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会社を作るなら株式会社でと思っている方、待ってください!会社を作るのは株式会社だけではないのです。今起業する人の間で話題になっている「合同会社」というものがあるのでしっかりとメリットを知ってから株式会社か合同会社かを決めましょう。
今起業する人の間で話題の合同会社の5つのメリット
少し前までは会社を作るなら「株式会社」と思っていた方が多かったのですが、最近では「合同会社」というもので会社を作るかたも増えております。
平成18年(2006年)会社法改正により、株式会社だけではなく、この合同会社という形態の会社設立ができるようになりました。
今までの合同会社の設立件数の推移を見ていきましょう。
合同会社の設立件数の推移~合同会社設立可能になった平成18年度~平成27年度まで)
(法務省データを一部加工※下線部分を加工)
平成27年度 | 平成26年度 | 平成25年度 | 平成24年度 | 平成23年度 | 平成22年度 | 平成21年度 | 平成20年度 | 平成19年度 | 平成18年度 |
22,223件 | 19,808件 | 14,581件 | 10,889件 | 9,130件 | 7,153件 | 5,771件 | 5,413件 | 6,076件 | 3,392件 |
6.55倍 | 5.83倍 | 4.29倍 | 3.21倍 | 2.69倍 | 2.10倍 | 1.70倍 | 1.59倍 | 1.79倍 | 対平成18年比率 |
平成25年度・平成26年度・平成27年度の最近3年度の設立は、それ以前に比べて急激に合同会社の設立件数が増えていることがわかります。
実際に法人設立の際に必要になる代表印というハンコを彫るはんこ屋さんでも合同会社の注文が増えているという話も出ているようです。
では、合同会社というのは一般的な中小企業の会社設立だけでしょうか?
実は、こんなに有名な企業も合同会社だったのです。
・Apple Japan
・アマゾン・ジャパン
・西友
「会社=株式会社」だった時代から、会社設立は自分に合った変化してきているのです。
一般的には株式会社と合同会社のメリットデメリットを比較しながら合同会社を選択する方が増えています。
将来的に自分が会社を設立するなら合同会社の方がメリットが多いと感じる方も出てくると思います。
今回は合同会社の5つのメリットをまとめてみました。
合同会社設立メリット1:合同会社は設立費用が安い
合同会社も株式会社も設立する際には、会社の設立費用が掛かります。
設立費用には国や公証人役場にかかる公的な費用があります。
会社を作って会社を運営していく最初には設立費用が安くなればなるほど助かります。
この会社設立費用が安いというのは、大きなメリットになります。
①国に治める公的費用(登録免許税)が安い
合同会社を設立する場合には、設立の際に登録免許税がかかります。
合同会社の設立の際の登録免許税の最低金額は6万円です。
登録免許税は資本金の大きさによって金額が変わります。
登録免許税の金額の計算は次の通りです。
「資本金×7/1,000=登録免許税の金額(最低6万円)」
この計算式を逆算すると、登録免許税が6万円より高くなるのは資本金857万1,428円以上ということになります。
一般の合同会社の設立では、こんなに資本金を積むことはないと思いますので登録免許税は6万円と覚えておけば十分です。
②公証人役場に支払う定款認証費用が節約可能
株式会社の設立の場合には、公証人役場の定款認証という手続きが必要になります。
株式会社は出資は株主がすることから、会社の設立について正しい手続きによって設立されたことを公的機関が証明する手続きが必要になります。
この定款認証に必要な手数料が5万円かかります。
合同会社の場合には、原則として「出資者=業務執行社員」となります。
出資した人が会社の運営業務を行うということになります。
株式会社と違って設立手続きの所有と経営の紛争が起こりにくいことから定款認証が不要とされています。
③電子定款を使うと定款にはる印紙4万円が節約可能
この電子定款を使った印紙税の節約は株式会社も合同会社も両方で可能です。
会社設立時には定款という会社のルールを作るわけですが、この定款を紙で作ると印紙を貼る必要があります。
なぜ印紙を貼る必要があると、定款が印紙税の課税文書に該当するという決まりがあるためです。
この課税文書には電子文書は該当しないということになるので、電子定款の場合には印紙を貼る必要がなくなります。
そのため電子定款というPDFを使った定款を作成することによって定款に貼る印紙を節約できるというわけです。
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合同会社設立メリット2:合同会社は運営・利益分配が出資割合によらない自由がある
一般的な株式会社の設立の場合、お金をたくさん出した人(大株主)が会社の運営方法も配当(利益分配)もコントロールすることができます。
少額の出資者は、実施的に会社の運営にタッチすることはできないということになります。
さらに配当についても、自分の持っている出資割合に応じた配当を得るということになります。
株式会社の場合には、会社の経営方針を株主が株主総会で決めて日々の業務を取締役が行うことになります。
会社の機関設計としては、ここに「ねじれ」があるため、運営に緊張感が出ると同時に意思決定に時間がかかります。
①合同会社は会社運営の自由度が高い
合同会社の運営方針を決めるのは原則として、「出資者=業務執行社員」となります。
出資者が外部の利害関係者ということはないため、業務運営は社員同士で決めることができます。
会社運営の意思決定などがスムーズに行うことができるという力があります。
②合同会社は配当の自由度が高い
合同会社の場合には、出資比率によらない配当を出すことも可能です。
例えば、出資は少なかったけども専門知識があって経営に貢献したので収益の大半を分配するなんてことも可能です。
出資以外の事業貢献割合で配当できるというのは大きな魅力になります。
合同会社設立メリット3:合同会社はランニングコストが低い
①役員の任期制限がない
株式会社も合同会社も設立して終わりということはありません。
登記という国に登録する手続きを取っているため、一定の変更などがあると法務局に登記変更という手続きをしなければなりません。
この登記変更をするためには、登録免許税という税金がかかります。
株式会社の場合には役員の任期は最大で10年間です。
役員の任期が終わると役員変更登記が必要になります。
その際に登録免許税が必要になってきます。
合同会社の場合には、役員の任期制限がないため役員変更登記にかかる費用が抑えられます。
・役員変更登記に必要な登録免許税:資本金1億円以下の場合1万円
②決算報告義務がない
株式会社の場合には、事業年度が終了して決算が完了すると「決算公告」というものをしなければなりません。
一般的には決算公告費用の少ない「官報による公告」をしたとしても、約72,978円の費用が毎年かかります。
合同会社にはこの「決算公告」に関する義務がないことになります。
そのため決算公告費用が株式会社に比べて節約できるというわけです。
合同会社設立メリット4:合同会社は株式会社と同じ節税ができる
合同会社は株式会社と同じ「法人税」がかかります。
個人事業の場合には所得税がかかり、毎年3月15日までに確定申告をしていくことになります。
法人税は所得税に比べて次のメリットがあります。
①社長へのお給料が経費で落とせる
②社長や家族への退職金が経費で出せる
③家族に対して支払うお給料が経費で落とせる
④生命保険を使った節税ができる
⑤最高税率が所得税よりも低い
個人事業の場合と比べて、法人にすることによって個人と法人の両方を使った節税が可能になります。
社長自身は所得税・会社は法人税の範囲になるので両方での節税が可能になってきます。
合同会社設立メリット5:合同会社は個人事業よりも資金調達の方法は増える
個人事業の場合には、銀行融資や家族や親せきからの借入くらいしか資金調達方法はありませんでした。
合同会社の場合には、銀行融資や親せきからの借入以外にも社債の発行や新たな出資を受け入れるという資金調達も可能になります。
会社の財産を担保に入れて銀行融資を受けるということもできます。
資金調達の方法が個人に比べると範囲が広くなります。
まとめ
平成18年度では合同会社の世間認知度が低いというデメリットがありましたが、最近では金融機関を含めて合同会社の認知度は格段にアップしています。
第三者の出資を受け入れて会社をおこなうのであれば株式会社の方があっている気がしますが、社長が一人出資者であれば合同会社でも十分メリットがあります。
得意先が株式会社に固執していない場合には、合同会社による会社設立は大きなメリットがあります。
余談になりますが、株式会社の場合には代表取締役となりますが、合同会社の場合には代表社員となりますのでご注意ください。
会社設立前には一度税理士さんに相談していきましょう!
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