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法人決算直前にできる節税はないか気になっている経営者も多いと思います。税理士事務所でも担当者のレベルによって提供できる情報には差があります。案外知られていなかったり使われていない大きな節税メリットのある長期前払費用というものについて勉強しましょう。

法人決算期直前で使える短期前払費用の特例とは?

法人の決算が近くなると有効な節税対策を考えたくなります。

なぜなら会社の利益が大きければ税金が高くなります。

税金を減らすためには会社の利益を小さくする必要があります。

そこで節税対策として考えられることが経費を使うということになります。

利益=収益-費用

利益は収益(儲け)から経費を差し引いたものになります。

ここで重要なことは利益はお金のある・なしに関係ないという点です。

①入金=収益ではありません。

②支出=費用ではありません。

入金が収益ではないのは、銀行からお金を借りて入金があっても収益ではありません。

そのため収益ではない入金があっても法人税等が増えることはないのです。

逆に支払いがあっても費用にならない出費もあります。

銀行借入を返済しても費用ではないので節税にはつながらないということです。

少し脱線しますが、お金がなくても収益があると税金はかかってきます。

例えば決算期直前に数千万円の売上を上げてしまった場合、入金はおそらく決算後の翌期の頭にならないとはいってきません。

収益だけ確定してしまってもお金がないので節税ができないということになります。

そのためいつまでたっても納税が出るばかりで節税ができないというケースもあるのです。

会社の資金繰りに合わせた事業年度を組んでいると決算期の前に売上のピークを迎えているので決算期近くにはキャッシュがある会社になります。

手元にキャッシュがあれば税金対策としてお金をどのように使っていくかが重要になってきます。

税金は利益が大きいほど高くなるので費用をどのように使っていくかということを考えていきましょう。

無駄な節税と効果的な節税の違い

決算期が近くなると「利益をどうやって処分していくか」に向いてしまいます。

先ほどもお伝えした通り「利益=収益ー費用」です。

収益は仕事を頑張れば頑張るほど増えていきます。

会社は儲けるために存続しているわけですから、収益を大きくする営業努力をしているのです。

収益を上げれば税金が増えるわけですから会社は悩みどころです。

経費を使わなければ税金が増えるのですが、経費にも無駄な経費と来期以後の成長に役立つ経費があります。

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①将来への投資効果の大きい出費は短期的節税になりにくい

決算期近くになると大きな出費に節税効果は低くなってきます。

なぜなら大きな出=機械などの大型の設備投資が将来の利益に役立つからです。

しかし、原則として機械や備品など10万円以上のものを購入すると一発経費では落ちず、減価償却費として少しずつ経費にしなければなりません。

大きな支出をすることはできるけども短期的な節税効果の薄い出費になってしまいます。

②将来への投資効果と節税効果の高いもの:短期前払費用の特例

とりあえず経費を使えば税金がひくくなるために、「欲しいもの」に出費をしてしまうことがあります。

翌期に効果があるものではなく欲しいものにです。

人情なので仕方がないのですが節税効果はありますが、翌期以後の会社の利益に貢献するかどうかは微妙なところです。

これとは逆に節税効果と投資効果の両方があるものがあります。

それは「短期前払費用の特例」という制度です。

法人税法基本通達2-2-14に定められているもので、特例的に支出した金額を法人税法上の経費(損金)に算入できるという特例です。

通常の前払費用の扱いとは

税法は損益の計算方法などは、会計にゆだねています。

会計があってそれに対して税制上経費で認められるもの・認められないものを加算・減算することによって税金のモトとなる課税標準というものを求めていきます。

その課税標準に税率をかけて税金を計算していくという仕組みなのです。

つまり、会社の利益はあくまでも会計的に正しいのかどうかということになります。

会計上はその事業年度に帰属する収益と費用を対応させて考えることを原則にしています。

例えば4月1日から3月31日までの事業年度の法人であれば、収入と費用を次のように考えます。

①4月1日から3月31日までに売上たものを収益

②①に対応する商品・製品などの売上原価(売れたものと対応関係のある原価)

③4月1日から3月31日までの期間の給料・家賃などその期間に対応する経費(償却費以外の費用で債務の確定しないものを除く)

短期前払費用の特例の話が出てくるのは③の部分です。

店舗や事務所を例に考えると、4月1日から3月31日までに使った家賃がその事業年度の損金になるということになります。

家賃によくある「翌月分を今月末まで」という契約であれば、3月に払ったものは翌期の4月分なので翌期の経費になるということになります。

このように事業年度終了後の期間に対応する費用を支払った場合には「前払費用」ということになります。

短期前払売費用とは

前払費用のうち次のものをいいます。

①支払った日から1年以内に役務の提供にかかるもの(等質・等量の役務の提供であること)

②支払額を継続して支払日の属する事業年度に損金経理していること

③その事業年度に前払いが完了していること

なぜ短期前払費用の特例が優れた節税になるのか?

この特例の条件として次のことが重要になります。

①等質性:受けるサービスの質が毎月同じ程度であること

②等量性:受けるサービスの量が毎月同じ程度であること

このため代表的には事務所やお店の家賃や生命保険の保険料になります。

これらは来年度もかかる経費なので無駄なものを購入することに比べると確実な投資になります。

「元々払わなければならないも」を早めにまとめて払うことで節税になるのですから、効果的な支出です。

短期前払費用は使い方に注意が必要

短期前払費用の特例は通達で要件を定めています。

通達通りにしていれば税務調査の際に税務署からのお咎めなしと思っていると痛い目に遭うことがあります。

平成12年の判例で短期前払費用の特例が「課税上弊害がある」として判断されたものがあります。

もともと短期前払費用は、会計の「重要性の原則」を法人税法の通達で要件を定めたものという位置づけのようです。

会計には重要性の原則というものがあります。

重要性の原則は重要性が乏しいものまで細かく経理する労力と効率を考えて、経理の簡略化を認めているものです。

重要性が乏しいものとは、支払った際に経費にしても会計上大きな影響がないということを前提としている規定です。

そこで法人税法の通達の要件を満たしているとしても、金額的に大きすぎる場合には税務上否認される可能性があるということです。

まとめ

決算期が近くなった場合にはどのように節税対策をしていくかを棚卸しておきましょう。

短期前払費用の特例はその事業年度内に前払いしていることが要件です。

短期前払費用も多額になると税務調査で否認されるリスクがあります。

節税効果が大きいものでもありますが、家賃の年払いなどは金額的にも大きくなるので税理士さんと相談しながら進めましょう。

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