題はありません。

会社は借りたお金は返済する義務があるので、いつかは返済する必要があるのです。

一方で資本金に関しては借りたお金ではないので返済する義務がありません。

経営者=株主というケースの場合、資本金で入れようが会社にお金を貸そうが会社にお金がなければ返ってこないことは一緒です。

そうであれば資本金を多くして消費税リスクなどを増やすよりも、役員借入金として受け入れた方がお金を自由に移動することができます。

先ほどもお話ししたように、資本金は登記される金額の話で会社の体力とは無関係になっていきます。

無理に資本金を多くすることは百害あって一利なしです。

4.会社設立前に税理士さんに相談しよう

会社設立というと司法書士さんや行政書士さんというイメージが強いかもしれません。

会社設立手続きをおこなうのは司法書士さんで、その後の許認可関係が絡む場合に行政書士さんというのが一般的です。

税理士さんは会社設立後でよいと思われているケースも多く見受けられます。

ところが、これが原因で税務的に大きなリスクを作ってしまうケースが多いのです。

会社は設立よりもその後の動きだした後の期間の方が長いのです。

設立悟の動きを見据えて設立準備をすることが重要です。

会社設立を考えたら、まず税理士さんに相談することが大切です。

税理士さんはネットワークを持っていることが多いので必要に応じて司法書士さんや行政書士さんを紹介してスムーズに会社設立をしてくれます。

5.まとめ

資本金は300万円と1,000万円では会社に最初にある体力が異なります。

しかし、実際のところ資本金に大きな意味はありません。

一度資本金として登記した金額は増資や減資をしない限り動かないからです。

会社の現預金が0円になっても、資本金はそのままなのです。

現物出資という手続きで車や建物などを資本金として拠出した場合、本当にその出資したものがその価値があるのかというと疑問が残るケースもあります。

資本金は出資者側から見ると取り出すことのできないお金になることから、会社の運転身をすべて資本金でまかなう必要はありません。

いくらの資本金がよいかはたくさんの会社をみている税理士さんに相談することがベストです。

会社設立時には資本金以外にも検討しておいた方がよい項目が多いので税理士さんに相談しておきましょう。

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