通勤費でも所得税がかかるものとかからないものがある?!~税金の仕組みで賢く節税~
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通勤費はどの会社で働く人でもかかる経費です。会社にとっては雇用している人数が多ければ多いほど通勤費がかさみます。これを上手に活用することで会社も個人も節税につながることをご存知でしょうか?
通勤費でも所得税がかかるものとかからないものがある?!~税金の仕組みで賢く節税~
通勤手当は毎月の給与明細をよく見ると入ってた経験はありませんか?
サラリーマン時代であれば交通費が支給される会社が当たり前と思っていた方も多いはずです。
起業してみると、経費の節約をしていきながら節税ができないものかと考えることの大切さに気が付きます。
そこで、この通勤費というものはどういうものかをしっかり理解することが重要になります。
経営者の中にはこの通勤手当を賢く使えば節税ができることに気が付いているかたもいらっしゃいます。
ただ、「通勤手当=非課税」という都合の良い部分だけをみてしまって、税務調査でとんでもない目に合うことがあるので注意しましょう。
そもそも通勤費とはどのようなものか?
よくTVなどで最低賃金を下回っているブラック企業という話が出たりします。
時給には最低賃金という最低賃金法という法律で最低限保障されている時給があります。
しかし、交通費についてはこのような規定はありません。
つまり、会社の規則に従って支給されるものになります。
会社の規則で交通費の規定があるのであれば、その通勤費支給基準に基づいて支給するというのが会社のルールになります。
これはあくまでも、会社のルールであって法律で強制されるものではありません。
アルバイトにも交通費を支給しなければならないの?
最低賃金は法律で保障しなければならないものです。
最低賃金以下の契約を取り交わしても無効になり、最低賃金での契約とみなして給与を計算する必要があります。
さきほど説明した通り通勤費や交通費といわれるものは、会社の任意の規則です。
つまり、アルバイトに通勤手当を支給するかどうかは会社の任意になります。
とくに創業時には人手が欲しくても正社員を雇用する体力がないことがあります。
そんなときには、アルバイトやパートを複数人雇用するケースもあります。
時給は働く時間が長ければ長いほど高くなりますが、交通費は人の人数の分だけ増加する経費です。
この交通費をアルバイトに支給することが会社の負担になる場合には、交通費支給をしないことも十分に可能というわけです。
求人募集の際に、お店や事務所の近くから採用することで交通費支給をしなくとも良い人材が集まる可能性があります。
交通費を支給することで求人での集まりが良くなり優秀な人材が集まる可能性もあります。
通勤費に税金がかからないというのは本当?
通勤手当や交通費といわれる会社に通勤するために支給される手当は税金計算上どのように取り扱われるのでしょうか?
お給料をもらう方にすると毎月のお給料に1か月分の通勤手当が加算されて支給されるのが通常です。
お給料と一緒に支給すると「お給料と同じように税金の対象になるのか・交通費は税金の対象にならないのか?」がわかりにくいですね。
ここでは、通勤手当や交通費の税務上の取り扱いを見ていきましょう。
①お給料と通勤手当は区分して給与明細に記載する
お給料と交通費とを区分していなければ、給料手当から自腹で交通費を払うということになります。
しっかりと給与明細の段階で、お給料部分と交通費は分けておくことが重要です。
これを区分せずに給与支給額に含めてしまうと、非課税規定は適用されません。
②お給料と同時に支給していても非課税限度額までは所得税・住民税はかからない
給与明細にお給料部分と通勤手当が区分されていれば、給料日にお給料やその他の手当と合算して支給して問題ありません。
同じタイミングで交通費を支給していても非課税限度額までは非課税となります。
③交通費(通勤手当)の非課税限度は通勤手段・距離などで異なるので注意
○自動車や自転車などの交通用具を使用する場合の月額非課税限度額
・片道2キロメートル未満 (全額課税)
・片道2キロメートル以上10キロメートル未満 4,200円/月
・片道10キロメートル以上15キロメートル未満 7,100円/月
・片道15キロメートル以上25キロメートル未満 12,900円/月
・片道25キロメートル以上35キロメートル未満 18,700円/月
・片道35キロメートル以上45キロメートル未満 24,400円/月
・片道45キロメートル以上55キロメートル未満 28,000円/月
・片道55キロメートル以上 31,600円/月
○交通機関又は有料道路を利用している場合の月額非課税限度額(最高限度額150,000円/月)
○通勤用定期乗車券(最高限度額150,000円/月)
○(交通機関又は有料道路)+交通用具の利用がある場合の月額非課税限度額(最高限度額150,000円/月)
④通勤手当にグリーン車料金は含まれない
所得税・住民税で非課税とされている通勤手当は「通勤のための運賃・時間・距離等の事業に照らして、最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合の通勤定期券など」とされています。
つまり、グリーン車については「最も経済的」という部分で引っかかってしまいます。
出張などであれば役職に応じてグリーン車を経費で落とすこともできますが、通勤手当の場合にはできないということに注意しましょう。
このグリーン車部分については、その人へのお給料ということになります。
非課税限度額決定のまとめ
・自動車通勤の場合には、片道の距離数によって非課税限度額は変わります。
・通勤経路の届出をしてもらう際に、片道距離を把握しましょう。
・交通機関を使う場合には、実費部分が非課税限度額となる。(最高は月15万円以下)
・交通機関や有料道路と自動車が併用される場合は交通用具の非課税限度と交通機関を利用した場合の非課税限度額の合計となります。(最高は15万円/月)
非課税限度額を超えた部分は「通勤手当」という名称でも給与として所得税・住民税の対象となります。
公共交通機関で来ている通勤手当をもらっている人が自動車通勤をしている場合は、自動車通勤の非課税限度が適用されます。
年末調整時に集計を間違わないように注意していきましょう。
年末調整や通勤手当について心配という方は税理士さんに相談してみましょう!
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