副業アフィリエイトの確定申告方法とは【税理士いらずの経理】
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副業アフィリエイトをしている人も増えてきていますが、確定申告は税理士さんに頼まなければできないのでしょうか?今回は副業アフィリエイトの人が自分で確定申告をするための方法を考えてみましょう。
副業アフィリエイトの確定申告方法とは【税理士いらずの経理】
サラリーマン・OL・パートやアルバイトなど主たる収入を持ちながら副業でアフィリエイトをしている人も増えてきています。
アフィリエイトについて税理士さんに聞いても「アフィリエイトってなんですか?」という先生に当たる可能性もあります。
アフィリエイトは専門の税理士さんが少ないので、説明するだけでも難しいのです。
特に副業アフィリエイトの場合、収入が伸びている最中というケースもあるので税理士さんに見てもらうコストが難しいケースも多くなります。
アフィリエイトを始めたばかりのころは、自分でも確定申告をすることが十分可能なのです。
税理士さんに頼まないで副業アフィリエイトの確定申告の方法を見ていきましょう。
(副業アフィリエイトの確定申告方法の目次)
1.副業アフィリエイトの収入の確認方法
2.副業アフィリエイトで落ちる経費とは
3.副業アフィリエイトの確定申告の「所得区分」とは
4.まとめ
1.副業アフィリエイトの収入の確認方法
副業アフィリエイトの人が自分で確定申告をするためには「収入・経費・利益」の情報が必要になります。
ここでは「副業アフィリエイトの収入とは」をみていきましょう。
副業アフィリエイトの収入はASPから振り込まれる収入になります。
ASPによっては振込みサイトが翌月・翌々月など違いがあるので規約を読んでおきましょう。
確定申告の場合には収入を計上するタイミングは預金通帳に振り込まれたタイミングではないので注意が必要です。
(アフィリエイト収入の計上ポイント)
①ASPの報酬管理画面で確定された報酬額をその月の収入に計上する
※預金通著運振り込まれたタイミングではなく、ASPの報酬確定時(○月分確定→○月分収入)となります。
※支払い基準額に満たない場合でも収入になるので集計を忘れないようにしましょう。
②ASPによって振込手数料を差し引くケースがあるので、振込手数料相殺前の発生確定額が収入になります。
③ASPによっては消費税の取扱いが変わるので、不安な方はアフィリエイトに詳しい税理士さんに相談しておくことも重要になります。
2.副業アフィリエイトで落ちる経費とは
アフィリエイトは「どこまで経費で落とせるのか」という部分で大きな税務トラブルを生みやすい業種です。
税務調査が行われた場合には、ほぼ「家事費」といわれてしまうものがでてきます。
家事費とは経費で落ちないプライベートなものということです。
なぜアフィリエイトの場合には「家事費」といわれるリスクが高くなるかを見ていきましょう。
(アフィリエイトの税務調査で経費トラブルの原因とは)
①アフィリエイトはあらゆる題材が収益と結びつく
②アフィリエイトの仕事をする場所は自宅とは限らない
③アフィリエイトは興味の延長線上であるケースも多い
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①副業アフィリエイトはあらゆる題材が収益と結びつく
アフィリエイトはあらゆるものが収益と結びつきます。
商材をしっかりと決められているASPもあればgoogleアドセンスのように商材に縛られない広告も出てきます。
アクセスを集めることであらゆるものを収益化させることができることがアフィリエイトの魅力です。
例えば、次のような場合に家事費と経費との境界線上がわからないため家事費として否認されやすくなります。
・ゲームの機器やソフト代
ゲームアフィリの場合には実際にゲームを購入してプレイすることでしか得られない情報・感想をアップしていきます。
・旅行代金や飲食代金
旅行アフィリや飲食アフィリは旅費や飲食代がプライベート経費として見られやすくなります。
個人事業の場合には「自分の飲食代は経費にならない」が税務署の原則的な考え方です。
そのため旅行アフィリや食べ歩きアフィリなどは「経費で認められない」と言われやすくなります。
アフィリエイトに強い税理士さんに相談して対策を取っておくことが重要です。
・化粧品やサプリメントなど健康食品代
コスメアフィリや美容アフィリは自分が使用してみた感想や自分を被写体として写真を撮ったりします。
実際に自分が使用した体験談も重要な情報になることから使用しているケースも多くなりますが、税務調査の際には経費として認められないと主張されるケースも出てきます。
②副業アフィリエイトの仕事をする場所は自宅とは限らない
アフィリエイトの記事を書く場所は自宅とは限りません。
仕事の効率という意味で喫茶店で記事を書くことも出てきます。
税務調査の際には「自分で食べたものは経費にならない」という主張をしてくるケースがでてきます。
所得税法の必要経費で認められるかどうかという点が重要になります。
所得税法の経費について定めているのは所得税法37条1項です。
(所得税法37条1項:必要経費)
その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第35条第3項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るために直接要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。
別段の定めで除かれているもの:所得税法45条・46条・51条・65条・租税特別措置法20条・26条
所得税法45条で除かれている代表例:家事上の経費及びこれに関連する経費で政令で定めるもの(家事関連費)
喫茶店などで仕事をした場合には、原則としては経費として考えられます。
所得税法第37条1項の「その年における販売費及び一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」に該当するからです。
ただし、別段の定めとして経費にならないものに家事関連費というものがあるので「事業遂行上必要だった割合」を明記することが必要になります。
さらに、参考となる判例があります。
(平成23年8月9日東京地裁判例:弁護士業の必要経費に関する判例)
その中で裁判所は経費に算入する根拠を次のように判断しています。
①事業と直接関係していること
②業務の遂行上必要であることが、主観的判断によるものではなく、その業務の内容等個別具体的な諸事情に則して社会通念に従って客観的に行われる
最近ではサラリーマンやOLの方も喫茶店で仕事をしている姿をよく見かけます。
そう考えると税務調査の現場では「自分が飲食したものは経費にならない」と説明されますが、喫茶店が社会的に第2の仕事場となっている社会情勢を考慮に入れた主張も検討の余地があるのではないでしょうか。
③副業アフィリエイトは興味の延長線上であるケースも多い
アフィリエイトは自分が得意分野の記事を書くケースがあります。
そのため副業アフィリエイトの場合「趣味の内容を記事にしたらたまたま儲かったんでしょ?」と考えられてしまうケースもあります。
「趣味のための支出=経費で落ちない出費」と考えられてしまうと、アフィリエイトの収入がほぼ利益になってしまいます。
副業アフィリエイトで収入が出るようになったら、事業としての認識をもって資料や記録をつけておきましょう。
税務調査の際に趣味=アフィリのネタと捉えられないようにしておきましょう。
3.副業アフィリエイトの確定申告の「所得区分」とは
アフィリエイトの場合、「事業所得」になるケースと「雑所得」になるケースがあります。
一般的に開業届や青色申告承認申請書を提出して行っているアフィリエイトは事業所得と考えられます。
副業アフィリエイトの場合には、「雑所得」として確定申告をすることになります。
実際には事業所得と雑所得の区分は非常に難しいので、アフィリエイトの収入が大きくなってきた場合にはアフィリエイトに詳しい税理士さんに相談した方が安心です。
4.副業アフィリエイト確定申告のまとめ
副業アフィリエイトでも確定申告が必要なケースがあります。
知らない間に脱税にならないように注意しましょう。
・副業アフィリエイトの場合、収入の計上基準の間違いに気を付けましょう。
・副業アフィリエイトの経費は自分の認識と税務署の認識にズレが出ることがあるので自分の基準をしっかり持ちましょう。
・副業アフィリエイトの所得区分は、原則として雑所得になります。
副業アフィリエイトの収入が大きくなってきた場合には、アフィリエイトに詳しい税理士さんに相談することをお勧めします。
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