建設業が注意したい税務のポイント【税務調査の注意点】

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建設業や建築業を個人事業主で行っている人と会社設立をして株式会社や合同会社で行っている方がいます。個人事業主でも会社設立で法人化した場合でも両方に共通する建設業の注意したい税務ポイントを見ていきましょう。

建設業が注意したい税務のポイント【税務調査の注意点】

建設業・建築業を経営している方にとって一番怖いものは税務調査かもしれません。

実際のところ建設業や建築業はどれくらい税務調査で間違いを指摘されているのかを考えてみたいことろです。

どの会社も一生懸命仕事をして、しっかりとした経理をして税務申告をしています。

それでも税務調査で間違いを指摘されているということです。

まずは建設業の税務調査の実際の数字を見ておきましょう。

平成26年度の東京国税局管内の税務調査で不正の割合が多い業種は次の通りとなっています。

1.ソープランド(税務調査で不正発見割合79.7%)

2.バー・クラブ(税務調査で不正発見割合56.4%)

3.ホテル・普通旅館(税務調査で不正発見割合50.0%)

4.その他の飲食店(税務調査で不正発見割合38.1%)

5.外国料理(税務調査で不正発見割合38.1%)

6.貴金属製品製造(税務調査で不正発見割合32.1%)

7.生鮮魚介そう(税務調査で不正発見割合29.4%)

8.大衆酒場・小料理(税務調査で不正発見割合27.8%)

9.廃棄物処理(税務調査で不正発見割合26.0%)

10.医療保健(税務調査で不正発見割合25.8%)

(参考)国税庁HPを一部加工

1件当たりの不正所得の大きな業種は次の通りです。

1.その他の不動産(1件当たりの不正所得金額191,863千円)

2.パチンコ(1件当たりの不正所得金額171,493千円)

3.通信機器器具(1件当たりの不正所得金額151,980千円)

4.医薬品(1件当たりの不正所得金額87,080千円)

5.新聞・出版(1件当たりの不正所得金額47,797千円)

(参考)国税庁HPを一部加工

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平成26年度の札幌国税局管内の税務調査で不正の割合が多い業種は次の通りとなっています。

1.建築材料卸売務調査で不正発見割合38.5%)

2.貨物自動車(税務調査で不正発見割合37.4%)

3.畜産(税務調査で不正発見割合33.3%)

4.職別土木建築工事(税務調査で不正発見割合29.4%)

5.一般土木建築工事(税務調査で不正発見割合29.2%)

6.土木建築サービス(税務調査で不正発見割合29.0%)

7.とび・コンクリート工事(税務調査で不正発見割合28.1%)

8.鉄骨・鉄筋工事(税務調査で不正発見割合27.8%)

9.農業(税務調査で不正発見割合26.0%)

10.土木工事(税務調査で不正発見割合25.8%)

(参考)国税庁HPを一部加工

東京国税局の平成26事務年度の統計をみると税務調査の不正発見割合ではトップ10には入っていませんでした。

税務調査に着手した業種に関する資料がないので実際に建設業の税務調査割合はわかりませんが、東京国税局管内では建設業についての税務調査は盛んでなかったのかもしれません。

建設業が盛んな北海道を管轄している札幌国税局の統計資料をみると建築材料卸売・職別土木建築工事・一般土木建築工事・土木建築サービス・とび・コンクリート工事・鉄筋・鉄骨工事・土木工事が不正発見割合の高い10業種に掲載されています。

不正発見業種TOP10の中に7つも建設業・建築業が入っています。

地域ごとに税務調査の重点業種が異なっているので、それぞれの地域で税務調査に当たる確率も大きく異なりそうです。

その事務年度ごとに税務調査の重点業種というものも変わってくるのでこの統計だけを見て過度に反応する必要はありませんが、建設業が好況になれば税務調査に当たる可能性も高くなるのかもしれません。

建設業が注意したい税務調査のポイント【売上の計上時期間違い・売上計上漏れ】

建設業・建築業は業種によって工事の工期がバラバラです。

さらに得意先と扱っている現場によっては契約書の内容もバラバラのため、一つ一つの現場ごとに売上計上時期が異なることが多くなります。

「請求書を出さなければ売上は翌期になる」と勘違いしている会社もあるほどです。

税務調査ではしっかりと現場が完了していたかどうかを細かくチェックされるので請求書をだしていなくとも売り上げの計上漏れや時期の誤りを指摘されてしまいます。

工事契約の内容にもよりますが、請負工事の場合には現場が完了した段階で会社内でしっかりと売上を計上する仕組みを作っておきましょう。

建設業が注意したい税務調査のポイント【材料などの在庫や仕掛品の計上漏れ】

建設業・建築業は材料を発注する人・納品先がバラバラということがよく起こります。

担当者が自分の現場で必要な分を発注することで会社の経理で把握できないケースも珍しくありません。

直接現場に納品させるケースや単価の安い時期にまとめて発注して、取引先に預けていることもあります。

税務調査では材料の発注者・現場・納品先を細かくチェックすることで在庫や仕掛現場をチェックしていきます。

建設業の税務調査では材料・未完成現場に関して重点的に調査されるので、会社内で在庫・現場管理体制を強化しておきましょう。

建設業が注意したい税務調査のポイント【人件費の源泉徴収漏れ】

建設業も人手不足で頭を悩ませている業種です。

さらに建設業は高齢化が進んでおり、若い人のなり手が少ないのが悩みです。

安定的に正社員の雇用をしたいと思っても、人材確保が難しい仕事です。

特に東北・北海道など雪が積もる地域の場合には冬季間は土木工事・外壁塗装などは仕事が減ってしまい安定的に雇用することが難しい地域もあります。

そのため夏場など現場のある時期だけアルバイトを使う建設会社も多くなります。

日払いで働いてもらったり、数週間の短期アルバイトという場合もあります。

この場合に扶養控除等申告書への記載をしてもらわなかったり、源泉所得税を給与から天引きしないまま総額を渡してしまうケースも多くなります。

税務調査の際には役員も含め従業員さんの源泉所得税がしっかりと徴収・納税されているかもチェックされていきます。

税務調査の際には税務調査実施日の直前の納期限給与までが源泉所得税の調査となるので注意しましょう。

建設業が注意したい税務調査のポイント【印紙の貼付漏れ】

収入印紙の税務調査も同時に行われていきます。

工事の契約書や覚書といった書類も工事の売上計上時期の確認でチェックされていきます。

その際に契約内容によって収入印紙を貼付する必要があるため、しっかりと印紙が貼られているかも調査されていきます。

建設業の工事契約書は判断が難しいものもあるので税務調査で収入印紙漏れを指摘されるケースも珍しくありません。

まとめ

東京オリンピックに向けて建設業も忙しい時期にかかってきます。

建設業の税務調査も今後増えてくる可能性もあるので税務調査のポイントをしっかりと理解しておきましょう。

利益がでた場合の節税ばかり気にしていると、税務調査の際に間違いを指摘されてしまうことになります。

しっかりと税務的に問題の起こりにくい社内管理体制をつくっていきましょう。

自社で経理を行う際にも建設業に強い税理士さんに相談しながら経理体制を作っていくことが重要です。

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