はじめて銀行融資を受けたときの仕訳方法【保証料の経理方法】

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創業融資を受ける場合と起業後数年たってから銀行融資を受ける場合で銀行融資をはじめて受ける時期が異なってきます。はじめて銀行融資を受けると銀行融資に関する経理処理をどうしたらよいか不安になってきます。今回ははじめて銀行融資を受けたときの注意点を見ていきましょう。

はじめて銀行融資を受けたときの仕訳方法【保証料の経理方法】

銀行融資というと住宅ローンを思い描く方も多いかもしれません。

個人事業主や法人の場合には、住宅ローンというよりも事業資金の手当てという方が中心になります。

個人事業主や法人の経営者にとって銀行融資は次のように分かれます。

①運転資金融資

②設備資金融資

これ以外に銀行融資を受けるタイミングによって、創業融資というくくりもあります。

中身は創業後一定年数しか受けられない政策的な融資制度で、運転資金と設備資金の両方があります。

起業した後にすぐ融資を受ける場合には創業融資の人が多く、創業後数年経過後からはその他の制度融資を活用することが多くなります。

銀行融資を受けるにあたって事業計画書については「儲ける会社の事業計画書作成のポイント」をご覧ください。

銀行融資を受ける場合の一般的な流れ

銀行融資を受ける場合の一般的な流れは次のようになります。

①事業計画書の作成

②資金繰り予定表の作成

③設備資金の銀行融資の場合には見積書を用意

④確定申告書又は決算書(2期~3期分)のコピーを用意

⑤銀行または日本政策金融公庫に申込書の提出

銀行融資の申込書を提出する前に、銀行の融資担当者などと融資希望額と実行可能性の有無を打合せしておきます。

本申し込みをして断られてしまうと、その後の銀行融資をすぐに受けることは難しくなるためです。

銀行融資を受ける場合には、信用保証協会の保証を付けることが多くなるため一度融資を断られると直近の銀行融資が難しくなります。

その理由は他行で銀行融資を申し込んでも保証協会で「またか」ということになって断られてしまうためです。

そのため銀行または日本政策金融公庫の融資申込書をいきなり記載して申し込むということは通常は行いません。

顧問税理士さんがいる場合には税理士さんに相談をすると金融機関とのパイプを活用して事前打診などをしてもらえます。

銀行融資を受けたときの経理処理とは

銀行融資や日本政策金融公庫からの融資が実行されると預金通帳にお金が振り込まれます。

借入が実行されたということで、ここから本格的に経理処理が必要になります。

ここで日本政策金融公庫の融資と銀行融資で処理が異なるので注意しましょう。

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①日本政策金融公庫融資を受けた場合の経理処理

日本政策金融公庫は信用保証料や人的な保証が必要のない「無担保・無保証」というものが取り扱われています。

この場合、借入金が振り込まれる際に天引きされるものが少なくなります。

・融資申し込み時に収入印紙を購入したときの経理(仕訳)

(租税公課)××円/(現金)××円

・融資実行時の処理(振込手数料を引かれた場合)

手数料を引かれた場合などは、振替伝票で経理処理を行います。

(普通預金)××円/(長期借入金)××円

(支払手数料※)××円/

※支払手数料の部分は会社によっては雑費を使う場合もあります。

・融資返済日の処理

返済日には元本と利息の両方を返済している場合には、振替伝票で処理をしていきます。

(長期借入金)××円/(普通預金)××円

(支払利息)××円

※元本返済の据え置き期間がある場合には、(支払利息)××円/(普通預金)××円となります。

融資実行後に政策金融公庫から返済予定表が郵送されてくるので、その月の支払額の合計と「元本」と「利息」を確認して経理します。

②保証協会付き銀行融資を受けた場合の経理処理

信用保証協会の保証付き銀行融資を受けた場合の経理処理は次の通りです。

無担保・無保証よりも経理すべき項目が多くなるので注意しましょう。

・融資申し込み時に収入印紙を購入したときの経理(仕訳)

(租税公課)××円/(現金)××円

・融資実行時の処理(信用保証料・振込手数料を引かれた場合)

信用保証料・手数料を引かれた場合などは、振替伝票で経理処理を行います。

(普通預金)××円/(長期借入金)××円

(支払手数料※)××円/

(長期前払費用)××円①/

(支払利息)××円②/

①:信用保証料の部分を長期前払費用として処理し、返済期間に応じて経費化していきます。

②:融資実行時に初回利息を引かれることがあるので返済予定表をしっかりと確認して経理します。

※支払手数料の部分は会社によっては雑費を使う場合もあります。

・融資返済日の処理

返済日には元本と利息の両方を返済している場合には、振替伝票で処理をしていきます。

(長期借入金)××円/(普通預金)××円

(支払利息)××円

※元本返済の据え置き期間がある場合には、(支払利息)××円/(普通預金)××円となります。

・決算時の信用保証料の経理処理(確定申告時の信用保証料の経理処理)

信用保証料は融資実行時に差引されますが、融資実行時に一括経費化することは認められていません。

信用保証料は融資の返済期間の融資事故に関する保険のようなものです。

そのため融資返済期間にわたって経費化していく処理が必要になります。

決算時に信用保証料をどのように経理処理(仕訳)するかを見ておきましょう。

(雑費※)××円/(長期前払費用)××円

※保険料として処理する会社もあります。

この場合に雑費や保険料として経費化するときには、返済回数とその事業年度で到来した返済回数の割合で経費化します。

(信用保証料の経費化の具体例)

・融資返済年数5年(60回)

・融資実行年返済回数5回

・信用保証料120,000円

初年度信用保証料の経費算入額:120,000円×5回/60回=10,000円(経費算入額)

まとめ

銀行融資や日本政策金融公庫からの融資を受けた場合に経理処理を間違うことは非常に危険です。

銀行融資を受けた場合には、確定申告や法人決算が終わる都度、銀行に確定申告書や決算書を提出することになります。

その際に自行の融資残高と帳簿上の融資残高がずれていると「経理が雑なのでは?」と思われてしまいます。

信用保証料を一括で経費で落としていると法人税申告書を見ただけで経理が間違っていることがわかります。

税務調査を誘発することにつながりかねないので融資を受けた際にはしっかりと経理をしておきましょう。

銀行融資に強い税理士さんもいるので、事前に税理士さんに相談しておきましょう。

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