経営者は最初に知っておくべき経費と税金の関係

スポンサーリンク


Pocket

経費で落ちるものがなぜ喜ばれるのかをご存知でしょうか?経費と税金の関係を知っていなければ経費の意味が分かりません。今さら「経費で落とすって何?」ということがないようにしましょう。

経営者は最初に知っておくべき経費と税金の関係

「経費で落ちますか?」と経理に聞いて怒られた経験がある方もいるはず。

サラリーマンであれば経費で落ちる領収書は経理に渡せば精算してもらえる「大切な領収書」だったはず。

なぜなら経費で落ちない領収書は精算してもらえない「自腹領収書」になってしまうからです。

経費で落ちる領収書は精算してもらえて、経費で落ちない領収書は自腹領収書になってしまっていたのでしょうか?

これは会社にとっての経費と税金の関係が影響しているのです。

特に経営者やこれから独立起業して社長になる方は最初に知っておくべき大切な経費の話です。

経費が多くなると税金が安くなる仕組み~みんなが経費で落としたがる理由~

経費とは何かを見る前に、経営者がなぜ経費を欲しがるのかを知っておきましょう。

所得税・法人税などの税金は、利益が大きくなればなるほど税金が高くなります。

利益=収入―経費

利益が大きくなる原因

①収入が大きくなる

②経費が小さくなる

税金が安くなる原因

①収入が小さくなる

②経費が大きくなる

経営者が経費を欲しがるのは、経費が大きくなると利益が小さくなるからです。

利益が小さくなれば、税金が安くなるという関係だから経費が大切なのです。

ここでしっかりと「経費とは何か」を間違うと、利益が異なることになります。

税務調査で利益が動くと税金が動くということにつながっているわけです。

Midsection of businessman calculating invoice at office desk

経費とはなにか?~経費とはシンプルな言葉だがすごく難しい「経費はどこまで問題」~

「必要経費」という言葉を聞いたことがありますか?

経費と必要経費は、ほぼ同じ意味です。

所得税法では経費のことを必要経費と表現しています。

必要経費ということは、「何かに対して必要なもの」です。

さて、「何に必要なもの」が経費なのでしょう?

経費とは次のもののために必要なものです。

①売上のため

②会社を運営していくため

①「売上のため」に必要な経費

売上と直接的に関係する経費です。

この売上と直接関係する経費は「誰が見ても経費とわかる」ものです。

例えば、

ジュースを売る小売店であれば売るために仕入れたジュースの関係です。

建設業であれば現場を完成させるために投入した建築資材や人件費・外注費が該当します。

②会社を運営していくために必要な経費

会社を運営していくために必要な経費というと急に範囲が広くなります。

ここにその経営者ごとや会社ごとの「経費の感覚」が現れてきます。

サラリーマン時代に「○○さんに出せば精算してくれた。」

後日同じような領収書を「××さんに出すと認められなかった」ということはありませんでしたか?

経理担当者によって認める認めないということがよくあります。

前の会社に勤めていた時はこんなに経費精算が厳しくなかったということもあるはずです。

会社によっての経費の範囲も異なっている可能性が高いのです。

これは経理担当者ごとで「会社の経費として許容できる範囲」が異なっていたからです。

自分で会社を経営していくと、自分で経費と思っていても認めてくれない人たちがいます。

場合によっては、税理士事務所に経費として認めてもらえないこともあります。

しかし、一番大きな問題になるのは税務調査で経費として認めないとなった場合のトラブルです。

同じ税法を適用しているはずなのに「あそこの社長は経費で落ちた」といっていたはずなのに、他の税務調査では認められなかったという事態が起きることがあります。

実は、税務署や税務調査の担当者ごとの「経費の感覚」もそれぞれ異なります。

この「会社運営に必要な経費」には明確な線引きがないのが難しい理由です。

ただし、大きく分けると次の3パターンに分かれることを理解しておきましょう。

①誰が見ても会社運営に必要な経費

見方によっては会社運営に必要な経費にならないもの(判断が分かれる経費)

誰が見ても会社運営に必要のない経費(アウトな経費=私的支出)

①誰が見ても会社運営に必要な経費

「誰が見ても会社運営に必要な経費」の具体例

・お店や事務所や倉庫の家賃

・会社運営に必要な正社員やアルバイトのお給料

・仕事で使っている車などの減価償却費

②見方によっては会社運営に必要な経費にならないもの(グレーな経費)

「見方によっては会社運営に必要な経費にならないもの」の具体例

プライベートと事業にまたがっているものは、事業に関係のある割合を経費に落とすことを忘れないようにしましょう。

・旅行代

・飲食代

・ガソリン代

スポンサーリンク

・旅行がグレーな経費とみられる理由

旅行は仕事についても発生するものですが、プライベートでも起きるイベントです。

特に取材旅行や調査目的旅行という場合には、経費なのかプライベートなのか判断に迷うことが多く出てきます。

税務調査の際には旅行について厳しくチェックされるのはこのためです。

税務調査の際に「趣味は旅行」なんて話をしてしまっていれば、プライベート旅行ありきで調査が進んでもおかしくありません。

最近ではSNSが普及しているためFacebookなどで旅行に行ったことを書いていたりすると、税務調査の前にチェックされている可能性が高いです。

・飲食代がグレーな経費とみられる理由

一般的に人は朝・昼・晩の3食食事をします。

これが基本的な出発点になります。

「社長も人間なので3食はプライベートでも食べる生き物だ」と考えられます。

プライベートでも食事をするし、仕事の打ち合わせや接待でも食事をするわけです。

そうなると、飲食代をみてもプライベートの食事を経費として混入しているのでは?と疑われます。

特に「交際費」という経費を多く使っている会社は、仕事の打ち合わせでの飲食代なのかプライベートでの食事なのかをどう区分しているのかがチェックされます。

税務調査で「領収書の裏に同席した人の名前・関係も記載してください」と指導されるのはそのためです。

・ガソリン代がグレーな経費とみられる理由

最近では若者の車離れが話題になっています。

しかし、地方では交通の便の問題などで1世帯に自動車1台という時代から1人1台というところもありあます。

仕事をする上で自動車を活用して移動時間を短縮したり、移動オフィスとして呪医同社を使ったりします。

ただ、地方になればなるほどプライベートの生活でも自動車は必需品になっています。

近所への買い物にも欠かせない自動車は、ガソリンを使います。

仕事の車もガソリン車であれば両方ともガソリンを使います。

ここに「ガソリン代は全額が経費なのか?」というグレーゾーンが生まれます。

③誰が見ても会社運営に必要のない経費(アウトな経費=私的支出)

誰が見ても会社の経費ではないものです。

会社の経営に全く関係のないものの具体例は挙げるときりがないほどです。

ただ、間違いが多いものを例示ししますので注意してください。

・借入金の返済

借入金はお金を払いますが、経費ではありません。

借入金の返済は負債という債務の返済です。

・10万円を超える固定資産を一発経費で処理

パソコンや備品などは10万円を超えていれば減価償却資産というものになります。

減価償却資産というものは、購入時に全額経費にすることができません。

税法で決められた法定耐用年数という期間で決められた方法で経費化することになります。

うっかりと、購入した年に経費処理してしまうと計算間違いとして修正する必要があります。

まとめ:経費と税金の関係

・所得税や法人税は利益が大きくなるほど税金が高くなる仕組みの税金です。

利益は費用が大きければ大きいほど小さくなります。

・経費には誰が見てもわかる経費と判断をしなければならない経費があります。

・経費とプライベートの判断をしなければならない経費については、しっかりと仕事に関係のあることを証明できるようにしておきましょう。

・税務調査で経費を認められなくなった場合、修正申告などで追加の税金が発生する場合があります。

・税務調査で悪質なものとみられると重加算税というペナルティーの高いものが課税されることもあります。

経費についての判断は非常に難しいので税理士事務所に相談してみましょう!

スポンサーリンク

あなたにおすすめ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

ピックアップ記事

  1. 個人事業を廃業した場合に確定申告は必要か【事業廃止放置は危険】

    個人事業を廃止するのは事業失敗・年齢的廃業・法人成りがあります。これ以外にも子供や親族に個人事業を譲…
  2. はずれ馬券は経費になるのか・ならないのか?~判例から学ぶ~

    競馬のはずれ馬券が経費になるかどうかで争われた判例があります。有名な判例なので知っている方も多いかも…
  3. 開業時に個人事業が赤字になった時に損をしない方法

    個人事業を開業したときに黒字だとは限りません。初期投資の大きな事業であれば赤字になることもよくある話…
  4. 給与計算を税理士さんに外注する会社が成長する理由とは

    給与計算を自社でおこなっている会社よりも外注している会社の方が経営効率が上がります。特に個人事業主の…
  5. 節税だけを重視していると会社がおかしくなる理由とは

    節税ときくと経営者は心が動かされるかもしれません。税理士さんに期待することは節税だけでよいのでしょう…
ページ上部へ戻る