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仕事に欠かせないものが自動車です。特に地方都市などの場合には自動車がなければ移動に時間がかかってしまい効率的に仕事をこなせません。自動車を購入した場合や売却した場合には様々な経理処理が必要になるので経理をしっかりと押さえておきましょう。
自動車を購入・売却した場合の経理処理はどうしたらいいの?
自動車は仕事上非常によく使う商売道具です。
自動車を購入するところから始まり、ガソリン代・駐車場代・修理代に保険代など日常業務の中での経理処理が多いものになります。
何事もなければよいのですが、交通事故などを起こしてしまったり修理をしたりと経理の幅も広くなります。
経理を始める中で最初の壁になってしまう自動車についてしっかりと理解しておくことで経理を楽に行っていきましょう。
自動車は固定資産という資産に該当する
自動車は新車であれば数百万円もしますし、中古車であれば数万円~数百万円まで幅広い価格帯のものがあります。
新車の自動車も中古車も「固定資産」という資産に該当します。
資金繰り的には支払った際に支払った分を経費にできればわかりやすいのですがそうもいきません。
固定資産に該当すると購入でかかった金額を支払ったときに経費にせず、減価償却という手続きをして経費化していくことになります。
自動車を購入した場合の経理処理はどうしたらいいの?
仕事をする上で自動車購入は避けて通れないものです。
しかも金額も大きいため経理処理を間違うと影響も大きくなってしまいます。
自動車として固定資産に計上する範囲はどこまで?
事業用の車を購入する際に、カーナビやオプションなど様々なものを購入することがあります。
車本体までが固定資産なのか付属品やオプションを含めるのかで毎年の経費で落とせる金額が変わってきます。
自動車を購入する場合に固定資産に計上するのは次の部分です。
①自動車本体
②付属品
③オプション
本体と一体となって使われるものについては、本体と一緒に減価償却をするということになります。
自動車購入時に一発の経費で落とせる範囲
自動車を購入する際には様々な諸費用が発生します。
この諸費用の取り扱いで、購入初年度の経費計上額を多くすることができます。
代表的なものとしては次のものは購入時の経費で落とすことができます。
①租税公課として経理:自動車税・自動車取得税・重量税・印紙代
②保険料として経理:自賠責保険料・任意保険の保険料
③車輌日として経理:検査登録料・車庫証明手続き代行料
リサイクル料の取り扱いに注意
自動車を購入する場合、リサイクル料という費用が取られます。
これは自動車を廃車にする際の処理費用の前払分です。
このリサイクル料の中の情報管理料だけは購入時の費用になりますが、それ以外は長期前払費用という資産に計上します。
自動車の耐用年数は何年で減価償却するの?
減価償却の耐用年数は新品のものを基準に決めています。
普通自動車の耐用年数は6年となりますが、これは新車の耐用年数が6年ということです。
中古車を購入した場合には自分で計算して耐用年数を決める必要があります。
それも適当に決めるのではなく、税務上のルールに則して決めていきます。
「中古固定資産の耐用年数の決め方=(法定耐用年数―経過年数)+経過年数×20%」
※ 最低2年でも減価償却すること
こんな複雑な計算式で耐用年数を計算して求める必要があります。
一般論として中古車は4年落ちが良いといわれる理由はこの計算式にあります。
4年落ちの場合の見積り耐用年数=(6年―4年)+4年×20%=2.8年→2年(耐用年数)
中古車の中で減価償却が早いわりに年式が落ちていないものが4年落ちということなのです。
新車を購入している場合、お金を一括で払っていても6年かけて経費にしなければいけないのですが4年落ちの中古車の場合は耐用年数2年です。
耐用年数2年の場合の償却率は1.0になるので年度初めに購入していれば1年で減価償却できてしまうのです。
もしも、これが数百万円もする中古車であればその年の節税効果はものすごく大きなものになります。
減価償却が終わった自動車を売却した場合はどうなるの?
自動車などの固定資産を売却した場合には、個人事業の場合と法人では取扱が変わるので注意しましょう。
①個人事業で減価償却が終わった自動車を売却した場合:自動車売却分部の税金の計算方法が変わる
個人事業の人が固定資産を売却した場合、原則として事業所得ではなくなります。
所得区分が譲渡所得というものになります。
事業用の自動車を売却した場合には、所有期間が5年以内の場合には短期譲渡所得・所有期間が5年超の場合には長期譲渡所得になります。
所有期間が5年超の事業用の固定資産(土地建物を除く)を売却すると税負担の小さい計算になります。
②法人で減価償却が終わった自動車を売却した場合
法人の場合には、自動車本体は減価償却で経費化してしまっているので売却した収入が利益になります。
法人税の計算上本業の収益と合算で法人税を納めていくことになります。
③自動車の売却収入は個人も法人も消費税の対象になる
個人事業の場合は自動車売却収入は譲渡所得になります。
そのため、個人事業の場合には所得税・住民税の計算上本業の売上と自動車売却収入は税負担が変わることがあります。
法人の場合には本業と合算で法人の損益を計算していきます。
法人税は自動車を売却た場合も税制上の優遇などはありません。
ところが、個人事業の場合も法人の場合も自動車の売却については消費税の対象になるので注意しましょう。
プライベート利用がある場合の自動車の経理
法人でも個人でもプライベート利用がある場合には、次のように経理します。
①個人事業の場合
個人事業の場合には、減価償却費やガソリン代などの車両に関する経費の一部を家事否認します。
例えば、1週間のうちに2日はプライベートで使用しているのであれば(2日/7日)の分を経費からはじくといった具合です。
趣味が旅行やドライブで利用距離がプライベートのほうが長ければ距離などで按分していきます。
②法人の場合
法人の場合には、社長のプライベート利用分を①の個人の場合と同じように経理する方法と社長から会社に利用料を支払う方法があります。
①の法人の経費から外す場合には社長への給与・貸付ということになります。
役員への給与については原則として損金とならないので注意が必要です。
社長から会社へ利用料を支払う場合の料金設定は一般的にその車を借りるとしたらいくらかということになります。
カーシェアやレンタカーなどを参考にしながら料金を決めるのも一つの方法になります。
まとめ
自動車は事業と切っても切り離せない大切な商売道具です。
しかし、購入・売却時の経理処理だけではなくプライベート利用などを含め検討しなければならないことが多い項目になります。
税務調査の際に自動車の利用状況などでのトラブルも多いので一度税理士さんに相談してみてはいかがでしょうか?