簿記を知らないと経営ができないのか?【なんとなく経営が危険な理由】

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簿記会計に精通した人が経理専門でいる時代は遠い昔のことになってきました。最近では「難しい簿記会計の知識がなくても自分で経理ができる会計ソフト」が流行っています。果たして簿記を知らなくても経営がしっかりとできるのか気になるところです。

簿記を知らないと経営ができないのか?【なんとなく経営が危険な理由】

個人事業の方も確定申告をするためには経理をしていかなければなりません。

法人を設立して経営していく人は個人事業以上に複雑な経理や税務申告をしていくことになります。

新規創業をすると売上を上げることばかりに目が行ってしまうかもしれませんが、経理や事務といったものも非常に重要になります。

今回は「簿記の知識不要」や「会計がわからなくても大丈夫」という時代で「なんとなく経営が危険な理由」をみておきましょう。

なぜ簿記の知識が必要といわれてきたのか?

事業を始めると簿記や会計の知識が必要といわれてきたのかを見ておきましょう。

そもそもの話ですが、なぜ簿記会計の知識が必要といわれてきたのかには「積極的な理由」「消極的な理由」があります。

簿記会計の知識が必要な消極的な理由とは

消極的な理由とは「仕方なく」というものです。

経理をするということは時間と手間がかかります。

どうしても面倒なものということになってきます。

では、なぜ経理を「しなければならないのか」というと「税金の計算上必要だから」です。

これが消極的な理由で簿記や会計をしていかなければならない理由です。

税金の面で経理が必要ないのであれば、売上に関しては請求書を作って回収するだけ。

支払いについては請求書がきたものを支払うだけです。

手元に残ったお金で生活ができればよいので、いたってシンプルな話になります。

ところが日本も含めて世界的にこのようなことは認められず税金計算のために経理をする必要があるのです。

特にしっかりと経理をしておかなければ税務調査があった際に困ったことになってしまうので「仕方なく経理をしなければならない」というのが実情です。

簿記会計の知識が必要な積極的な理由とは

積極的な理由とは「経理することで受けられるメリット」です。

積極的な理由は経理をすることで「会社が儲かっているのか・損しているのか」や「会社の財産状態は大丈夫か」という経営的なことが数値化されて見えるという点にあります。

簿記や会計を使って経理を進めることで、税務申告以外に経営的な内容を一定のルールで集計できます。

これによって自社と他社の比較をおこなったり、自社の経営状況を把握することができます。

税理士さんをビジネスパートナーとして考えている方はこの部分を非常に重要と考えています。

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経理ができることと会社の状況を理解することは別

簿記会計の知識がなければ正しい経理をすることは難しくなります。

手書きの帳簿の時代ほど専門的な知識がなくても経理はできるようになってきましたが、正しいかどうかの判断には専門的な知識が必要になっています。

これはAIが発達して自動経理ができるようになってもついて回る問題です。

少し話がずれてしまいましたが、経理ができなければ経営ができないのかというと答えは「NO」です。

細かい簿記会計のルールを知らなければ、帳簿をつけるというときには不都合が生じます。

経営者は事務員さんではないので細かい経理ができなくても大丈夫です。

経営者が知っておくべきことはたったの2つです。

①大まかな経理のルールを理解すること

②税金のルールを理解すること

③決算書の読み方を理解すること

①経営者が大まかな経理のルール理解する理由:情報収集を効率化するため

経営者が大まかな経理のルールを理解しておく理由は、周りとの情報格差をなくすためです。

経営者同士だったり、税理士さんとの共通言語に経理に関する話が出てきます。

例えば、「役員貸付金があって困った」や「売掛金の回収サイトが悪い」など情報交換の中で必要な経理用語というものがあります。

いきなりたくさん覚える必要はないのですが、毎月の税理士さんとの打合せで少しずつ経理の仕組みや単語を覚えていくと効率的に情報収集をすることができるようになります。

②経営者が税金のルールを理解する理由:頼りになる税理士さん選びで必須の知識

税金のルールがわからなければ「良い税理士さん」なのか「頼りない税理士さん」なのかの基準を自分の中で作れません。

世間一般的にいう「税理士さんに任せているから」という社長になってしまいます。

自社にとって有効な税務情報をくれているのかどうかもわからないことになります。

税理士さんによって「勉強をしている税理士さん」と「情報収集をしていない税理士さん」など情報格差があるのです。

社長もある程度の税金のルールがわからなければ税理士さんから得られる情報量も少なくなってしまいます。

税金に関する説明などもわかりやすく教えてくれるよい税理士さんを選びましょう。

③経営者が決算書の読み方を理解すること

社長が会社の状況を理解していなければ、知らないうちに困窮してしまうかもしれません。

税理士さんは社長の会社が潰れても痛くもかゆくもありません。

経営者がある程度決算書の読み方を勉強しておかなければ銀行などの金融機関交渉の際にも困ったことが起こります。

銀行融資の際に銀行から内容説明を求められても「トンチンカン」な回答をしてしまうと「社長は理解していない」と判断されてしまいます。

これでは銀行融資が受けられない事態が発生してしまいます。

最低限自社の収益状況や財産の状況くらいは見てわかるくらいになっておきましょう。

決算書の読み方に不安がある場合には、わかりやすく説明してくれる税理士さんにお願いしていきましょう。

まとめ

便利な会計ソフトの普及で経理をするために高い専門性がなくても「なんとなく帳簿はできる」ようになりました。

経理の自動化といわれていて、自動的に帳簿を作ってくれるクラウド会計が普及しつつあります。

経理が自動化されることで楽に経営ができるよ勘違いしてしまうと危険なので注意しましょう。

経営者は最低限の簿記会計のルールと税金のルール・決算書の読み方を知らなければ会社の状況が悪くなってしまいます。

経理の自動化で効率的に経理を行うことと、知識が不要というものを混同してしまうと経営能力が低下するので気を付けましょう。

自動経理のクラウド会計などを導入した場合でも、わかりやすく経理・税務・経営について教えてくれる税理士さんと協力していきましょう。

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