固定資産などを購入すると受けられる節税税制とは?【固定資産税特例・経営強化税制とは】

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節税につながる固定資産への投資があることをご存知でしょうか?制度は複雑ですが税金対策としての効果は絶大な制度なので税理士さんと相談しながら進めていきましょう。

固定資産などを購入すると受けられる節税税制とは?【固定資産税特例・中小企業経営強化税制とは】

節税につながる固定資産への投資があることをご存知でしょうか?

固定資産への投資をすることで節税につながる制度ですが、非常に内容が細かく難しいものになっています。

事前準備も必要で税理士さんに手伝ってもらわなければ手続きが難しいものもあります。

固定資産への投資を検討している場合には、節税対策をしっかりとおこなっていきましょう。

固定資産税特例とは【固定資産税が3年間半額になる制度】

固定資産税特例とは、中小企業の労働生産性を向上させる目的で導入された税制です。

固定資産税特例に該当した場合、対象になった固定資産の固定資産税の課税標準が3年間1/2に軽減されるというものです。

課税標準が半分になれば固定資産税も半額になる可能性が高くなります。

①対象となる地域・業種に制限があるので注意【地域によって業種が異なる】

労働生産性を向上させるという趣旨なので、地域別最低賃金に基づいて地域と業種で制限を定めています。

・最低賃金が全国平均の823円未満の地域は全業種が対象

・最低賃金が全国平均以上(823円以上)の地域は一定の業種に制限

②固定資産税特例で節税に役立つ固定資産の対象種類とは

・機械装置・工具・器具備品・建物付属設備

固定資産税特例にはソフトウエアはありません。

ソフトウエアはもともと固定資産税がかかりません。

固定資産税特例に必要な手続きとは【何もしなくても受けられるわけではない】

金額要件に該当する固定資産を購入しただけでは固定資産税の節税はできません。

原則として事前手続きが必要になるので、購入計画段階で税理士さんに相談しておかなければ適用が難しくなるので注意が必要です。

①固定資産取得のタイミングの原則【経営力向上計画認定後取得】

経営力向上計画の認定後に取得することが原則になります。

この経営力向上計画の認定後に設備を取得することが必要になります。

固定資産税特例に必要な手続き:工業会等が確認し、証明書の発行を受けること

②対象固定資産を取得した後でも固定資産税特例は急げば間に合うことも

経営力向上計画の認定前に対象固定資産を取得してしまった場合、急いで経営力向上計画の認定を受けましょう。

具体的には設備取得日から60日以内に経営力向上計画が受理されなければなりません。

そのため固定資産を先に購入してしまった場合には、すぐに経営力向上計画を作り始めなければなりません。

③経営力向上計画の認定が12月31日をまたいでしまった場合【固定資産税減額が3年⇒2年に減る】

経営力向上計画は申請(受理)から認定までの標準処理期間が30日程度必要になります。

認定が購入した年の12月31日までに受けられなければ、翌年の固定資産税は減額が受けられなくなります。

認定を受けていれば3年間固定資産税の節税ができたのですが、認定が受けられなかった最初の年の分だけ損をしてしまいます。

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中小企業等経営強化法とは【即時償却(100%減価償却)又は税額控除(取得価額×10%・7%)】

中小企業の経営力の強化を目的とした税制で、経営強化法の認定を受け、かつ、次のいずれかの要件を満たす必要があります。

中小企業等経営強化法の節税ができるのは青色申告者(青色申告法人)だけですので注意しましょう。

中小企業経営強化税制になったことで、工業会の証明(A型)・経済産業局の確認(B型)だけでは受けられなくなっているので注意しましょう。

さらに、経営強化法に基づく経営力向上計画の認定が必要になります。

中小企業等経営強化法でできる節税は即時償却または税額控除のどちらかになります。

いつからいつまでの期間に購入・使用開始したものが対象なのか

難しい言葉でいうと「指定期間」といいます。

この指定期間(平成29年4月1日~平成31年3月31日)までの期間に取得して、事業のように供したものが対象になります。

1:税額控除の場合(資本金によって7%または10%)

①資本金3,000万円以下の法人・個人事業主

A:取得価額×10%

B:法人税又は所得税の20%

C:いずれか低い金額(控除不足額は翌年度に繰り越すことができます)

②資本金3,000万円超1億円以下の法人

A:取得価額×7%

B:法人税又は所得税の20%

C:いずれか低い金額(控除不足額は翌年度に繰り越すことができます)

2:特別償却は100%減価償却(全損)

1による税額を選択しない場合、100%減価償却が選択できます。

税額控除のほうが節税になります。

税額控除の場合は、納める税金をまけてもらえるお得な節税です。

特別償却は減価償却費の前倒しですから、将来の減価償却費を使ってしまうことになります。

特別償却をした年度の経費は増えますが、将来の減価償却費が減るということになります。

将来にわたって減価償却費が100%使えたうえに税額控除で税金が安くなるので、税額控除を選んだ方が節税になります。

しかし、短期的に資金が不足しがちな時や大きな利益がでない場合には税額控除が小さいことがあります。

継続的に設備投資や減価償却がある会社や納税を発生させたくない場合、税額控除ではなく特別償却を選択することもあります。

3:対象個人事業・法人と指定業種とは

①規模要件

・資本金1億円以下

・従業員数1,000名以下の個人事業主・組合等

※一部の組合は除かれます。

②業種要件(指定業種)

農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、建設業、製造業、ガス業、情報通信業、 一般旅客自動車運送業 、道路貨物運送業、海洋運輸業、沿海運輸業、内航船舶貸 渡業、倉庫業、港湾運送業、こん包業、郵便業、卸売業、小売業、損害保険代理 業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食 サービス業、生活関連サービス業、映画業、教育、学習支援業、医療、福祉業、 協同組合(他に分類されないもの)、サービス業(他に分類されないもの)

(注1)中小企業投資促進税制及び商業・サービス業・農林水産業活性化税制のそれぞれの対象事業に該 当する全ての事業が中小企業経営強化税制の指定事業となります。

(注2)電気業、水道業、鉄道業、航空運輸業、銀行業、娯楽業(映画業を除く)等は対象になりません。

(注3)風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業に 該当するものを除きます。

出所:中小企業庁 中小企業等経営強化法に基づく税制措置・金融支援活用の手引き(平成29年度税制改正対応版)

・中小企業経営強化税制(A・B型)の対象資産

固定資産税特例と経営強化税制では、対象となる固定資産の種類の範囲が異なっているので注意が必要です。

:機械装置・工具・器具備品・建物付属設備・ソフトウエア

経営強化税制はA型・B型で工具の範囲が異なります。

B型は工具全体が対象になりますが、A型の方は測定工具・検査工具だけが対象となっています。

①A型:工具のうち測定工具・検査工具に限定

②B型:工具全体が対象

【中小企業経営強化税制でのソフトウエアの注意点】

経営強化税制は設備投資をすることで利益の改善をすることが目的の税制です。

そのため、ソフトウエアのうち次のものは対象外になります。

・複写して販売するための原本

・開発研究用のもの

・サーバー用OSのうち一定のもの

経営強化税制A型のソフトウエアの場合には、設備の稼働状況等の情報収集機能・分析・指示機能がなければだめです。

ソフトウエアの判断については、非常に難しいので税理士さんに相談しておきましょう。

【最低取得価額があるので要注意】

節税につながる固定資産を購入したつもりでも、取得価額の最低金額を下回っていた場合には適用できないので注意しましょう。

・機械装置の場合:1台又は1基の取得価額が160万円以上

・工具の場合:1台又は1基の取得価額が30万円以上

・器具備品の場合:1台又は1基の取得価額が30万円以上

・建物付属設備の場合:その取得価額が60万円以上

・ソフトウエアの場合:その取得価額が70万円以上

固定資産税特例・中小企業経営強化税制A型の場合には販売開始要件・経営力向上要件があるのでさらに注意が必要です。

・機械装置の場合:販売開始10年以内・旧モデル比で経営力向上指標年平均1%以上向上

・工具の場合:1販売開始5年以内・旧モデル比で経営力向上指標年平均1%以上向上

・器具備品の場合:販売開始6年以内・旧モデル比で経営力向上指標年平均1%以上向上

・建物付属設備の場合:販売開始14年以内・旧モデル比で経営力向上指標年平均1%以上向上

・ソフトウエアの場合:販売開始5年以内・旧モデル比で経営力向上指標年平均1%以上向上

※ソフトウエアは固定資産税特例はないので中小企業経営強化税制A型のみです。

中小企業経営強化税制B型は経済産業大臣の確認を受けた投資計画利益率が年平均5%以上に記載された機械装置・工具・器具備品・建物付属設備・ソフトウエアが対象になります。

必要な手続き

中小企業経営強化税制にはA型とB型の両方とも手続きが必要になります。

中小企業経営強化税制はA型とB型で必要な書類・手続きが異なります。

特に中小企業強化税制B型は経済産業大臣への提出書類の作成に非常に手間がかかります。

経済産業大臣への提出前段階で経済産業省との事前打ち合わせも必要になるので、計画書の提出前段階と提出後の補正期間がかかります。

時間的に余裕をもってしっかりと準備をしておくことが重要です。

①固定資産税特例・中小企業経営強化税制A型:工業会等が確認・証明書の発行を受けること

②中小企業経営強化税制B型:次の両方の要件を満たすこと

A:年平均投資利益率5%以上が見込まれる投資計画に必要不可欠な設備であることを税理士等から事前確認を受けていること

B:税理士等の確認を受けた後、年平均投資利益率5%以上が見込まれることにつき、経済産業大臣の確認を受けること

まとめ

固定資産税特例と経営強化税制A型は工業会等の確認・証明書は共通の書類になります。

中小企業経営強化税制A型と固定資産税特例はセットで受けられるか検討していきましょう。

固定資産の設備投資を対象とした節税対策は非常に複雑なので、計画段階から税理士さんに相談しながら進めていきましょう。

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