生命保険を使った節税の経営効果とは【税金対策だけではない法人保険】

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法人保険を活用した節税という話を聞いている方も多いと思います。株式会社や合同会社などの会社設立をしたら保険に加入すべきだといわれるのには節税以外にも理由があるのです。今回は法人保険の考え方を見ていきましょう。

生命保険を使った節税の経営効果とは【税金対策だけではない法人保険】

会社設立をすると生命保険に加入した方が節税になるという話をよく聞きます。

節税につながる生命保険といわれても、いまいちピンとこない経営者も多いのではないでしょうか?

一般的な家庭であれば生命保険は万が一が起きたときの医療保険や死亡保障のための定期保険という感覚が強いと思います。

株式会社や合同会社が生命保険などの保険に加入できるのか疑問な人もいらっしゃるかもしれません。

自然人ではない生命保険などの保険に法人も加入することができるのです。

そして、法人が生命保険などの保険に加入することで法人税法上の税務処理というものも定められています。

今回は生命保険を使った節税の経営上の効果について考えてみましょう。

法人が生命保険に加入するとはどういうことか?

株式会社や合同会社の会社設立をすると事務所の賃貸契約や得意先との取引の契約は法人名でおこなうことになります。

これは社長とは別の株式会社や合同会社があたかも「人」と同じように経済活動や契約を行っていくためです。

実質的に会社にかかってきた電話に出たり、商品を出荷したり、出張に行ったりするのは社長や従業員さんなどの人ですが法人が人を雇用しているという形態になります。

会社設立をして法人を作ると法人は様々な契約をしていきます。

例えば、生命保険に加入することもできます。

法人は人間ではないので、けがをしたり、病気をしたり、死亡したりもしません。

あくまでも法律的なことができる擬人的なものです。

それなのに、生命保険に加入できるというのはどういうことでしょうか?

法人が生命保険に加入する場合には次のケースがあります。

①保険契約者:法人(保険契約や保険料の支払いを行う)

②生命保険を掛ける人(被保険者):役員・従業員など会社の人間

③保険金の受取人:法人・役員や従業員などの被保険者・被保険者の遺族など

法人が生命保険に加入するというのは、保険契約自体を締結するのが法人というだけです。

病気になったり死亡したりするのは法人が契約した保険を掛けられている役員や従業員さんということになります。

保険契約自体は会社がしているので、保険を解約したりできるのは法人です。

万が一のことが発生した場合に保険金をもらうのが、法人自身というケースもあれば、被保険者や被保険者の遺族というケースもあります。

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法人が保険に加入する必要性とはなにか?【原則的には保障】

会社設立をして売上を上げていくのに、なぜ法人が保険に加入しなければならないのでしょう?

法律上法人が加入しなければならないものは、雇用保険や社会保険だけです。

民間の生命保険などは法人は任意で加入する保険です。

しかし、会社設立をした経営者は生命保険に加入していることが多いのです。

その理由は次のものがあります。

①社長や従業員さんに万が一のことがあった場合に会社がダメージを受けることを金銭的に担保しておく

②社長や従業員さんに万が一が起こった際に社長・従業員・遺族の保障を用意しておく

③社長や従業員さんの退職金の原資を保障を兼ねて貯めておく

法人保険を経営的に活用する方法【節税だけが法人保険ではない】

法人が生命保険などの保険に加入するには大切な保障を得る目的があります。

これ以外にも法人保険は節税としても活用されます。

その事業年度の保障に対応する保険料は本来経費だからです。

ただし、一定の保険に関しては通達で全部を経費で落とせないように定められています。

全部は経費で落とせないけども、一定の割合は経費で落とせるものもあるということです。

この部分が法人保険を活用した節税として使われています。

ここでお話しするのは節税だけではない部分です。

・解約返戻金のある生命保険は短期資金融資として使うことができる

生命保険などは支払った保険料のうち、一定の金額までを迅速に借りることができます。

これを契約者貸付といいます。

個人事業主や法人経営者にとっては運転資金の借り入れが「迅速に」できるという部分が非常に重要です。

会社経営をしていくと予定していた売上の入金が遅れることや、突発な支払いが出ることがあります。

計画的に資金計画のたたない出費に銀行融資や日本政策金融公庫の融資は使いにくのです。

短期的に資金調達をしようと思っても、資金計画書の作成・融資の申し込み・審査という手順が必要になります。

最短でも1か月~1か月半の時間がかかってしまいます。

・経営状態に関係のない運転資金借り入れが可能

銀行融資や日本政策金融公庫融資の場合には、赤字の個人事業主や法人にとっては融資を受けることが難しくなります。

まして短期的な資金ショートであれば緊急性が高いので、より印象の悪い融資打診となります。

そんな時に、解約返戻金のある生命保険を契約している場合迅速に解約返戻金のうち一定割合までを借りることができます。

法人保険が節税に使われる理由もある【法人税法の通達で経理処理が定められている】

会社経営をしていくと経営者や従業員さんに万が一のことがおこると会社の資金繰りにも影響してきます。

そこで会社側は生命保険を役員や従業員さんにかけることで経営リスクを抑えています。

保険の内容によっては病気や死亡事故が起こった場合に、役員本人や遺族にたいして保険金が支払われるものもあります。

この場合には、会社が遺族や従業員の生活を守ることを考えて福利厚生の一環として保険を活用しているケースもあります。

生命保険は保険形態によって様々な商品・契約がありますので非常に複雑です。

保険は保険料を支払うことによって一定の保障を受けられるものです。

つまり、その年の保険料を払うとその年の保障が受けられるものです。

その年の保障のための保険料はその年の経費といえます。

ただ、保険商品によっては掛け捨てではなく返礼率の高いものもあります。

そうなると保険料と保障の対応関係だけで、保険料を経費化すると税収が上がりません。

そこで保険商品の種類ごとに税務上の取り扱いを通達というもので定めています。

保険を活用した節税についての考え方は「法人を設立したら保険に入った方が良い理由とは?」をご覧ください。

退職金の原資を節税をしながら積み立てていくことも、優秀な人材確保には必要な経営スキルです。

生命保険の活用方法に強い税理士さんに相談していきましょう。

まとめ

会社設立をした場合、リスクと節税と経営をしっかりと考えていきましょう。

法人保険はリスク管理・節税・資金調達の3つに対して非常に効果的な商品です。

しっかりと保険商品の特性・税務的な取り扱い・経営的な資金の活用方法も含めて法人保険を選びましょう。

税理士さんの中には保険に関する税務に強い方と強くない方もいるので、保険税務に強い税理士さんに相談していきましょう。

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