税務調査はココまで見せなきゃいけないの?
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税務調査に立ち会ったことがない経営者は税務調査はどんなものか不安で仕方ないと思います。今回は「税務調査はこんなところまで見せるの?」という部分を見ていきましょう。
税務調査はココまで見せなきゃいけないの?
税理士事務所に顧問契約をしていても、顧問契約していても不安は常にありますね。
特に、個人事業を経営していても、法人を設立して事業をはじめても不安が消えることはありません。
経営がうまくいくか不安という前向きな不安だけでなく、税務調査に対する不安です。
税務調査に対する不安は周りから「税務署に入られて数百万持っていかれた」という話を耳にしたからかもしれません。
映画「マルサの女」を見たことがあれば、税務調査は震え上がるほど怖いものと感じるかもしれません。
悪質な脱税だけではなく、一般の経営者が問題ないと思っていたことまで指摘されて税金を持っていかれるイメージが残ります。
税務調査の事前知識をつけることで、早めに税務調査対策のできている会社にしていきましょう。
ここまで見るの?!税務調査
実際の税務調査でみられるものは、税務調査の事前通知という中で説明がされます。
その通知の中で調査の対象期間の「総勘定元帳・仕訳帳など帳簿その他の物件についてお願いします」ということを言われます。
調査官から特段おかしなことを言われているわけではありません。
ただし、クセものが「その他の物件」という広い範囲の表現です。
その1 レジロール以外でも売り上げの調査資料に?
例えば、
エステ・理美容・整体・動物病院などの場合カルテもみられるのか?
自宅は調査の対象になるのか?
毎日きちんと現金の売り上げを管理して、レジジャーナルを保存している。
現金の動きは、きちんと現金出納帳に記入もしている。
これだけみれば、レジの金額と現金出納帳に書いている売上もきっちりあっているわけです。
いったい、何が問題になるのでしょう?
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税務調査官の目線
税務調査官は、事前にお客様として臨場している可能性があります。
その際に、レジや現金の取り扱いをしっかりチェックしています。
税務調査当日は、資料をチェックしながらこんなことを考えています。
レジを打たないで現金をもらっているとしたら、レジと現金出納帳に痕跡はのこらないはず。
レジの前段階の売り上げに関する資料はなにか?
ほかに売上を記録している可能性のある資料は何か?
こうなってくると、予約をとっている店であれば予約表を確認します。
その予約表と顧客カルテの記入を確認します。
レジの精算内容と予約表・カルテの内容をチェックします。
予約表・カルテに記載があるお客様がその当日の売り上げに上がっていなければ売上除外が発覚します。
エステ・理美容・動物病院などの場合、カルテや予約表も調査にとっては重要な物件ということになります。
場合によっては、手帳や日記の提示を要求してくる税務調査官がいます。
事業に全く関係のないものであれば、提示を拒むことができる可能性がありますが、税務調査官はあの手この手で提示を求めてきます。
その2 自宅まで税務調査でみられる?
自宅と事務所が別々になっている場合など、仕事と全く関係がない場合は調査対象外になる可能性があります。
逆に、事務所と自宅が同一の場所であれば事業との関連性があるため調査対象になります。
調査官の目線
「店舗や事務所と社長の自宅が別々な場合でも、大切な資料などが社長自宅にあるのでは?」と疑うことがあります。
調査の現場で提示されている資料をみても、どうもしっくりこない。
ほかに資料がなければ、こんな帳簿はつけられないはずという嗅覚が働いた場合です。
どうしても、「社長の自宅を見たい」
しかし、店舗や事務所は別にあるとなれば、事業との関連性を指摘できれば税務調査の対象にもっていけるのです。
例えば、
帳簿をつけるのは仕事が終わってから自宅でしていませんか?
土日など休みの時に、自宅で作業をしたりしていませんか?
事務を手伝っている家族はどこで仕事をしていますか?
仕事の現場まで自宅から直行・直帰していませんか?
などです。
上記の、中で該当するものがあれば「仕事と全く関係ないとはいえないので見せてください」ということになります。
自宅は経費で落としていないから関係ないと思っていても、事業に関係する作業を行っているのであれば見られる可能性があります。
帳簿をつけるのが自宅であれば、そこに帳簿の元の資料があるはずだし、パソコンも見たいということになります。
実際の税務調査で、社長が経費で落としていないパソコンを見せてほしいということもあります。
「あくまでも、任意ですが、問題がなければ見せられますよね」
「よろしいですか?」
という感じで、パソコンのパスワード解除を求めてきたりします。
その3 社長や家族の個人預金まで見られる?
よくある税務調査トラブルに、「社長の個人預金を見せろ」と言われたということがあります。
社長の個人預金の開示要求は非常に多いです。
本来、法人税の税務調査であれば法人の通帳が税務調査の対象になります。
事前通知でも、法人税に関する調査と源泉所得税に関する調査という表現をしていることが多いので、社長個人は関係ありません。
ところが、「法人の売上やキックバックが社長個人の通帳に入っている可能性もある」と税務調査官は考えるので社長個人通帳の開示も要求してきます。
法人の経営と社長のお金が全く関係なければ断っても構いません。
中小企業の場合、社長から会社にお金を貸しているケースが多くあります。
逆に、会社から社長がお金を借りているケースもあります。
こうなってくると、社長の個人通帳に会社から貸したお金が入っている可能性が出てきます。
社長が会社に100万円を貸したとなれば、それ相応の出金が社長の個人通帳からあるはずだということになります。
そうでなければ、100万円もの大金をどこで作って、どこに保管していたのかと考えます。
法人の売上を除外しているのか、社長個人で別な所得があるのかを検討していくことになります。
社長と会社での資金のやり取りなどがあれば、税務調査の際に提示を求められるケースは多いので注意しましょう。
まとめ
税務調査の際には、経営者が思っているよりも広い範囲の資料提示を求められることがあります。
思いがけない場所まで見せろといわれることも多くあります。
日ごろから税務調査の際に、見られる前提でしっかりと経理をしていくことが重要です。
経営者自ら税務調査対策をとることは難しいので、日ごろから税理士さんに相談しておきましょう!
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