「少額の経費だからいいか・・・」がとんでもない税金になる理由
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弁護士・司法書士・行政書士・社労士などの士業や設計事務所、サービス業などは「少額の経費の積み重ね」で経費が作られていきます。人的なサービス業は大きな経費は人件費です。これ以外は、小さな経費の積み重ねが年間の経費になります。
「少額の経費だからいいか・・・」がとんでもない税金になる理由
弁護士・司法書士・社会保険労務士・行政書士など士業の特徴は、ほとんどが人件費です。
これ以外の経費はガソリン代や打合せの飲食代・専門書の購入費用など一つ一つが小さな経費の積み重ねになります。
この士業と同じようにマンパワーで経営している業種は、サービス業なのです。
飲食店や小売店などは仕入れなどの経費もかかるため少額経費だけではありません。
労働集約型のサービス業というと、設計事務所・理美容業・整体マッサージ業・SOHO・アフィリエイト・FX・不動産賃貸業などがあげられます。
これ以外にも、建設業の中にも労働集約型の業種があります。
鳶(トビ)・土工・外注請けの大工などです。
原則的な入出金管理は通帳をまとめるとできる
売上管理は一つの口座にまとめると便利
現金売上以外の売上管理は一つの通帳に入金先をまとめると簡単にできます。
売上先を一つにまとめるのはものすごく簡単です。
請求書に一つの金融機関しか入れなければよいのです。
請求書に複数の金融機関を入れて送ってしまうからあちこちの金融機関に入金がばらけてしまうのです。
複数の金融機関で入金確認をしなければならないとなるとどれだけ手間になると思いますか?
5日支払い・10日支払い・15日支払い・20日支払い・25日支払い・月末支払いがあれば、6パターンの入金日があります。
金融機関が3行請求書に記載されていれば全部で18回も入金確認をしなければ未入金かどうかわからないということになります。
ネットバンキングであれば、事務所から確認することができますがネットバンキングを活用していなければ18回も銀行のATMコーナーに並ぶことになります。
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支払い口座も一つにまとめると便利
支払い口座も入金口座同様に一つにまとめると便利です。
あちこちの銀行から振り込みをおこなうと色々な無駄が出てきます。
・ネットバンキングの月額利用料が複数行分かかる
・銀行間の資金移動が複雑になる
・複数の銀行の残高管理に失敗すると信用を落とす
大きな支払いは一つの銀行口座から振り込みや自動引き落としを行うことで銀行の残高不足のリスクも大きく下がります。
さらに、ネットバンキングの月額手数料も下がり、銀行間の資金移動も少なくなります。
入金口座と支払い口座を分けていない場合には、入出金口座を一つにまとめることもできます。
事務の効率化と併せて資金不足による信用失墜リスクを抑えることで経営力をつけていきましょう。
少額経費の領収書をもらわなかった会社がどうなったか・・・。
ここまで、入金出金を管理していても少額の経費の管理は難しいのです。
少額の経費が面倒だから領収書をもらわなかったらどうなるかを見ていきましょう。
特に士業やサービス業の場合、少額経費の積み重ねで年間の経費が作られることをお話ししました。
これらの業種で少額経費の領収書がなかったらどれだけのダメージになるかご存知でしょうか?
その個人事業や法人によって使う経費はまちまちですが、月に15万円程度の飲食や事務用品・消耗品の購入があったと仮定します。
・月15万円×12か月=180万円
・税率を30%と仮定 180万円×30%=54万円
少額経費の領収書をもらわないまま毎月過ごしているだけで税金が54万円も高くなります。
10年間で540万円も無駄に税金を払う羽目になるのです。
さらに、法人の場合はもっと悲惨です。
法人は現預金の残高を管理していきます。
領収書がない支払いがあるということは、帳簿上現金は減りません。
しかし、実際の事業用の現金は減っています。
上記の例では、年間180万円帳簿上の現金は多くなります。
その会社は10年間少額経費の領収書をもらわないまま過ごしていると、10年後の現金残高は1,800万円もあることになります。
異常な現金残高になっているので銀行融資は受けられず、税務調査を誘発することになります。
税務調査が来た場合には、1年あたり180万円分が役員のお給料として認定されるリスクがあります。
結局、法人税はまったく安くならずに、個人の所得税・住民税・社会保険料が高くなるという往復びんたを受けることになります。
こんなバカなことをする経営者がいるはずがないと思っているかもしれませんが、たくさんいらっしゃいます。
こういう会社に限って社長自身はこの問題の大きさを理解していません。
決まって、
「自分はお金を使っていない」
「こんなに利益があるはずがない」
「こんなに税金がきたら払えない」
といいます。
この原因は少額の経費をしっかりと管理していなかったことなのです。
大きな外注支払いやお給料支払いは通常振り込みで行っています。
外注や仕入れに関しては、請求書がきてから振り込んだりしますので資料がなくて支払いがあったかどうかわからないということもありません。
取引の相手先では売上として処理しているわけですから、最悪相手先から領収書の再発行を依頼すれば済みます。
税務調査の際に疑われれば、反面調査として取引の相手先の帳簿資料を確認に行きます。
しっかりとした取引であれば、「どうぞ見てきてください」という気持ちで安心できます。
残念ながら少額経費に関してはそうはいきません。
例えば、喫茶店で打合せをしていてレシートや領収書がなければそこで支払った金額が証明できません。
喫茶店の側からすれば、領収書を発行していなければ「どのお客様にいくら払ってもらったか」はわかりません。
その人が正確に支払日と支払った金額を把握していればレジロールから確認できるかもしれません。
現実的には不可能ですし、領収書をもらい損ねた時点でそれを記録しておけばよかったのです。
少額経費を効率的に管理するポイント
少額経費の領収書をしっかりもらうことが第一歩になります。
しかし、領収書はなくなってしまったり、感熱紙が白くなってわからなくなることもあります。
少しでもリスクを下げるために、クレジットカードを効率的に活用するとレシートがなくなっても支払い事実は残ります。
消費税法の本則課税の場合には、領収書及び請求書の保存が法定要件となることから領収書はもらわなければなりませんが、クレジットの明細でもないよりはマシです。
割り勘の場合や領収書をもらえなかった場合には、しっかりとお店の名前と支払い金額を出金記録を作って保存することも重要です。
こまめにレシートや領収書を事務所の経理用のスクラップブックに貼ったり、領収書入れに入れておきましょう。
万が一財布を落としてしまった時に、現金で支払った領収書は復元不能になります。
つまり、支払った経費の証拠がないため自腹になってしまいます。
このリスクを下げるために、財布の中に長期間保存することがないようにしましょう。
少額経費は塵も積もれば山となるという最たるものです。
・こまめに領収書をもらう
・財布に保存しない
・こまめに経理をする
まとめ
・少額経費の領収書をもらわなければ支払った金額の15%~55%無駄な税金を払うことになります。
領収書をもらわなかった金額の1.15倍~1.55倍も払ったことになります。
・少額経費を効率的に管理するためにクレジットカードを効率的に活用しましょう。
・こまめに領収書をもらいましょう。
・財布に領収書をためないようにしましょう。
・こまめに経理処理をしていきましょう。
特に法人の場合には、少額経費の管理を怠るとデメリットがどんどん大きくなります。
今すぐ税理士さんに相談してみましょう。
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