税務調査は最初の1時間が重要【世間話や経歴でしっかり見られます】

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税務調査の多い時期は7月~12月が一つの山です。税務調査シーズンになると税理士さんも会社の経営者もピリピリしてきます。実際に税務調査は最初の1時間が重要なことをご存知でしょうか?

税務調査は最初の1時間が重要【世間話や経歴でしっかり見られます】

税務調査は税務署の事前の連絡から始まることが一般的です。

この税務署からの連絡も顧問税理士がいる場合には税理士さんに行くことがあります。

税理士さんからお客様に「税務調査の連絡が入っています。税務署側の希望日程は○月○日の週で3日間です」という連絡です。

税理士さんを頼んでいない場合には直接税務署に提出している届出書などに記載した電話番号に同様の連絡が来ます。

顧問税理士がいる場合には次の点がわかっているのでお客様に連絡をする前に税務署と簡単なやり取りをしていたりします。

①税務調査の日程は「あくまでも税務署側の希望日程」であること

②税務調査の担当部署で通常の調査課どうかの判断

税理士さんは電話で税務署の担当者と電話で税務調査の立ち合いができる日程かどうかの確認も行います。

税務調査は税理士さんを立ち会わせないで自社で行うことも可能です。

税務署の希望日を優先しすぎると、税理士さんが立ち会うことができなかったり会社の繁忙時期に調査を受けるということになってしまいます。

電話が来てから日程調整をする税務調査は任意調査なので、税務署側の日程は「希望日程」ということを理解しておきましょう。

税務調査の日程のすり合わせが終わると税務調査の準備が必要になります。

(税務調査の準備は何をすればよいのか)

・税務調査の準備は「事前通知」された年度・項目の資料を用意すること

税務調査は事前通知というものが必要になりました。

この事前通知とは税務調査の手続きが法定化されたことにより、税務調査の前に日程・税務調査を行う場所・税務調査の対象年度・税務調査の対象税目・税務調査の対象物などを通知することをいいます。

お客様に対して税務署から説明をするケースもありますが、顧問税理士がいる場合には税理士さんに通知をしているケースも多いです。

この事前通知をすることで税務調査の日程が確定します。

ただし事前通知の後にやむを得ない事情で日程変更も可能です。

税務調査の実施の前日までに税務調査で必要な資料を用意して当日に臨むことになります。

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税務調査は初日の1時間が大切な理由とは

税務調査の初日は社長だけではなく、税理士さんも緊張します。

税理士さんはあちこちの税務調査に立ち会っているので、慣れていても「どんな調査官か」は心配事です。

税務調査といっても「人と人」です。

税務調査の調査官がどのような人かというのは非常に重要な部分になります。

調査官が到着すると身分証明書を提示し、名刺交換をしてからスタートします。

最初は「今日はいい天気ですね」や「今日は暑いですね」など一般的な話からスタートします。

そんな世間話も実は税務調査が始まっているということをご存知でしょうか?

「最近良い天気が続いているので週末に○○に行きましてねー」なんて調査官が話をしてきて時に、「私も以前そこにいきました」なんて話をしてしまうこともあるかもしれません。

調査官も自分の趣味の話などをすることもあります。

そして「社長はどんなことが趣味なんですか?」と普通の会話が広がっていきます。

ただ、これは世間話ではありません。

この経営者の性格・価値観・行動パターンなどを広く探っています。

探っているというと言葉が悪いのですが、情報として出てくるのです。

・休日に車をプライベートで使っている可能性がある

・金遣いが荒い

・趣味が何か

例えば、社長がゴルフが好きや旅行が好きということがわかると交際費の中にゴルフがあると「社長の個人的な出費ではないか?」と疑われます。

旅費交通費に出張があると「趣味の旅行を経費で落としていないか」と疑われるようになります。

お金の使い方はその人の人間性が出てしまいます。

特に個人事業主や会社設立をしてから年数が10年以内の会社で、人数も多くなければより人間性が出やすいのです。

こんな話の続きで税務調査らしい質問が行われます。

・経営者の職歴(学校卒業から現在に至るまで。最初の税務調査の際)

・会社の業況(最近・数年間の推移)

・会社が力を入れていること・強みなど

・決算書の内訳書に記載されている取引先の確認

・売上計上の流れ(発注・請求・入金の流れ)

・会社内で作っている資料は何か

ケースバイケースという部分もありますが、税務調査で直接的な確認事項としてはこのようなものがあります。

ここでの回答が後々「資料・質問事項の回答」との整合性があるかどうかチェックされていきます。

矛盾があると「何かあるのだろうか?」と疑われてしまいます。

 

(税理士さんは助けてくれないの?)

この税務調査の最初の1時間は経営者が自分で税務署の調査官と対峙する必要があります。

顧問税理士さんは最初の世間話などについて間に入ることが難しいです。

社長の趣味や休日の過ごし方に税理士さんがしゃしゃり出ると「なんでこんなに必死なのだろう」と思われてしまいます。

この時間帯は非常に重要なのですが、経営者が自分で対処する時間になります。

そのため最初の時間をしっかりとコントロールすることが重要になります。

まとめ

税務調査は世間話をふくめて始まっていることを理解しましょう。

税務調査の最初の1時間は経営者が自ら乗り越えなければならない壁です。

税務調査の当日よりも前に税理士さんの事前打ち合わせをしておきましょう。

税理士さんから税務調査の流れや質問されそうな事項などを教えてもらって緊張をほどいておきましょう。

日ごろから税理士さんとコミュニケーションをとることによって、税務の感覚を育てていきましょう。

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