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会社を経営する前に、領収書をもらう機会は少なかったはずです。
ただ、会社からは「領収書をもらってこないと経費精算ができない」といわれるから何となく貰っていたり。
日常の中で、何気なく扱っていた領収書を、自分が書く側になるのが起業するということです。
いま改めて、自分が記載する領収書をイメージしてみてください。
いまさら聞けない領収書の起債項目を見ていきましょう。
領収書は改ざんされないことが重要
領収書は相手に対して交付するものです。
相手に渡した領収書が改ざんされた場合、改ざんしたほうに大きな問題が起こります。
しかし、税務調査では不自然な金額があればその領収書を交付した事業者にたいして反面調査(ハンメンチョウサ)をかけます。
場合によっては、反面調査ではなく、取引先に対して通常の税務調査に移行することさえあります。
反面調査であれば、その取引先との関係資料だけを提示すればよいのですが、通常の税務調査に移行した場合はすべての会計資料を調査されます。
このように、領収書の改ざんによって交付した自分がトラブルに巻き込まれないようにすることも重要なのです。
では、続いて通常の領収書の作成手順にのっとって注意点を見ていきましょう。
領収書の発行日を記載する
領収書に領収書の発行日を記載します。
これを記載していなければ、もらったお客様が困ってしまいます。
経理をするときに、取引の日時がわからなくなり処理ができなくなってしまいます。
「¥」マークを金額の前につける
領収書の金額を記載した際には、金額の先頭の前に「¥」をつけます。
これは、改ざんをして桁(ケタ)を増やすことを防止するためです。
緊張して「¥」と「羊」を間違って書いてしまわないように気を付けましょう。
領収書の記載は、
「¥○○○,○○○,○○○―」となります。
余談ですが、税務署の税金を納付する納付書も金額の前に必ず「¥」をつけるよう注意書きがされています。
金額は後ろから3つごとに「,」をつける
領収書に限らないことになりますが、会計では一瞬で桁(ケタ)がわかるように金額の後ろから3つごとに「,」をつけます。
これに慣れていると、領収書や請求書を見た瞬間に「数百万円」や「数千万円」「数億円」も読み取れるようになります。
この「,」がなければ、「イチ」「ジュウ」「ヒャク」「セン」と桁を数える必要が出てしまいます。
さらに、「,」がなければ桁の改ざんも容易になります。
「¥××,×××円」となります。
このケースでは、単位が「万円」の桁ということがすぐわかります。
金額の最後に「-」を記載して〆る
領収書の金額を改ざんさせたないために、金額の最後に「-」や「也」をつけます。
通常は、「-」をつけることのほうが多いと思います。
これも金額を勝手に足して、桁(ケタ)を多くされないためです。
領収書の記載は、
「¥○○○,○○○也」や「¥○○○,○○○―」となります。
何の領収書なのかを但し書きで明記する
領収書の但し書きに商品の内容やサービスの内容を記載しなければ、取引の内容のわからない領収書になってしまいます。
よく「品代」と記載してしまうお店や宛名を「上様」と記載しているところもありますが、税務上認められないものがあるので注意しましょう。
世間にはたくさんのお店があります。
最近では、インターネットの普及でお店の名前や法人名などを検索するとある程度の情報が手に入ります。
「飲食代だろう」や「建設業の作業服関係を購入したのかな」など予測はしやすくなりました。
皆さまがインターネットで広告を展開していない場合や、様々な商品やサービスを提供している場合にはネットで検索しても内容がわからないことになります。
金額が高額なのに但し書きがないものなどは税務調査でも調査の確認項目に上がってきます。
領収書に記載する金額が5万円以上の場合には収入印紙を貼って消印をする
領収書に記載している代金の受領金額が5万円以上の場合には、収入印紙の貼付義務があります。
この5万円以上か同課の判定は、消費税を別書きしている場合は税抜きでの記載金額が5万円以上かどうかになります。
消費税込みで記載している場合は、税込み5万円以上かどうかになります。
郵便局や取り扱いをしているコンビニエンスストアで収入印紙を購入して、領収書に収入印紙を貼る必要があります。
印紙を貼付しないことは、脱税に当たることから次のような罰則があります。
印紙税を納めなかったとき
この印紙をはり付ける方法によって印紙税を納付することとなる課税文書の作成者が、その納付すべき印紙税を課税文書の作成の時までに納付しなかった場合には、その納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額、すなわち当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する過怠税が徴収されることになります。
ただし、調査を受ける前に、自主的に不納付を申し出たときは1.1倍に軽減されます。
また、「はり付けた」印紙を所定の方法によって消印しなかった場合には、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収されることになります。
なお、過怠税は、その全額が法人税の損金や所得税の必要経費には算入されませんのでご注意ください。(国税庁HPより)※一部太線・アンダーライン・赤字に加工しております。
印紙を貼るだけではなく、消印を押すことで印紙が再利用されないようにしなければ印紙税を納付したことにならないので注意してください。
領収書発行者の住所・氏名(会社名・屋号)・電話番号を記載する
領収書発行者の会社名(屋号)・住所・電話番号を記載します。
この部分は印刷屋さんに発注している場合であれば印刷済みになっている部分です。
市販の領収書を使っている場合には、ゴム印で押印している会社が多い箇所です。
会社名の横には、角印で押印をしておきます。
領収書をもらう人の宛名を記載する
領収書の次の項目が埋まったら、領収書の交付先(取引先)の宛名を記載します。
これで必要な個所が埋まり領収書が完成しました。
① 受領金額(領収書に記載した金額)
② 但し書き(取引の内容)
③ 印紙の貼付
④ 領収書発行会社の情報(自社の情報)
⑤ 領収書発行会社の角印を押印
まとめ
領収書は代金を受領した場合、法律的に交付する義務のあるものです。
この領収書の作成は、様々な記載する項目がありますので注意しましょう。
領収書の記載項目をしっかり理解していなければ、短時間で作成して交付することができないためお客様に迷惑をかけてしまいます。
領収書の記載項目を抑えるとともに、印紙の貼り付けについても理解していきましょう。
今後の開業を予定している方は、事前に税理士さんに相談してみてはいかがでしょうか?