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会社設立をしたり個人事業主になって開業した場合には、従業員を雇用して事業を拡大していくことがあります。はじめてパートやアルバイト・正社員を雇用した場合に給与の支払いや給与に関して気をつけるポイントを見ておきましょう。
従業員を雇用した場合の給与の支払い方法【振込みと現金支給】
会社設立をして法人を作った場合には、社長に対する給与の支払いが発生します。
従業員を雇用していなくても、いきなり給与の支払いがスタートというわけです。
個人事業を開業した場合には給与の支払いは従業員を雇用するまで発生しません。
個人事業主は自分の生活費や自分への給与は所得税の経費にならないためです。
人を雇用して給与の支払いをしてしまってからではトラブルになることもあるので事前にしっかりと知っておきましょう。
給与は現金支給は少数派?
昔は給料日に給与の入った封筒を持って帰ってくるお父さんの威厳があったといいます。
最近では給与は振込みがほとんどになってきているので、給料日のお父さんの威厳というものは少なくなったかもしれません。
給料日が集中する25日・月末はATMコーナーに行列ができていることからも、給料の支払い方法は振込みが多いと感じます。
現金支給はデメリットが多い【最初から振込みがおすすめ】
給与の支払い方法を後々変更することは事務的な部分で手間が増えてしまいます。
最初から給与の支払い方法を決めてしまった方が事務の手間も税務調査の際に理由を聞かれることもありません。
①給与支払いの準備が増える
現金支給の場合には、給与計算というものの他に金種も確認する必要があります。
源泉所得税に復興特別税も入ったのでより100円未満の端数が多くなっています。
そのため、給与の現金支給には小銭までそろえなければならないこともあり事務の手間が増えてしまいます。
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②支払いの証拠がわかりにくい
現金で給与を支給する場合、振込みの形跡などが残りません。
税務調査の際に、実際に給与の名義人に振り込まれているかどうかが重要になる局面もあります。
現金支給の場合には本当に払ったものなのか・誰が受け取ったのかは帳簿などに記録することになります。
銀行振込みの場合には、振込先口座・振込み日・振込金額が給与振込み履歴をみると確認ができます。
現金支給の場合には、従業員さんなど給与の受給者から領収書や給与明細への押印などの書類を用意しておくことが重要になります。
※給与の受領証として領収書を書いてもらう場合には、印紙は不要になります。
印紙税法の「売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書」に該当しますが、従業員さんが作成する受取証は営業に関しないものになるので印紙の貼付が不要になります。
給与支給を振込みで始める注意点【しっかりと通知しておくことが重要】
給与の支給を現金でおこなう場合には、税務調査の際のリスクもあることをお伝えしました。
では、実際に給与を振込みで始める場合には何に注意をしておくべきかを見ていきましょう。
(給与振込口座の確認方法)
①給与が振込みであることをしっかりと伝える
②給与の本人名義の振込口座を記入してもらう
給与の支払い方法を振込みでおこなうことを伝えておきます。
その際に給与振込口座は給与の受給者
(給与計算時の注意点)
①雇用した場合には扶養控除当申告書に記入してもらうこと
②雇用保険の対象者・社会保険の対象者の場合には雇用保険料・社会保険料を計算すること
③雇用保険・社会保険の本人負担分を給与総額から差引いた金額を元に源泉所得税を計算すること
④雇用保険・社会保険・所得税を給与から差引いて振込額を計算すること
⑤日払い・扶養控除等申告書の提出がない場合には源泉徴収税額が通常と異なるので注意すること
(給与振込み時の注意点)
①振込手数料は会社負担でおこなうこと
②給与振り込み時に他の引落などで残高不足にならないかを事前確認しておくこと
③振込先の口座名義人と給与の受給者の名前が一致していること
④契約による給与支払日に遅れないこと
⑤ATM振込をした場合はATM振込明細をしっかりと保存しておくこと
源泉所得税の納税の際には給与明細と振込額をチェック
源泉所得税は原則と源泉所得税の納期の特例の2種類があります。
原則は給与等の支払日の翌月10日までに国に納付することになります。
特例は1月~6月までに支払った給与等の源泉所得税を7月10日までに納付します。
7月~12月までに支払った給与等の源泉所得税を翌年1月20日までに納付します。
原則の場合には、毎月のお給料を支払った都度、源泉所得税の納付書を作成することでミスなく集計が完了しやすくなります。
ところが、源泉所得税の納期の特例の場合には半年分を集計することが必要になります。
源泉所得税の納付書は申告書も兼ねているので嘘や間違いがないようにしっかりと記載しておく必要があります。
源泉税の納付書を作成する場合には、供与明細と振込額の両方を再チェックすることで給与の発生・支払い・源泉税に間違いがないことを確認しましょう。
給与計算はエクセルよりも専門ソフトがおすすめ
給与計算をエクセルで行っている個人事業主や会社設立後まもない法人があります。
Excelで給与明細を作ることはできるのですが、使い方がまずい会社はとんでもないことになってしまうので注意が必要です。
給与や請求書をすべてエクセルで行っている会社はパソコンが苦手な方はお勧めできないのです。
実際によくある事例では給与明細もエクセルなどで作っていて、使いまわしをしている場合上書きで消えてしまっているケースもあります。
特例を使っている場合、給与明細の保存ができていなければ給与の根拠がなくなってしまうので注意しましょう。
まとめ
給与の支払い方法は振込が主流になっています。
給与の支払いを振込ですることで支払った証拠が残しやすくなります。
給与の支払いは手数料は会社負担でおこなってください
給与は契約で決まった日に遅れないで支払いましょう
給与計算をエクセルで行うよりも専用の給与計算ソフトを活用した方が安全です
給与計算や源泉税の納付書作成に不安があればすぐに税理士さんに相談しましょう。
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